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孫から見た認知症の祖母|なぜかおばあちゃんがおじいちゃんに見えた話

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記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

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うっかり女性を男性と扱ってしまうと、大目玉を食らうことがあります。筆者はつい最近やらかしました。

 

大切な自分の唯一の祖母を間違って「おじいちゃん」と呼んでしまったのです。祖母は認知症を患っているため、大目玉こそ食らいませんでしたが、家族から「なんで?」というツッコミの嵐。

このページでは、

  • 高齢女性が男性に見えがちな理由
  • 認知症の家族にできるその人らしくあるための工夫
  • 最期まで女性であり続けた筆者の母方の祖母のできごと

について記載しています。

 

認知症患者が家族にいらっしゃる方はぜひ最後までお付き合いください。

おばあちゃんがおじいちゃんに!?

筆者には大正生まれの祖母がいます。

 

実家が二世帯住宅でしたので、結婚する前までは祖母と一緒に生活していました。おしゃべりな性格で、ちょっとゴミ出しに行くと出かけて長時間帰らないと思ったら、ご近所さんと井戸端会議なんてことはよくある祖母。

そんな元気だった祖母は、高齢になり、認知症が進んでしまいました。家族での介護には限界があることから、祖母は現在、特別養護老人ホームに入居しています。

 

実家の両親に会うときには施設にも行き、祖母と面会をしています。

 

久しぶりに会う祖母は、元気だったころとはずいぶん見た目が異なり、孫としては寂しい気持ちに…。それでも祖母は大切な祖母ですから「おばあちゃん久しぶり! 元気だった?」と明るく話しかけます。

しかし、先日は祖母の面会に行った際は、なぜだか「おじいちゃん、久しぶり」と言ってしまったのです。

 

すぐ近くにいた両親は「え?」という表情。

言い方は悪いですが、両親は明らかに「お前もボケたのか!」と言いたげ。

 

筆者には現在祖父はいません。生まれたときには母方の祖父はすでに他界していて、父方の祖父は小学生のときに亡くなりました。祖父たちがこの世を去ってからしばらく経っていますので、もう何年も「おじいちゃん」という言葉は口にしていないのです。

 

それなのに、「おじいちゃん」だなんて…。自分でもびっくりしたため、なぜおばあちゃんがおじいちゃんに見えて、そう呼んでしまったのか、じっくり考えてみました。

高齢者は性別を超える?

突然ですが、みなさんはご高齢の方で、「おじいさんかな? おばあさんかな?」と悩んだ経験はありませんか。筆者は、何回か、経験があります。みなさんもあるかもしれませんね。

 

高齢の方で、性別がわかりづらくなるのはなぜだか考えてみました。

洗髪しやすいように髪の毛を切るから

高齢になると、洗髪が負担になることがあります。施設に入居されている高齢者の場合はなおさらで、髪が長かった女性が入居のタイミングでばっさりと切ってしまうこともあるのです。筆者の施設に入居している高齢者の多くはショートヘアです。筆者の祖母も入居の際に、ばっさりとカットしました。

 

髪型での男女の区別がしにくくなることが、性別が判断しにくくなる1つの要因と考えられます。

 

また、寝たきりの高齢者になると、髪の毛がボサボサとしてしまうことも…。髪型のわかりにくさも性別の区別がつきにくいのかもしれません。

表情が乏しくなるから

認知症が進むことで、物事の理解力が低下して、表情が乏しくなることがあります。認知症だけでなく、老人性うつ病でも、表情が乏しくなる傾向があるのです。

 

無表情になり、いつも同じようなややかたい表情をしていると、家族でも「ずいぶん昔とは違う顔つきだな」と思うことがあります。

 

筆者の祖母も、面会時は、ムスッとした表情のまま。

 

かたい表情でやや怒ったようにも見える顔つきだと、おばあちゃんなのか、おじいちゃんなのかが分かりにくいのかなと思います。

化粧をしなくなるから

筆者の祖母は、あまり化粧をするタイプではありませんでしたが、口紅はよく塗っていました。孫が言うのもなんですが、イマドキの顔つきで、目ははっきり二重で黒目が大きく、とても美人です。

 

これは認知症が進んだ今でも変わらず、クリクリおめめのおばあちゃんのまま。
しかし、化粧をせず、顔の産毛も処理をしていないので、やはり昔の美しかった祖母とはやや異なります。

 

眉毛を整えるなど今までしていたお手入れをしなくなることで、元気だったころと印象が変わり、性別も判断しにくくなるのかもしれません。

ズボン着用が多いから

高齢になると、女性はスカートではなくズボンになり、男性も女性も変わらない服装になることが多いです。

 

筆者の祖母も、同居していたころはよくワンピースを着ていましたが、施設に入ってからはずっとズボン。車いすに乗ると、足がどうしても開いてしまうため、ストレッチ素材のスパッツのようなズボンを着用。しかもその色が茶色や黒なのです。なかなか年配の方向けの服でピンクや水色、赤ってないですよね…。あれば着せてあげたいのですが。

 

このように男女で服装の差があまりないことも、今回筆者がうっかり「おじいちゃん」と発してしまった要因かなと思いました。

我が家のおばあちゃんをおばあちゃんらしくしよう活動

祖母が施設で、ありのままでいることが一番だと家族は考えています。

 

しかし、あんなに女性らしく口紅を塗って、髪の毛を整えて、花柄のワンピースを着ていた祖母が地味になるのは、ちょっとさみしいなと思い、我が家は祖母が祖母らしくいるために、いくつか工夫をしました。

髪飾りをつける

キャラクターものの髪飾り(パッチン留め)を祖母の髪の毛につけてみたのです。すると、大人気! 施設のスタッフさんが「わあ、〇〇さんそれかわいいですね!」と声をかけてくださいます。

 

祖母は反応こそできませんが、きっと心のなかで喜んでいるはず。周囲の方に明るい声をかけてもらうことは、生活にも刺激になり、よい影響がありそうです。

居室を華やかにする

入居している特別養護老人ホームの部屋をかわいく仕上げました。祖母が実家でかわいがっていた愛犬の写真、そして唯一の孫の筆者の写真をデコレーションして飾っています。

 

居室は毎日目にする場所です。そこが華やかになると、目からよい刺激があるはず。そして、祖母の介護をしてくださるスタッフの方も、祖母が女性という意識を強く持って接してくれるだろうと期待して飾っています。(もちろん、十分にスタッフの方は尊厳を持って祖母に接してくれています。)

髪の毛をとかす

車いすの頭を当てる部分にずっとこすれていたのか、祖母はよく寝ぐせがついています。施設の共用スペースに行く際は、他の入居者の方に会いますので、髪の毛をとかすようにしました。

 

人前にでるときはみなさん髪の毛をとかすでしょう? 認知症になったって、きっと祖母は髪の毛をとかしたいはずですもの。

女性は最期まで女性?

さて、ここまでは父方の祖母の話でしたが、母方の亡くなった祖母の話もさせてください。

 

筆者の祖母は2020年、感染症が拡大してなかなかお見舞いが行けない中、亡くなりました。亡くなる数日前に、面会することが許され、久しぶりに会いに行ったのです。よく散歩をしていて、筆者とヨモギを採った祖母。元気だった印象が強かった祖母は、病室で寝たきりでした。体が自由に動かない状態で見ていてとても辛そう。

 

せっかく家族がそろったので、写真を撮ろうということになり、「おばあちゃん、写真撮るよー!」と明るく声をかけると、ふと祖母の手が頭へ。どうやら髪の毛を整えようとしていたのです!

 

母方の祖母は、おしゃれさん。生前は、高齢者のデイサービスのためだけにお化粧をしていたのです。母と筆者は祖母のメイク道具を買ってあげたこともあったほど。最期まで自分の身だしなみを気にしていて、「おばあちゃんはずっと女性なのだな」と感じました。

 

寝たきりでも、認知症でもおしゃれをしたい、身だしなみを気にしたい、自分らしくありたい方はたくさんいるはずです。

高齢の家族にできること

認知症が進むことで、以前の男性らしさ、女性らしさ、その人らしさが徐々に失われてくる方は少なくありません。

 

無理にケアをする必要はありませんが、男性には男性として、女性には女性としてなど、その人らしく尊敬の念をもって接することが重要です。

 

可能な限り、髪の毛をとかすなど、若かったころのように身だしなみを整えるサポートをしてみてください。元気だったときの気持ちを思い出してくれているかもしれません。ついついおしゃれよりも機能性を優先してしまう、高齢者の持ち物や洋服。ワンポイントになるワッペンを付ける、小物にかわいいシールを貼るだけでも、見た目の印象は変わりますよ。

 

認知症が進むと、自分で着る洋服を選べなくなります。元気だったころのことを思い出して、本人の好みに合うものを選んでみるのもよいですよ。

 

こちらの記事もご参照ください
【体験談】認知症祖母の看取り介護について|施設スタッフと話し合ってきた

老人性うつとは|その症状は認知症?もしかしたら老人性うつかもしれません (enjoy-mylife.net)

 

まとめ

筆者がうっかり「おばあちゃん」と呼ぶところを「おじいちゃん」と言ってしまったように、高齢になると女性は男性よりになる傾向があるように感じます。

 

ありのままの姿も美しいですが、昔のように身なりを整えたい、メイクをしたい、髪の毛を整えたいと思っている方もいるはず。我が家の場合は、髪の毛に飾りをつけて、居室を飾り、洋服にはワンポイントのワッペンや刺繍をして、かわいく仕上げました。身の回りが明るくよくなることで、きっと認知症の高齢者も気持ちが華やかになることでしょう。

 

認知症になって家族のことを忘れてしまっても、最期まで家族を家族らしく扱うことが大切です。

この記事を書いた人

ちゅんみ

バレエとランニングを愛するライター。美味しいごはん屋さんの取材が大好き(おいしいものを食べるのが好きなだけ)

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