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【コラム】障がいを持った我が子を残して逝く親の苦悩|親子を取り巻く現実

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「我が子を殺したいんです。まだ力でこの子に勝てるうちに」

そういわれたとき、私は衝撃を受けました。

 

私の弟は先天性の知的障害があり、また私自身もデイサービスに勤務しているということで、子どもの頃から障がいのある子と関わることや障がいを持った子の親と話す機会が多くありました。

 

まだ私自身が子どもということもあり、ぽろりと本音を零してしまう親が何人かいて、いろんな話を聞いたその一言はかなり衝撃を受けました。

 

冗談で言っていないことは、顔と声色で十分に分かっていましたし、その親子はとても仲が良くお母さんも息子大好き、息子もお母さん大好きが溢れ出てるような親子だったのです。

 

親であれば、子を残して死んでいくことに不安や心配があると思いますが、障がいのある子を残して逝く親の不安や心配は、障がいのない子を残して逝く親よりも何倍も大きなものです。

障がいを持った我が子

障がいといっても軽度から重度まであり、障がいを抱えていても少しの工夫で普通の人と変わらない生活を送ることが出来る人もいます。しかし中には人の手を借りても、普通と同じように生活をするのが大変な方もいます。

 

もちろん今の日本には、そんな人たちを手助けする制度は存在します。

施設

人の手を借りる先として

などがありますが、どこであってもそれなりの書類手続きや更新手続き、もちろんお金もかかります。

 

日常生活でさえ人の手を借りなければいけない子が自分で諸々の手続きをこなし、お金を稼いで必要経費を振り込むなんてことが出来る訳もありません。親が存命の間に、さまざまな書類の用意や月々のお金が自動で振り込まれるシステムを確立して、施設に入れるのも今のご時世では可能です。

 

しかし、老人ホームでもよく起こる問題ですが、入居者と気が合わなかったり施設職員からのいじめなどの人間関係が死ぬまで円満である保証はどこにもありません。仮にそんな事態になったとしても、自分でつらい助けてといえるかどうかはその子の障害度合いによって変わりますし、親がすでに死去していた場合どこに助けを求めていいか分からないでしょう。

 

いじめにあっててつらいのに、誰にも助けを求められず、ただただ毎日耐える生活を送るしかできない…

そんな我が子の姿を想像してしまうと怖くて施設に入れることはできないという方が多いのも事実です。

 

実際、障碍者施設に関する事件は、ニュースで報道されることもありますよね。

 

最近あった有名な事件では、平成28年7月26日津久井やまゆり園で起きた”相模原障碍者施設殺傷事件”。まだ記憶にある方も多いのではないでしょうか?

 

障がい者を持つ親には、衝撃を与えた事件でもありました。

兄弟姉妹

他人の手を借りるのは…と思うと、次に思い浮かぶのは障がいのある子の兄弟姉妹です。

しかし、それも簡単ではありません。

 

兄弟姉妹に障がいのある子の面倒を見る意思があったとしても、結婚している場合、結婚相手や義両親がどんな反応をするのかはわかりません。それだけではなく、兄弟姉妹が障がい者であるというだけで、結婚へのハードルは上がります。

 

障がいのある兄弟姉妹がいるから結婚破棄された、結婚相手や義両親に嫌がられているというのは良く聞く話であり、そんな状況の中、障がいのある子の面倒を見てくれとはなかなか言いにくいと感じるようです。

 

身体的介助や金銭的援助をしなければいけないと初めから分かっている状態で、結婚を承諾してくれる人はそう多くはないのが現実です。

自分が死ぬとき、その瞬間に我が子も一緒に連れて行きたい。という親

どんな判断をしても、障がいを持った子が心配でどんな生活を送るのか不安で仕方がなく、いっそのこと自分が死ぬとき、その瞬間に我が子も一緒に連れて行きたいと思う親もいます。

 

そう思う親心はひどい、虐待、殺人だと簡単に言えるものでしょうか?

 

我が子が邪魔だから、うざいから殺したいではないのです。我が子が可愛くて大好きで愛していて幸せになって欲しいからこそ、我が子も一緒に、いっそのこと連れて行きたいと思うのです。

周りの意見

なら、親が生きてる間に良い施設を見つけて入れればいいじゃないか、親が子どもを殺すなんてそんなひどいことをするなという方もいると思います。

 

しかし、今は良さそうに見える施設でもその子が死ぬまでの期間、ずっといい施設であり続ける保証や職員の入れ替わりなどがあっていつでもいい職員さんがいてくれる保証はありますか?

 

ありません、あるわけがありません。

親子を取り巻く現実

もしかしたら、そんなに重く考えなくてもいいんじゃない?と思う方もいると思います。

 

しかし、障がいを抱えた人に対する周りの対応は、きっとあなたが思っている以上に優しいものではありません。

増加していく障がい者

発達障害のある若者の人数は急速に増えています。

2009年には299人

2013年には2,393人

2018年には6,047人

急増している原因としては発達障害者支援法が制定されたりしたことによって、支援体制が進み親だけではなく学校の教師などから障害が認知されることが多くなったことがあげられます。

 

今までは障がい者として認識されてなかった人が認識されるようになり、支援の手を必要とする人口が増えました。しかし、少子化や労働人口が減少傾向にある今の日本で、福祉業に勤める人は一部です。

 

今後障害のある人は増え、支援する人は少なくなることが予想されます。当然、1人あたりにかけられる支援は手薄になり、十分な支援が受けられなくなるかもしれません。

生活費を稼げない

障がいのある方は就労として働ける場合がありますが、大体最低賃金を下回る時給での労働となります。もちろんそんな給料では生活費を賄うことはできません。

 

障がい者のための障害年金というものがありますが、受給するための条件は厳しく金額は引き下げられています。生活保護というものもありますが、更新を受けなければいけません。

 

障がいを持った人が1人でその更新をクリアできるのかは少し疑問です。

周りの目

子どもの将来を思い、早めに施設などを決めようと親が健在な時に障がいのある子を施設に預けると、周りの目はかなり厳しく親に向けられます。

 

「自分の子のくせに面倒を見る気がないのか」

「我が子を捨てるのか」

と心無い言葉を投げかけられることは珍しくありません。我が子の将来を思ってしていることと、理解してくれる人が少ないというのが現実です。

愛している我が子へ

我が子がいなくなれば…と願う親は、皆さん口をそろえて我が子を愛しているといいます。しかし、安心して障がいのある我が子を任せることが出来ないと感じる人もいます。

 

どうしようもないからこそもどかしく、悲しく、愛している我が子を手にかけたいと本気で思っている訳がありません。

 

今の世を鑑みて、それが最善の手だと決断してしまう親がいずれ居なくなるように、少しづつゆっくりとでも世間の制度や見方、意識が変わって少しでも安心して我が子を残して逝ける世界になるように変わっていくことを強く願っています。

この記事を書いた人

津々樹 唯
Twitterアカウント→@arusutoro0613
放課後等デイサービス勤務兼WEBライター
料理とお菓子と文鳥が好きな基本引きこもりライター2年目です。
可愛いけど仕事中もかまってちゃんな文鳥2匹に困らされながら毎日を楽しく忙しく過ごしています。

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