「送る?送らない?」コロナ禍の年賀状|書き方や文例「辞退する場合」について


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
2020年も、気が付けば終わりが近づいています。
特に今年はコロナ禍ということもあり、例年にくらべ外出を控えることが多く、会いたい人にも会えずに過ごした人が多いのではないでしょうか。そうした1年の締めくくりとして「年賀状を送るのかどうか」を悩んでいる方も多いようです。
・とても「おめでたい」という気持ちにはなれない
・ハガキの郵送による感染拡大が怖い
・送るとしても文脈に悩む など
今回は、コロナ禍の年賀状についての悩みを抱えた方へ向け「送るのかどうか」を解説した後に「送る場合・辞退する場合」についての、それぞれの注意点やアイディアを提案していきたいと思います。
忙しい時期ではありますが、みなさまの困りごとがひとつでも多く解決すれば幸いです。
コロナ禍の年賀状|送ってもいいのか悩んでいる方へ
新型コロナウイルスにより、大変だった2020年。
「コロナ禍」と呼ばれた1年の締めくくりとなる年賀状ですが「送るのかどうか」を悩んでいる人は意外と多いようです。「何を悩んでいるのか」ひとつずつ解決していきたいと思います。
コロナ禍の年賀状への疑問①:年賀状でコロナは感染する?
ひとつ目に、年賀状の配達により「コロナウイルスが感染するのかどうか」を気にされている方は、とても多いようですね。
これに対する回答としては「感染の可能性は極めて少ない」といえ、厚生労働省からも以下のように公に発表されています。
現在のところ、中国やウイルスが見つかったその他の場所から積み出された物品との接触から人が新型コロナウイルスに感染したという報告はありません。WHOも、一般的にコロナウイルスは、手紙や荷物のような物での表面では長時間生き残ることができないとしています。
それ以外にも、国内の配送業者や郵便局の配達員は感染防止にかなり力を入れているようです。
職員のマスク着用や手洗いの徹底、出来る限りの非対面での配送をし「安心して配達物を手に取ってもらうことができるよう」細心の注意を払っていると各ホームページ等で公表されています。
また、郵便物により「新型コロナウイルスが、運ばれてしまうのではないか」と、心配になってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
買い物をした際や、郵便物を受け取るときなどに、物についた新型コロナウイルスは「何時間くらい生存・付着しているの?」ということを調べた研究結果があったので、和訳して解説しておきたいと思います。
◇◇新型コロナウイルスが物に付着した場合のおおよその生存期間◇◇
プラスチック 72時間 ステンレス 48時間 ボール紙 24時間 銅 4時間 引用:「ザ・ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」が発表した論文より
近年は年賀状の素材も多様化していますが、一般的には紙なので「ボール紙」の該当が一番近いと仮定します。
マサチューセッツ内科外科医学会が毎週発行している、英文の医学雑誌です。
継続的に発行されている医学雑誌のなかでは世界一長い歴史を持ち、世界で最も広く読まれています。
世界中の多くの人に影響を与えている、一般的な医療系の医学雑誌です。ウェブサイトでも世界的によく引用されています。
コロナ禍の年賀状への疑問②:年賀状を送っても失礼にならないのか
本年は多くの方が、新型コロナウイルスの想定外の影響を受けることとなりました。
緊急事態宣言や自粛により、仕事で大きな損失をした方や、結婚や卒業といった人生の一大イベントが中止になった方も数多くいらっしゃいます。楽しみが楽しみでなくなった方、会いたい人に会えなかった方も多かった1年でもありました。
そうした事実が現在も、精神面にも大きく影響している方もいて「新年、おめでとう」などという言葉をかけていいものかどうか悩むところです。
しかし本来の年賀状とは「おめでとう」をつたえるよりも、いつもお世話になっている方に向けて「ありがとう」の気持ちや「本年も変わらないお付き合いをしたい」と願って送るものです。顔を見て話したり、会って気持ちを伝えることが出来なかった本年だからこそ、年賀状などといった、何かの手段を使って気持ちを伝えることが大事になってくるのではないでしょうか。
しかし、注意点はいくつかあります。例年と状況が違う本年は「おめでとうございます」「賀正」などをつけて、年賀状を送ることは避けたいところです。
そうしたことを踏まえた上で、次にはコロナ禍でも年賀状を送ることへ決めた方々へ向けて「コロナ禍の年賀状」の注意点とアイディアをお伝えしていきたいと思います。
『コロナ禍の年賀状』書き方や文例|注意点とアイディア
コロナ禍の年賀状の注意点とアイディアは以下のようなことがあります。
『コロナ禍の年賀状』書き方:おすすめの挨拶文(文例)
自粛が続いて寂しいからこその年賀状です。
「おめでとう」という気持ちにはなれないのかもしれませんが、寂しさや不安を抱いているからこそ「新年の挨拶」は寄り添う気持ちをもって筆を執りたいものですよね。今までにない例外の年末年始の場合、どのような言葉がふさわしいのでしょうか。例文を綴っていきたいと思います。
自粛が続きご無沙汰しております
こちらはみんな元気に過ごしています
◎◎さまもお身体にお気をつけてお過ごしくださいませ
本年もよろしくお願いいたします
自粛生活が続きますがお変わりありませんか
旧年中はお会いしにくい状況でしたね
一日も早く落ち着いた生活を取り戻せるようお祈り申し上げます
お会いできる日を楽しみにしております
「ステイホーム」が続く日々ですが
お元気でおすごしですか
一日も早い収束を祈りながら
またお会いできる日を楽しみにしております
2021年が◎◎さまにとってよい一年になりますように
そのまま利用したり、アレンジして貰ってもかまいません。「おめでとう」のかわりに「これからもよろしくお願いします」などの気持ちを添えてみましょう。
相手の心身を労う言葉が必要になってくるのが、コロナ禍の年賀状となります。
『コロナ禍の年賀状』書き方:使わない方がいい言葉
自粛が長引いている今だからこそ、丁寧にあいさつの言葉を選びたいものですよね。2021年の年賀状には相応しくない言葉もありますので、お伝えしていきたいと思います。
祝いの言葉を避ける
2020・2021年の年末年始では「おめでたい」「正月を祝いたい」という気持ちではない方も多いはずです。なるべく「祝いの言葉」を避けましょう。
「賀正」「おめでとうございます」などの例年の祝い言葉を避け、相手の心身の健康や幸福を願うような言葉にかえて伝えるように心掛けましょう。そうした気持ちの寄り添いが、コロナ禍による「孤独や寂しさ」への励みとなる場合も多いでしょう。
忌み言葉を避ける
コロナ禍に関わらずですが、忌みの言葉は不吉な言葉を連想させるという理由から年賀状には避けることとされています。特に2021年の年賀状では、例年より一段と気を遣いたいものです。
「去年」を伝えるときにも年賀状では「旧年」「昨年」と言い換えられています。「去る」という言葉を用いないのは「去る=離れる」という意味合いを持つ「忌みの言葉」だからです。
一例ですが、代表的な「忌みの言葉」をお伝えしておきたいと思います。
消える | 枯れる | 悲しむ | おしまい | 破れる | 消す | 降りる |
去る | 離れる | 別れる | 忙しい | 壊れる | 忘れる | 破る |
切る、切れる | 終わる、終える | 割る、割れる | 流す、流れる | 痛い、痛み | 病む、病気 | 冷える、冷める |
滅ぶ、滅びる | 死ぬ、亡くなる | 四、4 | 九、9 | 無し、無くす | 倒れる、倒産 | 離婚、離縁 |
ほどける | とんでもない | しめやかに | 生きている頃 | シクラメン | さらに | 仏 |
他にも数えきれないほどありますが、筆を執る中で「これはどうかな?」と疑問に思った場合は一度調べてから書くようにしましょう。
コロナ禍と言う言葉を避ける
おそらく本年の初頭には「コロナ禍(か)」と言う言葉を、読むことが出来なかった方も多いのではないでしょうか。私もその一人です。
今では、あまりに聞きなれてしまい、使用することや目にすることが日常化してきました。
しかし「禍」という言葉の意味は「不幸をひきおこす原因」という意味を持ち合わせています。年賀状では使わないようにしましょう。
じつは、年賀状・あいさつ文には「、」「。」「?」といった句読点は不要。
句読点が使われ始めたのは明治の終わりごろと言われています。それ以前の「文」を伝える際には句読点はしようされていませんでした。その名残から現在も年賀状などの挨拶には句読点を使わないのが正式とされています。
時代に合せ教養も変化していくので今後はどうなるのか分かりませんが、目上の方へのあいさつ文などでは教養を反映させて「句読点を使わない」のがマナーと言われています。
年賀状を送るときは、一度送られてきた立場に立って「自分だったら、新年に見たくない言葉は使わない」といった、相手のことを気遣うことが大切になってきます。
『コロナ禍の年賀状』書き方:アイディア
次に、年賀状のアイディアを提案しておきたいと思います。
2021年の年賀状は、例年にはない以下のような気持ちが込められていることが多いのではないでしょうか。
- 帰省できないからこその年賀状
- 顔を見ることが出来なかったからこその年賀状
- 数年、年賀状は出していないが「本年は気持ちを伝えたい」からこその年賀状
こうした気持ちを乗せた年賀状だからこそ、例年よりも一層気持ちが伝わるものにしたいですし、受け取った相手に喜んでもらいたいですよね。
気持ちが伝わりやすい年賀状にするためのアイディアを、いくつか提案しておきたいと思います。
【提案1】子どもの成長を多く書く
例年の「今年もよろしくお願いします」「良い一年となりますように」などの決ま文句だけではなく、いつもより多く文章を綴ってみるのもいいでしょう。
【提案2】家族写真付きの年賀状を作製する
実家などに向けて、帰省出来ない代わりに家族写真や、より多くの近況がわかる写真を掲載された年賀状を作製してみるのも喜んでもらえるのではないでしょうか。
【提案3】「動画の年賀状」にしてみる
私自身がそうだったのですが「動画で年賀状」といえば「ライン」「YouTube」と思ってしまう方もいるかもしれません。
新型コロナウイルスの流行により、新しい年賀状の在り方として「動画付き年賀状」という新しい商品が素敵だなと思いました。次に紹介していきたいと思います。
「年賀状で、会いましょう。」キャンペーン:動画付きの年賀状とは
本年は、帰省を控える方々もとても多いでしょう。帰省できない今だからこそ「年賀状を送ることを提案」する企業も続々と現れています。そこで気になるのが「年賀状で、会いましょう。」キャンペーンの一環である、動画付きの年賀状です。
「年賀状で、会いましょう。」キャンペーンとは
本社を名古屋市昭和区に置き、45年以上に渡り年賀状印刷に携わってきた「フタバ印刷株式会社」。
長きの年賀状印刷に携わってきたフタバ印刷より「帰省できない今だからこそ、年賀状を送ることを提案する」キャンペーンが発表されています。
内容は…
・動画付きの年賀状
・想いを伝える今年ならではのデザインを新たに販売 など
「年賀状で、会いましょう。」のコマーシャルを紹介しておきます。
12月4日(金)〜配信されています。
フタバ印刷の動画付き年賀状とは?
フタバ印刷の提案した「動画付き年賀状」はまず、通常の年賀状にQRコードを添付して送ります。受け取り主がそのQRコードをスマートフォンで読み取ると動画が見れるという新しい企画です。
送り主がQRコードの作成をする手間はなく、動画をスマホで撮影しフタバ印刷のサイトへアップロードするだけで、年賀状に自動的にQRコードを添付してもらうことが可能です。
動画は自分自身や家族、子どもやペットなど好きなものを撮影して大丈夫ですし、方法も簡単なようです。
以下、フタバ印刷のホームページによる図がわかりやすいので、引用させてもらいます。
出典:双葉印刷
以下は結婚報告に関する「動画付き年賀状」の紹介YouTubeになります。
見ているととても温かい気持ちになりますし、会えなかった1年分の思いを年賀状に動画として載せて届けるなんて素敵ですよね。きっと受け取った方も、笑顔になってしまうのではないでしょか。
続いては、年賀状を辞退する方への提案もしておきたいと思います。
コロナ禍の年賀状|年賀状を辞退する方への提案
「やはり、2021年は年賀状を辞退したい」という方へ向けても、いくつかの提案をしていきたいと思います。
年賀状辞退の提案①年賀欠礼
ひとつ目は「年賀欠礼」についてです。
一般的に年賀欠礼とは、その年に身内を亡くした家族の方が「年賀状の辞退」として出す「喪中はがき」をのことを言います。本年はコロナ禍により喪中ではないのだけれど「年賀状欠礼」を送るかたもいらっしゃるようですし、「年賀欠礼」を受ける印刷会社も多いそうです。
コロナウイルスの終息がいつになるかの目途もたたないために、2021年だけのことではなく「コロナウイルスが終息するまで、当面の間」として、年賀状欠礼となることを伝える方もいらっしゃるようです。
以下は一例となりますので、ご自身で作成される際はどうぞご活用ください。
拝啓
いかがお過ごしでしょうか。
さて このたび新型コロナウイルスの流行が収束するまで
当面の間 年始のご挨拶を失礼させていただきたくお願い申し上げます
ご無礼をどうかお許しください
一日も早く落ち着いた生活を取り戻せるようお祈り申し上げます
敬具
印刷会社でも、相談を受けて貰えるようです。
年賀状辞退の提案①終活年賀状を作ってみる
本年の年賀状を辞退すると同時に「年賀状を辞めようかな」という考えがある方は、この機会に「終活年賀状」を作ってみてはどうでしょうか。
次回にて、年賀状での挨拶を終えたい人が「年賀状の辞退」を伝える、最後の年賀状のこと
近年は「終活」をする方が増えたために、その一環として「終活年賀状」「年賀状じまい」として、年賀状のやり取り終えた方(整理した方)が近年とても増えました。
自粛期間や「ステイホーム」と言われるいまだからこそ、終活年賀状に取り組んでみませんか。
一般的に「終活年賀状」を送る理由としては、主に以下などがあります。
- 高齢になり目が悪くなったこと
- 高齢で年賀状を出すことが大変になってきた
- 終活の一環として
年賀状を「送るのか・辞めるのか」を迷う気持ちのなかに「辞めたい」という気持ちがあるかたも大勢いらっしゃいます。終活の一環としてこれを機に「終活年賀状」に取り組んでみませんか。
withコロナのお正月
例年のように「初詣」「混雑地への外出」「実家への帰省」といった、当たり前だったお正月の生活に戻るには時間がかかりそうです。
遠くに住む家族に会いたいのだけれど「体が何より心配」「蜜を避ける」といった気遣いもしばらく続きそう。2021年のお正月は「おめでとう」よりも、相手を気遣う気持ちが大切になりそうです。ウイルスの終息を願うと同時に「withコロナ」とも言われており、ウイルスを予防しながらのお正月になりそうですね。
新しい生活様式・暮らし方を試されている今、ひとりひとりの生活、働き方、暮らし方にも変化が求められています。
急激な変化が心身にもたらすストレスは、きっと想像以上に負担がかかっているのではないでしょうか。
わたくしごとですが、こんなときは「無理をしない」「寂しさを抱え込まない」「悩みや孤独を最小限に留める」といったことを、頑張るようにしています。そうした小さな努力が明日も笑うことのできる活力となったりします。
まとめ:「送る?送らない?」コロナ禍の年賀状|悩みや問題点を解決
今回は、コロナ禍の年賀状について「送るのかどうか?」といった悩みを中心にお伝えしてまいりました。
~コロナ禍の年賀状について~
- 年賀状によってコロナウイルスが運ばれる可能性は極めて低いこと
- コロナ禍でも「祝う言葉」を避ければ、年賀状は送ってもらって嬉しいものとなること
~年賀状を送る場合~
- コロナ禍では年賀状に書き添える言葉に気を付けること
- いつもと一味違った年賀状を届けるために言葉や写真を多くつけるという提案
- 新しい試みとして「フタバ印刷による動画付き年賀状」などもあるという提案
~年賀状を送らない場合~
- 新型コロナウイルス流行の終息までに対する年賀欠礼を送る
- 終活年賀状を作ってみる
ということをお伝えしてまいりました。
本年も残すところ少しとなってまいりました。毎日が、穏やかな日々となりますよう願っております。


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竹内
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