余命宣告を受けたらどうする?『終活』で心構えや準備を行う方法


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
当たり前のことですが、人は誰でもいつか死を迎えます。それが突然であるか、あるいはゆっくり訪れるかの違いはあっても、どんな人も死から逃れることはできません。
ある程度の年齢になったら、自分の寿命を考えて、先行きについても考えたほうがいいのですが、病気などになると余命宣告を受ける場合があります。たとえばあと4年と言われるとどうでしょう。
自分の最期のときまで何をすればいいか、考えざるを得なくなりますね。そこで、今回は余命宣告を受けたら、どんな気持ちでいればいいのか。またその間にどんな終活をすればいいのかご説明しましょう。
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余命宣告とは、あとどのくらい生きられるか伝えること
余命宣告され、あとどのくらい生きられるかを医師など専門家に言われるのはどんな気分でしょうか。
暗い谷底に突き落とされるように、目の前が真っ暗になり、何も考えられなくなってしまう人もいます。しかし、逆に考えれば、余命宣告されていなくても明日事故で亡くなる人もいるでしょうし、急性の病気で生命を落とす人もいるかもしれません。そう考えると、人生の終わりの時期の目安がわかることは、ある意味ありがたいと言えるかもしれません。
ただ「余命宣告」とは必ずしも、例えば余命半年というと「あなたが半年後に必ず死を迎える」ということではありません。
余命宣告に使われる余命とは、「その疾患に罹った人の50%が亡くなる期間」のこと。この数値はあくまで統計上のものですので、必ずその期間に自分が死ぬというわけではありません。また逆にそれよりも早く亡くなる場合もあるわけです。
「余命宣告された」人生の終え方を考え準備する『終活』
余命宣告をうけたときから、実際にその時期に死を迎えるかは別にして、その期間を前向きにとらえてさまざまな準備をしたいもの。
その準備を『終活』といいます。以下に具体的な準備を挙げてみましょう。
親戚や友人への連絡
突然の訃報を受けると、親戚や友人にはショックを与えてしまいます。具体的な余命は伝えたくなければ伝えなくてもいいのですが、病状があまりよくないことだけでも、知らせておきましょう。
そうすれば、親戚や友人も、会いたいと思う人は会いに来てくれるでしょうし、何か伝えたいことのある人は、話しに来てくれるでしょう。「あのときに会っておけば」「話しておけばよかった」とお互いに悔いを残さないためにも、余生があまりないことを伝えておくほうがいいでしょう。
保険会社に連絡する
余命宣告を受けて、残りの期間に治療を継続するのか、自然のままで時間を過ごすのか。いずれにしてもお金はかかりますし、残していく家族がいる場合、家族の今後の生活のことを考える必要があります。
そのためにもまず加入している保険を確認して、保険会社に連絡をします。
<リビングニーズ特約がついているか確認を>
リビングニーズ特約とは「医師から余命6か月以内の宣告を受けた時に、死亡保険金の一部を生前に受け取ることができる」サービスのこと。
生前に保険金を受け取ることができれば治療費や、例えば身体が動く間に旅行したいなどの残りの人生を楽しむための費用に充当することができます。加入している保険にこのサービスがついているかどうかを確認し、ついていない場合はつけるようにしましょう。
財産の確認と整理をする
自分の財産がどの程度あるか、今後のためにもどのようなものがあり、どう整理するのか方針を決めましょう。
① 自分の財産の目録をつくり、どうするのか決定する
財産には預貯金、土地や建物などの不動産、有価証券、保険のほかに骨董品や美術品など換金価値のあるものも含みます。
② 整理できるものはする
あまり使っていない銀行口座を解約してそのお金を他の口座にまとめたり、残された親族が相続でもめないよう、持っている土地や不動産を売却して現金化します。
③ 借金、ローンは詳しく把握する
返済可能であれば完済する、難しいようなら家族にその存在を報告して、残された家族に可能な限り迷惑をかけないようにしましょう。なお、財産の相続や税金に関すること、遺言状の作成などは、弁護士や司法書士、行政書士などの法律の専門家に相談するといいでしょう。
葬儀の準備をする
人が亡くなると残された家族や親族は様々な手続きを行う必要がありますが、葬儀もそのひとつ。
- どこで葬儀を行うのか
- どのような形式で行うのか
- 遺影写真はどうするのか
- 誰を呼ぶのか
- 費用はどうするのか
など、元気なうちに最低限、葬儀の希望を家族に伝えておきましょう。最近は、生前に葬儀のプランを提案してくれる葬儀社も出てきています。
豪華な葬儀から家族だけで見送るアットホームな葬儀まで、多様なプランがあるようです。生前でも申し込みができるので、そういった葬儀社に相談して自分の葬儀をプロデュースしておくのも、いざというときに家族の負担は軽減されますし、自分自身も満足度の高い葬儀が可能になります。
デジタルデータを処分する
スマホやパソコンでインターネットやメールを利用している人も多いでしょう。
もし自分が最期を迎えても解約せずに放置していると、運営会社がなくならない限り半永久的に情報が残り、サービスを受け続けることに。月々の使用料もかかってきます。
いざというときに、以上のようなサービスの解約や退会を的確に行うためにも、家族にその存在と意向、アカウント名やIDやパスワードを伝えておきましょう。また、中には家族にも見られたくないデータや情報がある人も。自分の死後、家族に見られたくないデータや情報は早めに削除しておきましょう。
エンディングノートで終活を
エンディングノートという終活のためのノートが注目を集めています。エンディングノートとは、自分の意思を明確に示せなくなったときのために今後どのような処置を望むのかを書き記したもの。これがあれば、家族はあなたの意思を知り、尊重することができます。
エンディングノートの書き方や、書くべき内容などに決まりはありません。自分が決めたノートに書いてもいいですし、最近は何を書けばいいか予め項目が記されたエンディングノートも販売されています。このようなノートを利用して、自分の意思を自分の手で書き記せる間に、考えをまとめておきましょう。
エンディングノートの内容にも決まりはありませんが、自分の死後や意識が不明になったときの延命処置をどうするか、あなた自身の希望を書いておくといいでしょう。家族が延命を迷ったときなどの判断材料にすることができます。
ただ、遺言書のような法的効力はありません。
まとめ:余命宣告を受けたらどうする?『終活』で心構えや準備を行う方法
余命宣言を受けると、自分はその期間の間に亡くなってしまうと思いがちですが、余命とはその疾患にかかった人のうちに50%が亡くなる期間という意味です。必ずしもその期間に亡くなるわけではなく、それより長い人も短い人もいます。
周囲に迷惑をかけない終え方を迎えたいと思う場合、余命を宣言された期間内に、自分の身辺の整理をしたり、会いたい人に会ったり、葬儀の準備をしたりして、しっかりすべての準備をしておくことも大切です。
また、エンディングノートをつけ、自分が意思表示できなくなったときにどうしてほしいかなど記しておくと、家族も安心です自分にとって、最期まで悔いのない人生を過ごすことは、長い目で見ると家族の幸せにも繋がるのではないでしょうか。

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竹内
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