コロナの影響でどう変わった?新時代の終活、葬儀のあり方とは


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
2020年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界、また日本に大きな影響を及ぼす「コロナショック」に翻弄された年でした。感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令やオリンピックの延期など、日本の経済や社会に与えた影響は計り知れません。
日常生活が制限されるストレスや生活への不安など、心の健康の維持も難しいのが現状です。
コロナウイルス対策への決定打がない中、新型コロナ対策が終活にも不可欠となりました。
「3密」を避け、新しい生活様式を優先すると大人数での見送りは難しく、遠方で暮らす親族が葬儀に参列できないケースも出てきています。
葬儀そのもののあり方を含め、コロナの影響で終活はどう変化したのでしょうか。コロナ後の終活について考えます。
竹内
記事のもくじ
コロナ禍で終活に向き合う機会が増加
新型コロナウイルスの感染を防ぐため、さまざまな対策が練られました。しかし依然として感染へのリスクは存在しています。
コロナと共存していくためには、密を避け、新しい生活様式(手洗い・うがい、ソーシャルディスタンスを保つなど)を徹底していかなければなりません。
誰もが知る有名人がコロナに感染して亡くなった際、日本中が悲しみに包まれました。ご遺体からの感染を防ぐため、、感染防止の観点からご遺族は対面も許されず、一般的な葬儀や見送りが難しいと知り驚いた方も多いのではないでしょうか。
見送りの儀式である葬儀そのものが密閉・密集・密接の「3密」の場であると見なされるようになりました。死因にかかわらず、簡素化する傾向も進んでいます。
通夜や葬儀を行わない直葬(火葬式)や通夜を省き、告別式のみ執り行う一日葬、ごく近しい身内だけを集めて行う家族葬が増えています。
竹内
コロナの影響で、遠方に暮らすご家族に会うのを自粛している方もいるでしょう。コロナ禍が続く中、自分や家族はこれからの人生をどう生き、そしてどう終えていくのかを自分たちの問題として考えざるを得なくなりました。
あらためて終活に向き合わざるを得ない状況が生まれていえるでしょう。
リモート、仮想、代行などの新しい見送りの形
新しい終活や葬儀のあり方として、これまでにはない形も注目されています。
弔いの儀式そのものをシンプルにする直葬や家族葬以外に、次のような見送りのスタイルが登場しています。
竹内
リモート参列が可能なオンライン葬儀
コロナ禍により、物理的に移動が難しくなってしまいました。そこで取り入れられたのがリモート(遠隔)で参列するオンライン葬儀です。
参列する遠くに暮らす親族や知人が故人を見送る場合、ビデオ会議システムなどを利用して葬儀や告別式に参列する方法です。体調の優れない高齢者でも気軽に参列することができます。
香典を電子決済で行えるサービス、オンライン記帳に対応するサービスなど、新しい時代の葬儀として注目されはじめています。
竹内
供養を代行するサービスも
供養の形そのものを代わりに行ってくれる業者やサービスも出てきました。
お墓の掃除やお参りを代わりに行ってくれる業者やVR(仮想現実)で墓参りができるサービスもあります。
依頼者の自宅から遺骨を預かり、業者が代わりに納骨する納骨代行サービスも登場しています。
ドライブスルー葬儀や後日葬といった簡略化も
自動車の乗ったまま、葬儀に参列する>ドライブスルー葬では、車窓から焼香もできます。
さらに、火葬だけを執り行い、後日あらためて葬儀を行う「後日葬」や、昔ながらの「自宅葬」等などに対応する葬儀会社もあります。新しい生活様式を念頭においた柔軟な見送り方が広がりつつあります。
ウィズコロナ時代こそ早めの終活を
コロナの前と比べると、私たちの生活は大きく変わってしまいました。自分に「もしも」何かがあった時、家族や近しい人にどう送ってほしいのか、社会情勢を配慮した上で、迷惑をかけずに済む方法はどんなものなのかをより深く考える契機なのかもしれません。
加えて、遠くに暮らす家族とも会えない状況が続きました。自分が人生の終焉を迎えるまでどう生きていくのかを同居する家族はもちろん、離れて暮らす子どもや親族に伝えておく重要性は増しました。
同居、別居問わず、親がこれからの人生をどう過ごしたいと考えておくのかを子どもたちも知っておくことの大切さが、はからずも明らかになったのです。
竹内
葬儀や見送りのスタイルの選択に限らず、ライフスタイルを見つめなす終活は、30代、40代から意識しても決して早くはないのです。老若男女問わず、これからをどう生きていくのか、早めの「終活」を意識しておくと安心できるでしょう。
エンディングノート作成のすすめ
終活とは、人生の終わりだけを意識するのではありません。現在や過去の自分と向き合い、これからの未来をどう生きるのかという目標設定の意味もあります。
さらに、自分の周辺の家族や知人、友人に伝えるべき事柄やメッセージを整理する面もあります。資産やものの生前整理をするのはもちろん、人生の棚卸しをするわけですから、一朝一夕にはいきませんね。
何を明らかにし、伝えるべきなのか迷う場合には、エンディングノートの作成を推奨します。
文字として記すことで、自分の気持ちや希望、伝えたい事柄がより鮮明になります。
エンディングノートには、次のような内容を記しておくと便利です。
資産関連 |
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医療に関すること |
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介護について | |
葬儀など見送りの方法 |
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エンディングノートの書き方については以下の記事がおすすめです。
若い世代のエンディングノートって?
エンディングノートはいつからスタートしても構いません。一見終活とはほど遠い30、40代だからこそ書ける項目もあります。
50、60代が記す一般的なエンディングノートと同様な事柄のほか、これからの人生をどう生きていきたいかを具体的に記すのもいいでしょう。
例えば今後出かけたい旅行先や仕事での目標、取りたい資格や趣味についてなどの事柄です。自分の親の健康状況などについても書き留めておくといいでしょう。
結婚している方はお子さんや配偶者への思いやメッセージを書いてみるのもおすすめです。「エンディングノート」だからと気構えず、日記のように気軽に記してみると書きやすいですよ。
ウィズコロナ時代の今こそ終活を
少し前までは、コロナの感染者が増え、先が見えずに日々不安ばかりが募りました。しかし今後は、「新しい生活様式」を実践し、コロナがあるのが当たり前、共存して暮らしていく工夫をしていく必要があります。
葬儀や法事などのセレモニーや墓参りがバーチャルやオンラインになったり、簡素化したりと新しい流れも生まれました。
ウィズコロナ時代の今こそ、生き方を考える「終活」の重要性がより高まっているのです。
竹内
「終活の相談窓口」では終活に関する様々なサポートを行なっております。
竹内
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終活に関するご相談は以下からお願いいたします。
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