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小川糸 『ライオンのおやつ』を読んで、家族や自分の「もしも」について考えてみた

トップ > 小川糸 『ライオンのおやつ』感想|家族や自分の「もしも」について考えてみた

最近、作家の小川糸さんが執筆を手がけた小説『ライオンのおやつ』を読みました。

 

余命いくばくかの主人公が、瀬戸内のレモン島と呼ばれている場所で余生をすごすお話です。作中には「ホスピス」や「ターミナルケア」などと言った言葉が出てきます。終活と関連性のある物語のため、現在進行形で終活中の人や終活に興味がある人に読んでいただきたいです。

 

幸福なことに、筆者は大きな病気にかかったことがありません。しかしその一方で、身内の介護や看病に付きそったことはあります。

 

そうした過去の人生経験にもとづき、家族や自分に「もしも」のことがあったときのターミナルケアについて考えてみました。

ライオンのおやつとは?あらすじをネタバレなしでご紹介

余命宣告を受けた主人公の「雫」は、残りの人生を瀬戸内の島にあるホスピスで過ごすことにしました。そこでは毎週日曜日に、入居者がもう1度食べたい思い出のおやつをリクエストできる「おやつの時間」があります。

 

物語に登場するのは主人公だけでなく、ホスピスで生活している人たちや犬など、個性ゆたかなメンバーが勢ぞろい。

作中ではホスピス内のお世話係である「マドンナ」と主人公の掛けあいや、おやつの時間を通じて入居者たちの心が通いあう様子が精密に描写されています。

 

ほかにも主人公の雫が病気のくるしい治療をストップして、この島で余生をすごすに至った経緯が丁寧に描かれていたのが印象的です。

 

筆者は『ライオンのおやつ』を読了後、かぎりある命を大切に生きていこうと思いました。

 

また家族や自分にもしものことがあったとき、どのようなケアをおこなっていくべきなのかについても考えさせられたのも事実です。

ホスピスとは?意味を解説

『ライオンのおやつ』は、主人公が瀬戸内の島にあるホスピスで、残りわずかな生活をおくるお話です。筆者は正しい知識をつけるために、あらためてホスピスの意味を調べました。

 

ホスピスとは、死期が近い患者とその家族の苦痛を最小限におさえるケアを目的とした施設のことです。世界で最初にできたホスピスは、1967年にシシリー・ソンダース博士によって建てられた、聖クリストファー・ホスピスと言われています。

 

ホスピスにおいては、患者の症状をやわらげることが優先されるため、診断検査や延命治療はほとんどおこなわれません。また死期が近い患者とその家族に対し、適切なケアと緩和ケアについての指導が入ります。

ホスピスでは、どのような内容の緩和ケアをおこなう?

ホスピスには医師や看護師、ソーシャルワーカー、ヘルパーなどが常駐しています。場合によっては、言語療法士、理学療法士などの専門家が関わることも。ホスピスに従事するスタッフたちは、施設内や自宅などで重病患者のケア(=ターミナルケア)をおこないます。

 

具体的には、どのようなケアがおこなわれるのかを下記にまとめました。

⑴看護師をはじめとする専門家が患者に対し、身体的・心的なケアをおこなう

ホスピスに入居するほど重篤な患者は、たいていの場合、(*)日常活動をおこなううえで多少の介助が必要です。一方で、病状によっては完全に人の手をかりなければ生活が成りたたない患者もいます。

 

そうした人たちのお世話や治療を担当するのが、看護師や専門家の面々です。

 

通常は看護師が患者に対し薬を投与したり、酸素療法をおこなったり、点滴のチューブや特殊な器具を設置したりします。

(*)日常活動:服を着る、お風呂に入る、食事の準備や食べ物を口にするなど

そのほかにも、ソーシャルワーカーや聖職者などが患者の話に耳をかたむけて、心的なケアをおこなうこともあるようです。

⑵重病患者の家族に対して、愛する人をささえる役割やサポートを受ける方法を伝える

ホスピスケア計画を通じて、重病患者の家族にも愛する人をささえる役割や、必要なサポートが受けられる方法を伝えます。スタッフが患者のケアをするだけでなく家族にも協力をあおぐのは、患者にとって大切な人たちからの支援は必要不可欠だからです。

 

一方でホスピスに従事する人たちは、患者の家族が必要なサポートを受けられるよう、あらゆる支援制度をすすめます。

 

患者のターミナルケアが長期間にわたると、莫大な費用がかかるだけでなく施設スタッフとのやりとりや手続きなどが家族にとって大きな負担になるためです。

おもにホスピスにいるケアマネジャーが、家族の話や悩みを聞いたり福祉制度を紹介したりします。

 

※患者とその家族に最適なホスピスケアを提供するのが、ホスピスのつとめです。患者や家族が必要としていること、経済状況、地域のプログラムの受けいれ能力を考慮したうえで、最終的なケアプランを決定します。

筆者の母は卵巣がんにかかった〜そのとき、筆者はどうしたのか〜

2018年の夏に、筆者の母は卵巣がんと診断されました。医師の診断によると、母のがんはステージ3まで進行しており、きわめて危険な状態であるとのこと。

 

筆者は医師が淡々とした口調で話す内容に耳をかたむけながら、今後母のケアをどのようにしていこうかと考えていました。母の体調があまりよくないことは理解したうえで、病魔とたたかう母を最大限にサポートしようと思ったからです。

 

当時の筆者は会社の寮で暮らしていたため、母と顔をあわせる時間はさほどありませんでした。なぜなら寮には門限があり、なおかつ翌日に仕事の予定が入ると、母が入院している病院へ行くのは難しかったのです。

 

筆者はひんぱんに母と会えないぶん、毎日写真つきのLINEを母へ送りました。母から「病院ですごしているとどこにも行けないし退屈なの。(筆者が)撮影したたくさん写真を送ってほしい」と言われたからです。

 

当時の筆者はバスガイドとして働いていたため、全国の観光地に行く機会がありました。そのため行く先々で風景や食べ物の画像を撮影し、闘病中の母にLINEで送っていたのです。ただ画像を送るだけではなく「病気がよくなったら、一緒に旅行へ出かけよう」「きっとすぐに病気がよくなるよ。大丈夫」とメッセージをそえていたことを覚えています。

 

それから数ヶ月後。母はがんを摘出する手術が決まりました。当日、筆者は不安そうな表情を浮かべる母の手首に、自分が身につけていたブレスレットをとおして見送ります。

 

母の手術が成功するかどうかは、がんの進行状況にかかっていました。

医師からはあらかじめ次のように話を聞いていたのです。

 

「卵巣とがん細胞をうまく切りはなすことができれば、問題はない。しかし、がん細胞が卵巣を覆いつくしていたら、卵巣を全摘出するのは難しいと思う。その場合は、がんを完全に取りのぞくことができないため、万が一の事態を覚悟してほしい」

 

筆者は母のことが心配でたまりませんでしたが、悲観的になる必要はないとも思っていました。母の手術は無事に終わるはずだ。そう思い、心を落ちつかせていました。

 

結果として、母の手術はなにごともなく終わり、2021年になった今でも母は健在です。筆者の母が大病から復活できたのは、本人の努力と医師のおかげであることは間違いありません。

 

あくまで筆者は「自分ができる精一杯のことを」と思い、行動したまでです。もし筆者が大きな病気にかかってくるしい時は、周りの人にそうやってはげまして欲しいです。

 

筆家族が弱っている自分を見て涙を流す様子を目の当たりにするより、何事もなかったかのように明るく接してもらえると、心が軽くなると思います。

まとめ:小川糸 『ライオンのおやつ』を読んで、家族や自分の「もしも」について考えてみた

小川糸著『ライオンのおやつ』を読んだ感想と、ホスピスやターミナルケアについての解説、家族や自分にもしものことがあったときにどうすべきか、どうしてきたかをあらためてまとめました。

 

ライオンのおやつは、終活に関するヒントが詰まった小説です。単なるエンターテイメントとしてだけではなく、仮に自分が医師から余命宣告を受けたらどうする?と考えながら読むと良いかもしれません。

 

筆者は自分の身に万が一のことが起きたら、家族には笑っていて欲しいと思います。また、もしもの事態にそなえて、エンディングノートを作成することも考えました。今後、少しずつ終活をすすめる予定です。

 

みなさんにも「もし家族が病気にかかったら?」「もし自分が事故にあったり病気になったりしたら?」と考え、事前に準備しておくことをおすすめします。

この記事を書いた人

神埼 寧

twitterアカウント:@nei_knzk

愛知県出身。前職はバスガイドです。今はもの書きを目指して、日々奮闘しています。趣味は神社仏閣めぐりと食べ歩きです。

『終活』とは自分の望む最期を迎え、人生をより充実したものにするため、生前準備を行うことです。 人生の後半戦を思う存分楽しむために『終活』を始めてみませんか? 終活に関する記事一覧
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