発達障害の子どもを持つ家族支援とは?支援内容や受けられる施設を紹介!


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
発達障害の子どもを持つ親にとって、子どもの成長や発達具合を心配するシーンは多いでしょう。
発達障害の子どもに対しては、児童発達支援や放課後支援センターなどの支援がありますが、親や家族への支援も大切なのはあまり知られていません。発達障害の子どもの親や家族は、多くの悩みを持ちやすいのに、相談する機会が少ないので抱え込みがちです。
そこで重要なのが家族に対する支援で、悩みや子育ての負担を軽くするだけでなく、家族支援が発達障害を抱える子どもへの支援にもつながります。
この記事では、発達障害の子どもの家族への支援について紹介します。
記事のもくじ
発達障害の子どもを持つ家族が抱える悩みとは?
発達障害の子どもを持つ家族は、たくさんの悩みを抱えています。
具体的にどんな悩みなのか見ていきます。
つい周りの子どもと比べてしまう
発達障害の子どもは、苦手なことと得意なことの差が激しく、周囲との成長具合が大きく違うことが少なくありません。
「周りはみんなできているのにうちの子だけできない」といった悩みを抱える親はとても多いのではないでしょうか。
成長の遅れがどんどん開いて、保育園や幼稚園へ入園するときや小学校へ上がるとき、周りとの差がありすぎたらどうしようと不安になる親が多くいます。
子どもへ費やす時間が長すぎて疲れてしまう
発達障害の子育ては、子どもに費やす時間が長くなりやすいので、疲弊しストレスをためる場合があります。特に子どもが未就園児の時期は、家族のなかでも母親の子育て比率が高く、うつや睡眠障害の症状が出るケースもあります。
発達障害の子どもの特徴を周囲が理解してくれないことや、父親の仕事が忙しくワンオペになりがち、核家族化が進み周囲に頼れる人がいない、などが原因の一つです。
将来への不安
発達障害の子どもを持つ親は、子どもの将来への不安を強く感じています。
特に、障害を持つ子どもの親はハードルがあると考えられており
- 障害がわかったとき
- 就学のとき
- 卒業後の進路を考えるとき
- 親亡き後を考えるとき
があげられます。
発達障害の家族支援とは?
発達障害の子どもを持つ家族への支援には、大きく2つの意味があります。
- 子どもの特徴は、一緒にいる時間が長い家族が一番理解しているので、保護者に子どもへの適切な支援をトレーニングしてもらう
- 発達障害の子どもを持つ家族の苦労やストレスは高い傾向にあるので、精神的なケアをおこなう
この2つは違うように見えますが本質的にはほとんど変わらず、家族を含めた支援が発達障害の子どもの支援につながります。
2つについてそれぞれの内容を詳しく解説します。
発達障害の子どもへ家族ができる支援
発達障害の子どもにとって、家族の理解や支援はとても大切です。家族の理解があまりなく、子どもの特徴を把握できてないと支援につながりません。
支援を受けられないことで将来の可能性が狭くなったり、発達障害の二次障害が出ると将来の生活に不安が残ります。
※発達障害の二次障害とは
発達障害が原因で、日常生活や周囲との関係が難しいことがあり、精神的に傷つき不調になることを「二次障害」と言います。
症状として「頭痛」「食欲不振」「不眠」「過剰な不安や緊張」「うつ」「対人恐怖症」「不登校」「暴力・暴言」などがあります。
逆に、親が子どもの特徴を的確に把握して支援に積極的なら、子どもが支援を受ける機会が増えます。
親ができる支援の一つに、アメリカで始まった「ペアレント・トレーニング」というプログラムがあります。
との考え方で、子どもの行動に焦点を当てて、具体的にどんな対応ができるかを親が学習するプログラムです。
プログラムの流れは
- 1ヵ月〜2ヵ月の期間で5回〜10回前後のトレーニング
- 講義やグループワークを行う
などで、プログラムによって内容は異なりますが、「ほめ方」「指示出しの工夫」「ルール作り」などを学びます。
親がペアレント・トレーニングを受けることで
- 子どもの行動がよいほうに変化
- よい変化の維持
- 親のストレスの軽減
などが期待できます。
ペアレント・トレーニングは費用がかかり、プログラムの内容もさまざまです。
プログラムを実施している施設は
- 都道府県などの自治体
- 大学
- 医療機関
- 親の会
などが代表的です。
発達障害の家族への精神的ケアを目的とした支援
厚生労働省の「児童発達支援ガイドライン」によると、
障害のある子どもを育てる家族に対して、障害の特性に配慮し、子どもの「育ち」や「暮らし」を安定させることを基本に、丁寧な「家族支援」を行うことが必要である。
引用元:児童発達支援ガイドライン
とあります。
発達障害を含めた家族が安心して子育てできるように、家族の負担を支援することを目的とされていて、母親・父親・兄弟姉妹・祖父母などが対象です。
発達障害には、「ADHD(注意欠如・多動)」や「自閉症スペクトラム」などがありますが、発達障害を持つ子どもの親は、同年代の子どもを育てている親に比べてストレスが高い傾向にあります。
「育児の方法が間違っているのではないか?」「育児に自信が持てない」などの悩みを抱え、発達障害の程度に関わらず、精神的な育児の負担が大きくなります。
子どもへの接し方が感情的になってしまったり不安が強くなったり、体調に不調が出る可能性が高く、家族への精神的支援がとても重要です。
家族への支援では精神の安定が期待できるので、そのまま子どもへの支援の向上につながります。
家族支援を受けるにはどうしたらいい?
実際に家族支援を受けるためにはどうしたらいいか、ハードルが低くよく利用されている方法を紹介します。
自治体の発達支援窓口で相談する
各市区町村では、発達障害を含めた障害に対する相談窓口があります。
無料で相談できるのはもちろん、地域内の支援を受けられる施設を把握しているので教えてもらえます。
乳幼児健診でも発達の相談が可能です。
またなかには、未就学児を対象とした発達支援サービスをおこなっている自治体があり、ほとんどが無料で受けらるのでぜひ利用してみましょう。
児童発達支援の施設や放課後デイサービスを利用する
発達障害の子どもの療育施設として、「児童発達支援」や「放課後デイサービス」の施設があります。
子どもが通って支援を受ける施設ですが、親に寄り添い子育てを支えるのも支援の一つです。
- 親からの相談を受けたり、助言をする
- 保育園・幼稚園・学校や、他の障害福祉サービスへの連携をする
- 定期的に子どもに関する情報の提供や共有
子どもだけでなく、親にとっても重要な施設です。
親子の会などでコミュニケーションの輪を広げる
発達障害の家族は横のつながりを作りにくいと思われていますが、実は地域によって「親子の会」や「家族の会」があります。
活動内容は
- 発達障害の勉強会
- 発達障害の子どもを持つ家族として、理解者や支援者になれる
- 地域への理解と協力を得るための活動
などがあります。
似た境遇の家族が集まるので、安心して本音が言える場所になるのではないでしょうか。
話しにくいときは聞くだけでも励みになり、心のケアにつながります。
まとめ:発達障害の子どもを持つ家族支援とは?支援内容や受けられる施設を紹介!
発達障害の子どもを持つ親は、たくさんの悩みを抱えています。
子どもの成長具合や子育てへの疲労やストレス、年齢が上がるにつれ出てくる将来の不安など、悩みが尽きません。
そこで重要なのが、「家族支援」です。
家族支援には大きく2つあり、「家族ができる子どもの支援」と「家族の精神的なケアを目的とした支援」で、両方を支援することで相乗効果が期待できます。
家族支援を受けられる場所は自治体や医療機関などで、費用がかかります。支援の受け方や情報収集に困ったら、まずはお住まいの市区町村窓口で相談してみましょう。
家族支援を受けると、子どもの成長が支援できるだけでなく、家族の心の余裕も生まれますよ。


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