【墓友の作り方】メリットやデメリット|注意点についても解説


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
ここ数年「終活」に取り組む人が増えたこともあり、葬儀やお墓の新しい形、あり方が増えてきました。その新しい形のひとつとして「墓友(はかとも)」があります。墓友とはその名のとおり生前に、同じ墓に入ることを約束している交友関係・友人関係のことです。
高齢者やおひとりさまといった孤独化が社会問題となる一方で、従来のお墓のあり方をあえて選ばず似たような境遇の人たちで集い「墓友」となります。
今回は「墓友の作り方」について解説した後に「メリット・デメリット」「注意点」についてお伝えしていきたいと思います。
記事のもくじ
墓友の作り方について
「墓友」を利用する方が増えたとはいえ、どうやって探せばいいのか気になりますよね。
「友達とお墓に入り、死後も共に」という現代らしい寛容な雰囲気の墓友ですが、どのようにして探していいのか分からない人も多いのが現実です。個人同士で取り決めて墓友となる場合もあるようですが、まだ多くの情報が出回っていないために「墓友として繋がる場」に出向いて「墓友」になることが多いようです。
実際に「墓友と繋がる場」として、よく活用されているものを紹介していきたいと思います。
「セミナー」「勉強会」といった集まりへの参加
墓友を探す場として、よく活用されているのが自治体や葬儀社、お寺などが主催する「セミナー」や「勉強会」などがあります。
「終活」が世間に広く浸透してきたために、終活に関する「セミナー」や「勉強会」が多くの場所で開催されています。そうした場に集まる人のなかには「墓友を作りたい」と希望して参加する方も意外と多く、主宰側も積極的にサポートしてくれます。
葬儀社による主催 | 葬儀場を生前予約して、葬儀社主催の終活セミナーの中で探す |
自治体による主催 | 自治体主催の、終活セミナーにて参加にて探す |
お寺の合同法要 | お盆などに主催される、お寺の合同供養に参加して探す |
墓地による主催 | お墓を生前契約し「友の会」に入会した中で探す |
NPO法人や団体による「墓友サークル」への参加
NPO法人や団体などにより積極的に「墓友サークル」が主催されイベントが開かれることも増えています。そのサークルに参加して墓友を探すことができます。
「墓友サークル」というだけあって同じ目的をもった「一緒にお墓に入りたい人を探している人」が集ります。こうしたイベントの中では墓友を見つけやすいですし、こちらもまた主宰の法人や団体も積極的にサポートしてくれます。
介護施設・老人ホームなどで募集される「墓友」の募集
介護施設や老人ホームで、共同墓地が用意されることも増えました。施設の中で顔なじみとなり仲良くなった人と「この人と一緒であれば亡くなったあとも幸せだろう」といった気持ちになることも多いようです。
確認してみたところ、施設による共同墓地での埋葬を希望する方も増えてきているようです。
古くからの友人に自分から声をかける
年を重ね高齢になると、友人との会話の中で葬儀やお墓の話になることも増えます。
雑談をするなかで「自分が他界したあとの墓について悩んでいる」「墓友というものがあることを知り、自分も探している」といった、話をしてみることも墓友となる人を見つけるひとつの方法です。
話を持ち出してみたその友人が墓友となる場合もありますし、友人がまた別の場所で墓友を探している人を聞きつけてあなたと繋げてくれることもあるかもしれません。古くからの友人であれば信頼関係もありますし、トラブルも少ないことでしょう。
【墓友】メリットについて
墓友ができることにより交流が活発になり、毎日を楽しく過ごせるようになったと話す方もいます。ここでは、墓友のメリットを詳しくお伝えしていきたいと思います。
墓友のメリット①:交友関係が広がる
墓友をつくる最大のメリットは、交友関係が広がることです。
墓友とは「一緒にお墓に入ること」なのですが、同じお墓に入るのは亡くなってからの話です。孤独がゆえに墓友を探し始めた場合でも、墓友ができることで雑談や趣味を一緒にすることも増えます。生前にも交友をひろげ、付き合いも深くなっていくために日々が豊かになっていくことでしょう。
週刊誌などでも取り上げられていますが、セミナーや勉強会、または個人間において「墓友女子会」が流行っているようです。
墓友に限らずですが、老後に喜怒哀楽をともにできる人を見つけることが出来れば、それはとても幸せなことなのではないでしょうか。
墓友のメリット②:老後の不安が減る
年を重ね高齢となれば「病気」「孤独(死)」「終活について」と悩みや不安が増えます。特に一人暮らしの高齢者の方は、孤独を一人で抱え込むあまり「うつ病」になってしまったり、実際に「孤独死」に至ることも社会問題として捉えられています。
墓友をつくり最期まで繋がっていられる人がいることは、心強く感じることでしょう。
老後に抱える不安のひとつとして、お墓の継承者がいない「無縁仏」「墓じまい」の問題があります。
一人では出来なかった「墓じまい」の問題についても、似たような死生観の墓友を作ることで、なかなか進めることが出来なかった終活の問題などを一緒に取り組むことができるようになります。
老後の不安というのは、同じ境遇の仲間と時間や悩みごと話しているうちに解決していく場合が多いですし、そうしているうちに不安が消えていたといった話もよく耳にします。
墓友のメリット③:費用の負担を軽減できる
墓友のメリットとして、費用負担の軽減があります。墓友と同じお墓に入ることを考えたときには、一般的に永代供養を選ぶことが多いです。
自分の死後にお墓参りをしてくれる人がいない場合
親族がいてもお墓参りが難しいといった場合に
お寺や霊園に供養をしてもらう埋葬方法のことを言います。
お墓の費用を墓友と均等に折半すれば、費用の負担をかなり減らすことが可能となります。
【墓友】デメリットについて
墓友を作ることにはメリットも多いですが、デメリットもあります。デメリットを踏まえたうえで「どうすべきか」ということをしっかりと考えていきましょう。
墓友のデメリット①:家族や親せきの理解を得るのが難しい
家族や親せき、身内からは、墓友と一緒にお墓に入ることへの理解を貰えない場合もあります。
お墓の在り方が増えているとはいえ「代々受け継がれてきたお墓へ、家族で入る」という風習は根強いですし「友達と一緒に埋葬」といえば、驚いてしまう方の方が多いのが現実です。
墓友のデメリット②:「お墓選び」の問題
お墓を決めるときにも、注意すべき点があります。
ほとんどの場合、墓友と同じ時期に亡くなることはありません。必ずどちらかが先に他界しますし、どちらかが残されることになります。そんな当たり前のことは分かっていながら、お互いが元気な生前には意外と気付きにくいことがあります。
- 片方の死後に支払いの残りが問題とならぬように、お互いが元気なうちに費用の支払いを済ませておくこと
- 生前、費用の支払いが難しい場合、支払いは「いつ」になるのかを明確にしておくこと
- アクセスしやすい場所を選ぶこと
残されてしまった方のことを考えても、墓友同士のお墓を決めるときには「永代供養」がおすすめです。※「永代供養の選択」については次項目にて、詳しく解説します。
血の繋がりのない他人同士が「墓友」となるわけですので、トラブルを避けるために費用は折半とし、お墓の管理費・維持費の分担について細かく決めておきましょう。お金のかかることなので、お墓を決めるときも必ず一緒に見学に行きお互いの了承を得たうえで契約を結ぶようにしましょう。
墓友と一緒に入るお墓について「墓友を作るとき」の注意点
「墓友と一緒に入るお墓」や「墓友を作る」ときの注意点を解説していきたいと思います。
「墓友とお墓にはいることを決めた人」は増えましたが、前例が少ないのが現実です。注意点についてもここでしっかりと確認し、参考にして頂きたいと思います。
基本、永代供養を選ぶようにする
本記事でも、何度かお伝えしておりますが墓友と一緒に入るお墓を選ぶときには「永代供養」を選ぶようにしましょう。
多くの場合において墓友と同じ時期に亡くなることはありません。どちらかが先に他界し、どちらかがこの世に残ることとなります。永代供養を選ぶことで、残された方にとって、お墓の管理や維持が軽減されるといったメリットもあります。
もう一つは両者が他界してしまったときに、お墓の管理をしてくれる子孫が居なければ「無縁仏(無縁墓)」としてみなされ合祀されてしまいます。無縁仏となってしまうことを防ぐために、一般的にも墓友と購入するお墓は永代供養がおすすめされています。
『墓友』とは、ひとつのお墓に2人で入るという意味ではありません。
同じ寺院や霊園の納骨堂に入ることや、お墓を建てずに樹木葬として埋葬してもらうことも墓友と納得した上で決めたことであれば、立派な選択肢の一つです。
ふたりだけのお墓の空間にこだわる必要はありません。
永代供養であれば、お墓の管理や法要のことは管理者に任せることが出来ますので、ひとり残されてしまった場合にも、ふたりとも他界した場合にも安心といえます。
永代供養について詳しく知りたい方は、こちらの記事にも目を通してみて下さいね。
「終活」を狙った、詐欺や悪徳商法に要注意
「終活」が広がりを見せている近年ですが、高齢者を狙った「終活詐欺」に注意しましょう。
終活を進めていくと、数多くの問題や疑問、悩みがでてきます。そうした隙を狙い非常識な値段でサービスを提供する業者もいるようです。信頼おける企業をえらび、安心できるサポートを受けるためには、なるべく多くの方に相談したり、複数の企業を比較してみることが大切です。
後に後悔しないよう「墓友」選びは慎重に
墓友は、家族や親せき、働いていた頃の同僚や友達といった分類ではなく、今までになかった新しいカテゴリーの付き合いになります。なんといっても一緒にお墓に入ることになるわけですから、人生最後の「親友」のような存在になる場合も多いでしょう。
その反面、短い期間で意気投合してお墓を一緒に購入しまった場合など、後にお互いの価値観の違いに気が付いても後悔あとに立たずとなります。
墓友サークルや勉強会に通い、仲間が増えて日々が豊かになっていくことは本当に素晴らしいことです。しかし、一緒にお墓に入る「墓友」を決める場合は、お互いのことを良く知るまで会話や時間を積み重ねてくださいね。
まとめ:【墓友の作り方】メリットやデメリット|注意点についても解説
今回は、墓友の作り方について「メリットやデメリット」「注意点」などを交えながらお伝えしてまいりました。
墓友が出来ることで老後の不安も減り日々に活気が出てくることは間違いないでしょうが、やはりまだ世間一般では新しい取り組みです。孤独は嫌だけれど「墓友作り」は敷居が高く感じてしまう方も多いでしょう。
「必ず一緒にお墓にはいらなければいけない」と、身構えて友達を作るのではなく「なんとなく、一人では寂しい」「友達が欲しい」といつもと変わらぬ気持ちでリラックスできる環境や友達を作っていけるといいですね。

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