終活バスツアーとは?参加するメリットや服装や持ち物について解説


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
よりよい人生の終わりかたを探すため、終活バスツアーに参加する人が増えています。
終活ツアーとは何か?至極シンプルに言いあらわすと“終活に関する知識を深めるバス旅行”のこと。当記事では、終活バスツアーの具体的な内容やメリットなどをまとめました。
またバスガイドの視点で、旅行に持っていくといいアイテムや服装、バス旅行の楽しみ方などをお伝えします!
終活バスツアーとは?
終活とは文字どおり、人生の終わりに向けてあらゆる準備をすることです。
とはいえ準備といっても大まかすぎて、どんなことから手をつけたらいいのか迷いますよね。そこで参考にしたいのが終活バスツアーです。終活バスツアーとは、終活に関する悩みや疑問をかかえる人たちが一堂に会してバスで納骨堂や霊園などをめぐる旅行のこと。
場合によっては終活アドバイザーが同乗し、エンディングノートの書き方を教えてくれたり終活に関する講義をしてくれたりします。上記のことからわかるように、終活ツアーに参加すれば終活に関する有益な情報を得られるのです。
終活バスツアーに参加するメリット
終活バスツアーに参加すると、以下のようなメリットが得られます。
- 終活を通じて知り合いが増える
- 葬儀や海洋葬などの疑似体験ができる
- リーズナブルな価格で終活について学べる
- 旅行ならではの楽しみどころがある
順を追って説明します。
メリット1:終活を通じて知り合いが増える
終活バスツアーに行くメリットのひとつとして、他の参加者と知りあえることがあげられます。ツアーを通じ共通の仲間が増えることで、終活に関する疑問や悩みを共有しやすくなることでしょう。
それにほかの人の意見に耳をかたむけていると、思いがけない発見や気づきがあるかもしれません。人生をより豊かにさせたいならば、終活バスツアーでほかの人と交流することをおすすめします。
参加者のなかには、終活をきっかけに友人ができてランチへ行ったり遊びに行ったりしている人もいるのだとか。
このように終活バスツアーへ参加すると、交友関係の輪がひろがりやすくなります。
メリット2:入棺体験や海洋葬などの模擬葬儀ができる
終活バスツアーの内容によっては、入棺体験や海洋葬などの模擬葬儀を実施することがあります。
入棺体験とは実際に棺桶(かんおけ)の中に入り、お坊さんの読経を聴く体験のことです。一方で海洋葬とは、ご遺骨を海にまいて故人をとむらう葬儀方法をさします。
終活バスツアーの醍醐味は、これらの体験がプログラムに盛りこまれている点です。模擬葬儀に関するよりくわしい情報を得たい人は、下記の記事をご参照ください。
メリット3:リーズナブルな価格で終活について学べる
全国のあらゆる場所で、終活に関するセミナーがひらかれています。
やさしい終活セミナー12/6(日)両国 初心者向け終活講座
金額(税込)¥2,000(参考:こくちーずプロ)
「zoomで学べる!!終活セミナー」
金額(税込)無料(参考:終活サポート ワンモア)
終活ガイド検定 船堀 12月15日(火)
金額(税込)5,000円(参考:こくちーずプロ)
価格帯は内容や講師によりけりですが、いち講義あたり無料〜5,000円ほどが相場です。終活のプロに相談できると考えれば、セミナーは安いかもしれません。
しかし終活バスツアーの場合、セミナーに参加できるだけでなくほかのプログラムもついてきます。
たとえばお寺の納骨堂を見学したり、高級ホテルで昼食をとったりなどです。これだけ充実しているにもかかわらず、終活バスツアーの参加費は10,000円以内におさまることがほとんどです。
メリット4:旅行ならではの楽しみどころがある
終活バスツアーだからといって、バスの中がお堅い雰囲気につつまれているわけではありません。むしろ車内には、なごやかな空気がただよっています。
旅行参加者の話によれば、「バスに同乗する葬儀屋さんの話がユニークで面白い」のだそうです。”終活”というテーマをできるだけ簡単に、かつユーモラスをまじえて解説しようとする専門家の心が見えますね!
また旅先でおいしいものを口にしたり、車窓の景色を楽しんだりすることができます。つまり通常のツアーと同じように楽しめるのもメリットといえるでしょう。
終活バスツアーはこんな人におすすめ!
終活バスツアーは以下のような人におすすめです。
- 自分の人生を見つめ直したい人
- 終活バスツアーを通じて知り合いを増やしたい人
- 前もって葬儀やお墓のプランニングをしたい人
- 終活についてよく知りたい人
1から順番に解説していきます。
1:自分の人生を見つめ直したい人
終活バスツアーに参加することで、“この先、どのように生きていくか。そして、人生の幕を閉じるのか”と考えられます。つまり旅行しながら、自分の人生を見つめなおす時間ができるのです。
終活バスツアーでは、普段はあまりお目にかかることがないような場所(たとえば納骨堂や霊園など)を見学できます。またツアー内容によっては、終活の専門家から話を聞くことも可能です。
そうすることで死生観が深まり、生きることに対してはもちろん、やがて死ぬことに対しても前向きにとらえやすくなります。
2:終活バスツアーを通じて知り合いを増やしたい人
家族間で話しあうことはあっても、基本的に終活はひとりですすめられます。
しかし、個人で生前整理をおこなったり葬儀のことを調べたりするのは大変です。それに疑問が出たとき相談できる人がいないと、心細い思いをします。
そこで同じ目的をもった仲間を増やそうと、終活バスツアーに参加する人が多くお見えです。実際にツアー参加者のなかで終活をしている人たちが意気投合して、つながりの輪をひろげています。
3:前もって葬儀やお墓のプランニングをしたい人
生前より前もって葬儀やお墓のプランニングをしたい人にとって、終活バスツアーは最適といえます。
なぜならツアーでは模擬葬儀をおこなう、お墓のタイプを何種類か見にいくなどのコースが組まれていることが多いです。そのため、いざ葬儀をする際やお墓を建てるときに困らない知識を得られます。
4:終活についてよく知りたい人
一部の終活バスツアーには、葬儀社で働いている人や寺院のお坊さんなど終活のエキスパートが同乗します。
その際は車内で終活に役立つお話が聞けたり、質問や疑問に答えてもらえたりするため有意義な時間をすごせることでしょう。
「終活についてよく知りたい」
「終活を始めたけど、専門家に聞きたいことがある!」
そのような人たちに、終活バスツアーがおすすめです。
終活バスツアーに最適な持ち物
ここでは、終活バスツアーに最適な持ち物についてまとめました。参加する前や今後の参考にしていただければ嬉しいです!
持ち物1:エンディングノート
ツアーの参加特典としてエンディングノートが配布されることがあります。しかし、すべての旅行でくばられるとはかぎらないため自前のエンディングノートを用意しておくとよいでしょう。
場合によっては、行程のなかに<エンディングノートの書き方を解説>とある場合があります。このような文言が書かれているときは、エンディングノートの書き方を終活のプロから教えてもらえるということです。そのため忘れないよう購入しておいてください。
持ち物編2:ノートと筆記用具
分からないことや発見があった際にメモできるよう、ノートと筆記用具を持ち歩くようにしましょう。もちろん、エンディングノートに書きこんでもかまいません。
人は見て聞いたことをすぐに忘れてしまいがちです。そうならないよう、印象的な出来事やタメになったことを書きとめておきましょう。
持ち物編3:時計
終活バスツアーにかぎらず、すべてのツアーは行程で決められた時間をベースにすすんでいきます。
そのため身勝手な行動をしていると、大幅に時間が遅れてしまいかねません。ですから、タイムキープする意味でツアー中は時計を肌身離さず所持しておくとよいでしょう。
筆者はバスガイド時代、口頭だけでなくホワイトボードを使って時間をご案内していました。それでも集合時間をカン違いして、大遅刻してきたお客様がいて困惑……。
どちらが悪いという話ではなく、お互いの認識に食いちがいが出ないよう、常に時刻をチェックしましょう!
終活バスツアーに最適な服装
ここでは、終活バスツアーに最適な服装についてまとめています。
服装編1:アウターは忘れずに!
陽気がいい春や秋に突入したての頃は、「寒くないし上着はいらないか」と、ついアウターなしでお出かけしてしまいがちです。
しかしバスの中と外とではかなり気温の差がでます。なぜなら車内は空調をかけているからです。
そのためどれだけ暖かい日であっても、アウターは忘れないよう心がけたほうがよいでしょう。
服装編2:動きやすい洋服と靴がおすすめ
せっかくのご旅行ですから、めいっぱいおしゃれをして出かけたい気持ちはよくわかります。ですが、あまりにも華美な服装だとかえって動きにくくて窮屈な思いをすることがあるため注意が必要です。
たとえば長すぎる丈のスカートやワンピースは、どこかにひっかけて破れたり穴があいたりしやすいですよ。とくに霊園や寺院などには、たくさんの木々がおいしげっています。木の枝で大切なお洋服に傷がついてしまうと、悲しいですよね。
またふとした瞬間につまずく、よそ見をするなどで怪我を負いかねません。終活バスツアーに参加する際は、できるだけ動きやすい服装でお出かけください。
またヒールの高い靴も同様です。お寺や墓地などには石畳の道が続いていることがしばしば。そうしたときヒールを履いていると、非常に危険です。
バスガイド直伝!終活バスツアーを楽しむポイント
日頃からバスに乗りなれていないと、酔ってしまう人がいます。乗り物で道すがら、気分が悪くなるのは仕方がないこと。ですが、体調がすぐれないと心に余裕がなくなり、最悪の場合旅行が楽しめなくなってしまうことがあります。
そうならないよう元バスガイドの筆者から、心がけて欲しいポイントをご紹介。
ポイント1:乗車前に常備薬や酔い止めを飲んでおく
「今から旅行だ!」という具合に、気分が高揚していると常備薬や酔い止めを飲み忘れてしまうことがあります。すると体調が悪くなったり、車内で酔ってしまうことがあるため要注意。
バスに乗る30〜1時間前には、いつも飲んでいる薬や酔い止めを摂取しておいてくださいね。
ポイント2:近くの景色より遠くの景色を見る
バスで気分がすぐれなくなってしまう人は、もしかすると無意識に近くのものばかりを見ているかもしれません。下を向いて携帯をさわる、同じところばかりを見るなどのクセがある人は改善の余地があります。
まずは遠くの景色(空や草花などの緑)を見るよう心がけて見てください。不思議と酔いにくくなり、そればかりかさわやかな気分になりますよ。
ポイント3:エアークッションやフットレストを持参する
長い時間、バスにゆられていると体が疲れてきます。また車内ではあまり膝をのばせないため、足がしびれてしまった……そんなご経験はありませんか?
体に不調がでないよう、あらかじめエアークッションやフットレストを持参するとよいでしょう。これらがあるのとないのとでは、コンディションの違いが歴然としています。
「当日が雨!」気をつけることや必需品はある?
待ちに待ったツアー当日。ところが残念ながら外は雨が降っています。こんなとき、あなたならばどんな対策をとりますか?
雨のツアーは危険がいっぱいです。あらゆるリスクを回避するためにも、万全の対策をとりましょう。
対策その1:レインコートとレインブーツは必需品
雨風をしのげるレインコートとレインブーツは必需品です。
事前に雑貨屋やホームセンターなどで準備しておくとバッチリですが、急きょ雨グッズが必要となった場合はコンビニへ行けばこと足ります。雨にぬれないための対策でもありますが、そのほかにレインコートやレインブーツには、体と足を守る役割もあるのです。
雨が降り泥でぬかるんだ場所を歩くのに、スニーカーだと全然進めません。一方で雨靴を履いていると、スムーズに歩けます。
「そんなところを歩くことがあるの?」と疑問に思うかもしれません。答えは「意外とあります」。とくにお寺や霊園など、やわらかい土が使用されている場所はすぐに泥だらけになってしまいます。
バスツアーの場合は体や足に土が付着したとしても、そのまま帰宅するのが難しいです。それどころか多くの場合、家に帰るまで時間がかかります。ですから汚れてしまってもいいよう、レイングッズは必須です。
対策その2:傘は折りたたみ式と通常サイズを持っていく
ツアーの立ちより場所によっては、通常サイズの傘がひらけないことがあります。しかし、そのまま雨にうたれていると風邪をひいてしまいかねません。
ですから傘は、折りたたみ式と通常サイズのどちらも所持しておくことを推奨します。
対策その3:タオルやハンカチを何枚か用意する
どしゃ降りの雨を浴びても対処できるよう、タオルやハンカチを何枚か用意しておくとよいでしょう。
とはいえ、大抵タオルやハンカチはカバンの中に入っていると思います。ですが、大雨にうたれると1枚どころでは替えがききません。また汗をかいたときにも使用できるため、なおさら数枚所持しておくのが賢明です。
「気軽で楽しい」おひとりさまのバスツアーもある!
“終活バスツアー”と聞くと、参加者全員が夫婦や家族づれであると誤解されやすいです。
しかし、なかにはおひとりさまをターゲットにしたツアーもあります。たとえば参加者はおひとりさま限定のツアーや、終活と婚活をかけあわせた旅行など。
旅行会社のハピネスツアーでは、旅と婚活のプロがタッグを組んで企画をたてています。もし「終活もしたいけど、まだまだ婚活もあきらめていない!」というシニア世代の人は、ぜひ上記のサイトをごらんください。
まとめ:終活バスツアーとは?参加するメリットや服装や持ち物について解説
終活バスツアーとは葬儀やお墓の知識をたくわえたい人や、まさに終活中の人に向けたツアーのことです。
旅行内容によっては、バスの車内で葬儀のプロやお坊さんがあらゆるお話しをしてくれます。よりよい人生の終わりを迎えるために、日頃から色々と調べているみなさんは、終活バスツアーに参加されるのもよいかもしれませんよ!

「終活の相談窓口」では終活に関する様々なサポートを行なっております。
竹内
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