終活が流行・ブームになったのはなぜ?を考察|具体的な方法もご紹介


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
テレビや雑誌でも取り上げられるようになった「終活」。あなたの周りでも「終活をしている」という人がいるかもしれませんね。
多くの人が取り組むようになり流行・ブームともいえる「終活」ですが、終活がこれほどまでに受け入れられるようになったのはなぜでしょうか?
今回は終活が気になるあなたに、終活とはどんなものか、いつからブームが始まったのか、そのブームの背景には何があったのかを解説します。また、終活が気になる人に向けて、すぐに始められる終活をご紹介します。
流行語にもなった終活とは何か?
終活は「人生の終わりのための活動」の略語です。「就職活動」の略語である「就活」をもじった、ともいわれています。
終活では人生の最後を意識しながら自分の死後のことも考えるとともに、いつ来るか分からない「もしも」に備え、死ぬときに後悔を残さないよう行動します。
例えば
- お墓はどうするのか?
- 自分の残す財産をどうするのか?
- 助かる見込みがない場合、延命治療はどうするのか?
- 体が動かなくなったら、どんな介護を受けたいか
これらを自分が元気なうちに考えて遺言状を用意したり、周りに考えや希望を伝えたりしておきます。終活は単なる死ぬための準備ではなく自分の最後に向き合い、もしもに備えることで不安を解消し、残りの人生を前向きに生きるための活動なのです。
終活がブームになったきっかけ
「終活」という言葉が最初に登場したのは2009年、週間朝日の連載記事で使われたのが最初だといわれています。
また、2012年、流通ジャーナリストの金子哲雄さんが41歳の若さで亡くなった際、金子さんの万全な「終活」が話題となりました。金子さんは病死されましたが、生前に葬儀や墓の準備などを完全に終えていました。
これらを背景に「終活」という言葉は2012年の「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされ、多くの人に知られるようになりました。
(参考)流行語大賞ノミネートについて
終活がブームになった背景とは
終活がブームになった背景には少子高齢化や離婚率の上昇や「人はいつ死んでしまうか分からない」と多くの人が思った2011年の東日本大震災があります。
また、核家族化が進み「子供に迷惑をかけたくない」と考える人も増えたのも終活をする人が増えた要因といえるでしょう。
少子高齢化、離婚…。おひとりさまは珍しくなくなった
「令和2年高齢社会白書」(内閣府)によると、2019年の日本の高齢化率は28.3%。日本に住む人の4人に1人は65歳の高齢者です。65歳以上の高齢者で一人暮らしをしている人は2020年には男性15.5%、女性22.4%と男性は6人に1人、女性は4人に1人程度が一人暮らしです。
また離婚するカップルも珍しくはありません。結婚してもいつおひとりさまになるかは分からない時代になりました。
「平成30年版高齢社会白書」では一人暮らしをしている60歳以上の45.4%が「孤独死を身近な問題だと感じている」と答えており、一人の老後に不安を抱えている様子が分かります。「孤独死は困る」「孤独死をして周りに迷惑をかけたら…」といった不安が終活ブームの背景にはあるようです。
東日本大震災の影響。人はいつ死んでしまうか分からない
2011年3月に発生した東日本大震災で1万5千人以上の人が亡くなりました。
家族や友人、知人を亡くした人も多く「人はいつ死ぬか分からない」「命は有限である」ことを強く意識する出来事でした。
「いつ死んでも後悔のない人生を歩みたい」と東日本大震災を契機に終活を始めた人も多いのではないでしょうか。
家族に迷惑をかけたくないと考える人が増えた
65歳以上の高齢者は増えていますが、15~64歳までの人口は減っています。「令和2年高齢社会白書」によると、2065年には高齢者一人を現役世代1.3人で支えなくてはいけなくなると予想されています。また、先に述べたように一人暮らしの高齢者も増えています。
2000年には介護保険の制度が始まり、以前の「子供が親の面倒を見るのが当たり前」という考え方も変化してきました。「子供に迷惑をかけずに、終活で自分のことは自分で決めて納得できる老後を送りたい」という人も増えているのです。
なぜ、終活が必要なのか
終活をする目的は何か?というと「いつ死んでも後悔しないため」です。
終活ブームのきっかけとなった金子さんのように、終活をしておくと生前に自分の希望を周りに伝えておくことができて自分も後悔せずにすみます。自分の希望を伝えおくと、「遺産をどのように分けるか?」「どんなお墓にするのか?」「延命治療を受けさせるか?」などと残された家族も悩まずにすみ、家族の負担も軽くすることができるのです。
また、「介護費用を貯金する」「施設を探しておく」など終活を通して「もしも」に備えると将来の不安を解消することができます。さらに死ぬ前に自分のやりたいことはないか、行きたい場所はないか、会いたい人はいないかなど終活で自分と向き合うことで、残された人生を前向きに生きていけるのも大きなメリットです。
終活をするなら何からやればいいか
終活に興味があるけれども、何から手をつければいいのか分からない人におすすめなのが「エンディングノート」と「生前整理」です。
エンディングノートは書店などで簡単に購入できますし、ネットや終活のセミナーなどでも無料で手に入れることができます。また、エンディングノートは終活で考えておいた方がいい事柄が網羅されています。最初から全部書こうとせず、まずは気軽に書けるところから書いてみるといいでしょう。エンディングノートを書き進めていくうちに、自分がどんな最後を望んでいるのかといった終活の方向性が見えてくるはずです。
また、すぐに取り組める「生前整理」もおすすめです。まずは不要なものを処分し、大切なものは自分の死後、誰に託したいかやどう処分してほしいかも考えてみましょう。要らない物を処分することによって、自分にとって何が大事なのかも見えてきますし、部屋がすっきりするのもメリットですね。
まとめ:終活が流行・ブームになったのはなぜ?を考察|具体的な方法もご紹介
終活が流行・ブームとなった背景には東日本大震災や少子高齢化など時代の背景が色濃く映し出されているように感じます。さらに今は新型コロナウイルスの影響から、『死』『生きること』を見つめ直した方もいらっしゃるのではないでしょうか?
終活を始めるのに早すぎる、遅すぎることはありません。
気になった時が終活の始め時です。終活が気になるなら難しく考えず、まずはできることからやってみることをおすすめします。

「終活の相談窓口」では終活に関する様々なサポートを行なっております。
竹内
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