『在宅介護に準備するもの』介護する側・される側を守る最低限必要な知識とは?


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
在宅で介護が必要となった場合、
- 何を用意するべきか
- 現状の住まいで介護に不便はないか、リフォームの必要性
- 何があれば便利なのか
など、少しでも介護の負担を少なくするため、また、少しでも快適に過ごしてもらいたいという思いから考えるのではないでしょうか。
一昨年亡くなった祖母も在宅介護でしたが、母はベッドや万が一の時のためのブザーなど事前に色々と準備をしていました。
高桑
今回は、在宅介護に必要なもの、準備するものについてシーン別に解説していきます。
竹内
在宅介護、トイレ(排泄)の介助であると便利なもの
排泄は、介護をされるご家族が真っ先に思い浮かべることかもしれません。
- 歩行可能なレベルなのか?
- 車椅子の移動は可能なのか?
- 寝たきりなのか?
介護レベルによって準備するものは変わってきます。
歩行可能レベル |
夜間の排泄が多い場合やトイレが遠い、介助の手間を少しでも軽くしたい場合は、ポータブルトイレの設置や尿器(尿瓶)で介助すると良いでしょう |
車椅子での移動が可能 | 車椅子でもスムーズに出入りできるよう、トイレのリフォームも視野に入れる
ベッドの横などにポータブルトイレを設置 |
寝たきり | 寝たきりの状態の場合、腸や腹圧の具合から排泄が困難になる可能性があります。寝たきりであっても、尿意や便意を家族に伝えることができる場合は出来るだけ便器を使用するようにしましょう。
尿意や便意をコントロールできなくなった場合は、介護用オムツを使用します。 |
在宅介護、お風呂の介助であると便利なもの必要なもの
お風呂はとても体力のいる介助になります。
自分で洗髪などできる場合 |
『介護者が準備するもの』
※被介護者のプライバシーを守るためにも、自分で洗髪できる場合は、洗っている時は外で待機、入浴の際は手を貸すなどしましょう。 |
自分で洗髪などできない場合 |
『介護者が準備するもの』
※毎日の入浴介助は体力的にも大変だと感じるでしょう。その場合は、2日に1回は清拭(体を拭いてあげる)しましょう。 |
寝たきりの場合 |
|
毎日の入浴介助で準備するもの
- タオル
- 着替え(オムツが必要な方はオムツ)
- ボディタオルやスポンジ
- 石鹸など
事前に準備しておきたいもの
- 転倒防止マット
- シャワーチェア
- 手すり
介護者が準備するもの(あると便利なもの)
- 水を弾くエプロン
- 滑りにくいお風呂用スリッパ
- ゴム手袋
在宅介護〜就寝時に必要なもの、準備するもの
介護レベルが上がるにつれ、どうしてもベッドの上で過ごす時間というのは多くなるものです。
高齢になりますと、寝た状態から体を起こすことも難しくなりますし、そうなると介護者の負担も大きくなりますよね。
自分で体を起こすことが出来る |
|
寝たきり |
|
色々な機能がついた介助用のベッドは、福祉用品のレンタルサービスを利用すると良いでしょう。
高桑
移動の際必要なもの
在宅介護の場合、被介護者は家にいる時間が長くなります(デイサービスなどに通っている場合でも、夕方から夜間、朝までは在宅ですよね)。
自宅がバリアフリーになっていない場合、介護者、被介護者ともに不便を感じることが多くなるでしょう。
手すりをつけたり、スロープで段差を無くしたり、万が一に備えリフォームも視野に入れて考えてみると良いですね。
竹内
また、在宅で介護をしていると、病院へ行ったりデイサービスへ通ったり、介護者が移動する場面というのは案外多いものです。自宅内の移動だけでなく、外出する際必要なものは以下の通りです(介護レベルによって変わります)
- 車椅子
- 歩行器
- 杖
介護用品はレンタルできるものばかりなので、利用すると良いですね!
高桑
在宅介護に最低限必要な知識
介護が必要となった時、
『施設を利用するか』
『在宅で介護するか』
ご家族は迷われますよね。介護は大変・辛いというイメージが強く、事実として介護者の負担は想像以上に、肉体的・精神的にも辛く大変なものです。
上記では準備するものについて解説し在宅介護のイメージをしていただきましたが、実際介護をするにあたり『準備するもの』以上に、『介護の知識』は必要です。
というのも事前に在宅で介護する時の知識を知ることで、被介護者の安全を守ることにも繋がりますし、あなた自身(介護者)を守ることにもなります。
詳しく解説していきますね!
高桑
介護は一人で行わない。協力者を作る!
「介護の知識についての話なのに、協力者を作る?」
そんな疑問を感じる人もいるでしょう。
断言できることは、介護は、一人で全て行うことはできません。
いくら親とはいえ、介護をするということは肉体的にも精神的にもとても大変なことなのです。体の不自由な高齢者がいるというのは、常に精神的な緊張状態が続くということです。先の見えない介護に虚無感を感じ、うつ病を発症してしまう人もいます。
「介護うつ」という言葉まであるくらいですから、介護者であれば誰でもなり得る可能性があります。
「頼れる身内はいない」
そんな人もいるかもしれませんが、何も協力者は身内だけではありません。
- ケアマネージャー
- ホームヘルパー
- 訪問看護師
もいますし、在宅で24時間介護をするのは、介護する側・される側にとってストレスになりますので、デイサービスなどの施設をうまく利用するのも一つの手です。
一人で頑張ろう!とするのではなく、協力者を作ると心強いですよね!
竹内
高齢者の体の変化について知っておく
夏になると毎年のようにニュースでは、高齢者の熱中症について取り上げられます。
冬になるとヒートショック で亡くなる高齢者はあとを絶ちません。
高齢者は体温調整機能が衰えたり、急激な温度変化に体が耐えられなかったりします。
- そういった知識があるかないか?
- 体温調整がうまくできない高齢者に対して気をつけることは何なのか?
- 入浴による急激な温度変化を避けるために、気をつけることは何か?
など、介護に関する知識や高齢者の体について知ることはとても大切です。
書店に行けば介護に関する本は沢山販売されていますので、読むことをオススメします!
竹内
まとめ:『在宅介護に準備するもの』介護する側・される側を守る最低限必要な知識とは?
在宅での介護が始まる前に、準備できるものは準備して、必要な知識を取り入れることで「こんなはずじゃなかった」「こんなに大変だと思わなかった」という後悔は最小限に減らせるのではないでしょうか?
祖母の介護が始まる前、実家の母も福祉用レンタルで介護用品を借りたり、万が一に備えた準備をしていました。
高桑
介護する側・される側にとって、介護生活が少しでも快適であり安全であるように、今回の記事が参考になれば嬉しく思います。
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竹内
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