『2021年のお盆期間』ペットのお盆の迎え方|準備やお供え、お墓まいり、自宅での過ごし方


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
お盆とは、ふだんあの世でやすらかに過ごしているご先祖さまや亡くなったかたが、家に帰ってくる日のことです。
お盆の時期になると、なつかしのわが家に帰ってくるのは、人間だけではありません。かつて愛情をそそいでいたペットたちも、この世をおとずれるといわれています。
この記事では「ご先祖さまといっしょに、ペットのお迎えもしたい」とお考えのかた向けに、ペットのお盆の迎え方をまとめました。
2021年のお盆はいつからいつまで?基礎知識編
お盆の意味や役割、期間などの基本的な情報をご紹介。ほかにもペットのお盆を迎えるにあたって、どのような準備をすべきか説明します。
お盆とは【意味を解説】
お盆とは旧暦の7月15日をメインにおこなわれる、先祖供養の儀式です。この時期になると、先祖のたましいがあの世から現世に戻ってきて、やがてあの世に帰っていくと考えられています。
冒頭でもふれたとおり、故人やご先祖さまが家に帰ってくる日のことです。お盆の時期になると、豪華なお供えやお飾りを準備しておきます。理由は、あの世で過ごしている故人やご先祖さまを気持ちよく迎えいれるためです。
お盆はいつからいつまで?
日本では多くの地方で8月13日の「迎え盆」から16日の「送り盆」までの4日間をお盆とさだめています。ですが場所によっては、7月いっぱいをお盆とする場合や、旧暦どおり7月15日を中心におこなうことも。
上記のとおり、お盆の期間は2つにわけられます。
8月のお盆(旧盆)
現在の暦(こよみ)で考えた8月のお盆を、旧盆といいます。いまでは、8月13日〜16日まで(地方によっては15日まで)をお盆の時期と考えるのが一般的です。
7月のお盆(新盆)
地域によっては、四十九日後にはじめてむかえるお盆のことを新盆と呼びます。7月にお盆をおこなう地域は、多摩地区の一部をのぞいた東京都、横浜、函館、金沢の旧市街地など。ただしこの時期は農作業が忙しく、旧盆の時期におこなう地域もあります。
2021年のお盆期間【新暦8月・新暦7月・旧暦7月】
2021年のお盆期間を3タイプに分けてご紹介します。
新暦8月のお盆
8月13日(金):迎え火(盆の入り)
8月14日(土):中日
8月16日(月):送り火(盆あけ)
新暦8月にお盆をおこなう場合の日程は、上記のとおりです。お盆の前日には、先人や故人をお迎えするための準備をします。ペットのお盆を迎えるにあたり、8月13日〜16日までの流れを以下の画像に記載しました。
<盆あけの行事:京都府 |五山送り火>
8月にお盆を迎える京都府では、先祖を送りだす行事として「五山送り火」が開催されます。
五山送り火とは、毎年8月16日午後8時に、京都をかこむ5つの山に点灯する行事です。「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の順に火がつけられます。
ご先祖さまのたましいを迎えいれ、いっしょに過ごしたお盆を惜しみつつ、送り火でご先祖さまや故人が、あの世に帰っていけるようお祈りする祭典です。
新暦7月のお盆
新暦の7月にお盆を迎える場合、2021年の日程は次の3日です。
7月13日(火)迎え火(盆の入り)
7月14日(水)中日
7月16日(金)送り火(盆あけ)
旧暦7月のお盆
沖縄県を中心とする一部の地方では、旧暦にもとづき行事が開催されることが多いです。そのため沖縄県や一部地域では、旧暦の7月(旧盆)にお盆を迎えます。
旧暦の7月は、新暦であらわすと8月20日〜22日です。
<2021年度版 旧暦7月のお盆>
8月20日(金)祖先をお迎えする日
8月21日(土)中日
8月22日(日)祖先を送り出す日
『ペットのお盆』お迎えに必要な準備と用意するもの
お盆にペットをお迎えするため、いろいろな準備を整えておきましょう。
こちらでは、自宅でペットをお迎えする場合はどのようなものを用意すればいいのか解説します。ほかにも、お墓まいりの作法をまとめました。
自宅でお迎えする場合
ペットのお盆の迎え方は、故人を迎えるときと同じです。つまり、家に戻ってきた家族をお盆飾りや迎え火をもちいてお迎えします。こちらでは、それぞれの準備や用意するものについて見ていきましょう。
盆棚にお盆かざりを置く
お盆になると、盆棚を設置して生花やお供えもの、故人の好きだったもの、季節の野菜やくだものなどをかざります。
ちなみに、ナスやきゅうりでつくる有名なお盆かざりの名前は、精霊馬(しょうりょううま)です。ところでなぜお盆かざりといえば、ナスときゅうりと決まっているのでしょうか。
(参考:日本文化いろは事典)
ここまでは、ご先祖さまや故人の迎え方を紹介しました。一方でペットの場合は、ペットの好物や大切にしていたおもちゃ、使用していた首輪やリードなどをかざってもよいでしょう。
迎え火をたく
迎え火とは、この世に帰ってくるご先祖さまや故人が道に迷わぬよう、火をたいて目印にするお盆の風習のことをいいます。一般的には8月13日の夕方(※)におこなわれますが、12日の夕方に迎え火をたく地域もありさまざまです。
ペットのお墓まいりに必要なもの
ペットのお墓まいりをする際に、用意するもちものは大きく分けて3つです。
- 数珠
- お供え物(水やペットの好きな食べ物、花)
- 火をつけるための道具(線香、ろうそく)
数珠は墓前で手をあわせるときに使用します。
お供え物
お供え物は、ペットが好きだった食べ物や水、お花などを持っていきましょう。屋外にお墓がある場合は、野生の動物に荒らされるリスクがあるため、食品は持ち帰ります。
また生花もいつかは枯れてしまうため、定期的にお墓まいりへ行けない人は造花もしくはプリザードフラワーで代用しましょう。
火をつけるための道具
ペットの墓にお供えするための線香や、ろうそくに火をつける道具を用意します。
「納骨方法によって違う」ペットの魂を迎えいれる方法
ペットのたましいを家に迎えいれる方法は、納骨方法によってことなります。
- 個別墓
- 合同供養墓
- 納骨堂
ケース⑴個別墓
個別墓の場合、周囲の掃除をしたあと容器に水を入れます。そしてペットの好物やお花を供えたあと、線香もしくはろうそくに火をつけて手をあわせましょう。
ケース⑵合同供養墓
ペット霊園やお寺などが、動物慰霊祭やお盆の法要を開催していれば、それらの行事に参加できます。
また合同供養塔がある場合は、お水やお供え物をたむけるとよいでしょう。
ケース⑶納骨堂
お墓ではなく、納骨堂にペットのお骨を安置している場合は家族で現地をおとずれるとよいでしょう。
施設によってお供え可能なものとそうでないものがあるため、事前にご確認ください。
お盆の中日はどのように過ごす?
新暦の8月にお盆を迎える場合、14日と15日はペットのたましいが自宅に戻ってきていると考えられます。
期間中はペットが生きていたときのように、ペットが好きだった食品やおもちゃなどを仏壇にお供えしましょう。また、こまめに水をとりかえてあげるのもよいかもしれません。
結論としてお盆の中日は、今は亡きペットのことを思いながらお供えをして過ごします。
ペット用お盆のお迎えグッズ
お盆になると、店頭にお迎えセットがならべられます。あらゆる商品が展開されていますが、それぞれどのような意味がこめられているのでしょうか。
盆ちょうちん【ペット用盆ちょうちん】
ひとくちに盆ちょうちんといっても、たくさんの種類があります。株式会社はせがわのページを参考に、ちょうちんの種類をいくつかまとめました。
盆ちょうちん(あんどん) | 色彩ゆたかな絵柄の入ったちょうちんのこと。
盆ちょうちんには、故人の冥福を祈ったり感謝の気持ちをあらわしたりして、故人を供養する意味があります。 ほかにも盆ちょうちんは、ご先祖さまや故人が家に帰る途中で迷子にならぬよう、目印の役割もはたすのです。 |
白紋天(しろもんてん) | 新盆のみに使われるアイテムです。こちらは新盆にはじめて帰ってくるご先祖さま、および故人がさまよわないように、玄関先や軒先などにつりさげます。
※白紋天も盆ちょうちんと同様に、先人や故人にとっての目印です。 |
門(かど)ちょうちん | 家紋の入ったちょうちんのこと。主に玄関先につるします。 |
霊前灯(れいぜんとう) | 盆棚に設置して、お位牌を照らします。 |
御所・住吉(ごしょ・すみよし) | 天井からつりあげ、上から点灯します。 |
お迎えちょうちん | ご先祖さまや故人をお墓に迎えに行くとき使用する、ちょうちんのこと。 |
商品によっては、ペットの写真を印刷できるちょうちんやLEDのちょうちんもあります。オーダーメイドのちょうちんをお求めのかたは、下記をご参照ください。
ペット用のお迎えセット
ペットのたましいを迎えいれるため、室内やベランダにお迎えセットをかざりましょう。
(引用:DEARPET)
ペット用のお盆お迎えセットには、犬や猫の形をした精霊馬、まこもでできた敷き物、お供え用のハスの葉、迎え・送り火用のお皿やお香などが付属します。
ペット用のお盆かざりと人間用のお盆かざりに、おおきな違いはありません。そのため、ペット用のお盆かざりを設置するときは人間のお盆の作法にしたがって取りつけましょう。
ペット用の仏具
お盆にペットを迎えるためのグッズに、ペット用の仏具があります。仏具の内容は以下のとおりです。
- ミニ仏壇
- 位牌
- ろうそく、線香
- おりん
以上のアイテムが手元にあると、あの世からやってくるペットを手厚く迎えいれることができます。
ほかにも人間用の湯のみとは違い、ペットが口をつけやすいよう加工されたお水入れや、骨壺を収納可能なペット用仏壇などもあるため、用途にあわせてご検討ください。
お盆あけのペットの送り出し方
盆の入り、中日を過ぎると、いよいよお盆があけます。送り盆は8月16日におこない、その際に送り火をたくのが一般的です。
送り火はお盆の終わりに門前で火をたきあげ、迎え火で受けいれたペットをあの世へ送りだす意味があります。要するに送り火とはペットのたましいを、もとの世界に戻してあげるための儀式です。
おすまいの地域によっては、お供えものをのせた精霊舟やとうろうを川に流すことがあります。事情があって送り火を焚きあげられない人は、こちらの方法を試すとよいかもしれません。
またお線香をたてたり、LEDのキャンドルライトをつけたりするだけでも、亡くなったペットに思いはつたわるでしょう。
まとめ:ペットのお盆の迎え方|準備やお供え、お墓まいりの仕方、自宅での過ごし方をご紹介
最後に、記事の内容をおさらいしましょう。
- お盆とは、故人やご先祖さまが家に帰ってくる日のこと。人間と同様に、ペットのたましいもあの世から戻ってくると考えられています。
- お盆の期間は、地域によってことなります。現在のこよみで8月13日〜16日までをお盆の時期と考える地域もあれば、7月いっぱいをお盆と考える場所も。
- ペットのお盆の迎え方は、故人をお迎えするときと同様です。盆棚にお盆かざりを置いたり、迎え火をたいたりして迎えましょう。
- お盆を迎えるにあたり、ペット用のお迎えグッズがあると、なおよし。ちょうちんや仏具、お迎えセットなどをお求めください。
ペットのお盆の迎え方は、飼い主によってちがいます。大切なのは、大好きだったペットのことを思いできるかぎりの手をつくすことです。
お盆の前に準備をととのえて、どうぞよいお盆をお過ごしください。
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