食生活を改善して介護予防に!シニアの食事と栄養バランスで気をつけることやおすすめは?


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
死ぬまで健康に暮らしたいと考える人が増えています。
厚生労働省よると、2019年日本人の平均寿命は女性87.45歳、男性81.41歳となり、寿命は伸び続けています。一方で、自立した生活を送れる期間「健康寿命」が、平均寿命より男性は約9年、女性は約12年も短いことが分かりました。これは支援や介護を必要な健康上の問題で日常生活に制限のある期間が9~12年もあるということです。
いくら長生きしても、寝たきりや介護が必要な余生はいやですよね..。健康をつくるのは食事からと言われています。
そこで、いつまでも健康に暮らしたいシルバー世代にむけて、介護予防になるおすすめな食事と栄養についてお伝えいたします!
高齢者の食生活は改善すべき?
食べることは楽しいですよね。子供の頃と違って、年をとると「これを食べないと大きくなれない」と注意してくれる親ももういないので好きなものを食べがちです。
すると、いつの間にか偏った食生活になってしまいます。もしかしたら、知らず知らずのうちに栄養が偏っているかもしれません。
厚生労働省によると、多くの人の食事に対する意識は健康に問題がないから改善する必要がないと考えられています。
出典:厚生労働省
上記のデータから、改善することに関心がない、関心はあるが改善するつもりはない 、食習慣に問題はないため改善する必要はないを合算すると半数近くが食事について問題はないと考えていることが読み取れます。
本当に食事を改善しなくても大丈夫なのでしょうか?
シニアの栄養バランスが崩れると起こること
栄養バランスを考えず、好きなものばかりの食事の成れの果ては病気です。
日本人の三大死因であるがん・脳血管疾患・心疾患、更に脳血管疾患や心疾患の危険因子となる動脈硬化症・糖尿病・高血圧症・脂質異常症などはいずれも生活習慣病であるとされています。つまり、好きなものばかり食べていると将来的に介護が必要な病気に罹患する可能性が高まってしまうのです。
生活習慣病でどのくらいの介護の可能性になるのかリスクをチェックしてみましょう。
いかがでしたか?
リスクが高かった方は食事を改善し、リスクが低かった人はそのままの調子で続けていきましょう。どちらにしてもこの機会に食事を見直してみませんか?
シニアの食事で大切なこと:栄養とバランス
テレビの影響力はすごいもので、健康に納豆の乳酸菌がいいと報道されたら、翌日スーパーから納豆が消えていたりしますよね。
しかし、テレビの健康番組に影響されないことが大切です。
- OOO を食べると健康になる
- OOOを食べると痴呆症を防げる
- OOOを食べてはいけない
これは本当なのでしょうか?もしかしたら番組の広告スポンサーが食品会社と関係があるかもしれません。テレビ番組の情報を鵜呑みしないようにしましょう。
それにある特定のものばかり食べるのも栄養バランスはよくありません。好きなものばかり食べるのも、栄養バランスが悪くなります。
明治時代に日本に洋食が入ってきてまだ150年です。それまでの日本人は和食(ほぼ白米と味噌汁と漬物)が一般食でした。飢餓の歴史は長くても、飽食の歴史はまだまだ浅く、体も飽食にはまだ対応できません。牛乳はカルシウムがあると考える人も多いですが、日本人は小魚や海苔などの海草などでカルシウムを採っていました。そのおかげでとても骨太でした。食生活が変わり、骨粗しょう症も現代の寝たきりの原因となっています。
栄養バランスのよい食事をとるにこしたことはありません。でも料理が好きな人ならよいですが、管理栄養士さんのように栄養を計算して料理をつくるなんて無理ですよね。また加齢とともに料理をするのがいやになり、惣菜を買うシニアも増えてきています。外で売っているお惣菜は、健康を考えるより、売れることを目的としていますから、塩分も油も多く使われていて、健康に良くないものもあります。
ではいったいどうしたらいいのでしょうか?
介護予防にもなる、おすすめの食事とは?
平成25年(2013年)12月、「和食;日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また、「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。
参考:農林水産省
日本人は和食を食べていれば、自然と栄養バランスもよく健康に過ごすことができると言われています。
和食とは、ごはん、味噌汁、香の物、副菜(ひじき、切り干し大根、きんぴら、ほうれん草のおひたしなど)、主菜(魚、肉)などが基本です。手の込んだものではありませんので、簡単に調理できて一石二鳥です。
それでも料理が苦手、何をつくったらいいのかわからないという方にむけて、こんなアイデアがあります。
一人のために料理をするのが面倒(あるいは嫌い)な人に
食事宅配サービスを使いましょう。管理栄養士が栄養を考え、15品目以上のバランスが考えられていますので、惣菜を購入するよりも健康的、かつ経済的です。
何を食べたらいいのかよくわからない人に
料理は嫌いではないけれど、栄養のある食事はどうしたらいいのか考える人は、介護予防になる食事を考えてみませんか?
年をとるにつれて、尿酸値が高い、糖尿病、骨粗しょう症、高血圧などから体調を崩して、介護が必要な病気になってしまうことがあります。そこで気になる症状を改善するための食品を使った食事をすることをおすすめします。
高尿酸血症(尿酸値)が心配な方におすすめの食事
参考:厚生労働省
【プリン体の少ない食品(〜50mg・100g)】
コンビーフ、魚肉ソーセージ、かまぼこ、焼きちくわ、さつま揚げ、カズノコ、スジコ、ウインナソーセージ、豆腐、牛乳、チーズ、バター、鶏卵、とうもろこし、ジャガイモ、さつまいも、米飯、パン、うどん、そば、果物、キャベツ、トマト、にんじん、大根、白菜、海藻類
糖尿病予防におすすめの食品
失明、手足の壊死につながる怖い病気です。
糖尿病の食事療法は、正しい食習慣により過食を避け、偏食せずに規則正しい食事をすることであり、特別な食事をすることではありません。
参考:厚生労働省
【糖尿病予防に適した食品】
きのこ類、海藻類、野菜、押し麦・もち麦
【避けるべき食事】
塩分の強いもの(干物など)、過食を避けて腹八分目を心がけましょう。
骨粗しょう症予防におすすめの食事
骨量は成長期に増加し、20歳頃に最大骨量に達します。その後比較的安定に推移した後、加齢に伴い減少します。特に女性においては、閉経に伴い骨量が減少しやすくなります。骨折をきっかけに寝たきりになることも多い、予防しなければならない病気です。
参考:厚生労働省
【骨粗しょう症予防に適した食品】
魚介類、大豆製品、乳製品、海藻類、野菜、キノコ類
カルシウムやビタミンDをしっかり摂ることができる食事が大切です。
高血糖・脂質異常・高血圧を予防におすすめの食事
高血糖・脂質異常・高血圧は、偏った食事、運動不足、ストレス、喫煙、飲酒など、主に長い間の生活習慣が原因となる病気は自覚症状がはっきり現れにくく、気づかないうちに動脈硬化が進み、ついには狭心症、心筋梗塞、脳卒中、閉塞性動脈硬化症(ASO)など重大な病気を引き起こしてしまいます。
心筋梗塞で生還できたとしても、手足が不自由になることもあり、介護が必要となる場合もあるので、食事を見直さなければなりません。
参考:厚生労働省
【高血糖・脂質異常・高血圧予防に適した食品】
コレステロールの蓄積を防ぐ食物繊維を多く含むもの→野菜、海藻、きのこ
タンパク質→肉より魚(青魚)、大豆製品(豆腐、油あげ)*肉は鳥のささみがおすすめです。
油を使う場合は植物油(ベニバナ油、サラダ油、オリーブ油)
洋食が増えてきて、日本人の病気もずいぶん変わってきました。
介護予防、健康のためにぜひ和食をとりいれてくださいね。
まとめ:栄養ある食事で介護予防し健康年齢をあげよう
不健康な食事や偏った栄養の食事は病気を引き起こします。病気は治るものならよいですが、介護が必要になってしまったら、生きていても面白くありませんよね。
食べるものは体をつくると言われています。楽しく美味しく栄養が偏らず、介護を予防できる和食を取り入れ、たまにごちそうを食べるのがいいかもしれません。
ぜひ「健康年齢」をあげて、クオリィオブライフを送りましょう。なにを食べればいいのかを迷ったときは、子供の頃にお母さんが作ってくれた食事を思い出していただくといいですよ。
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