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老後の一人暮らし|おひとりさまの生活費や必要な資金は?

 

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

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日本において、一人暮らしの高齢者は、年々増え続けており、今やその数、700万人以上とも言われています。老後を一人で迎えることへの不安を感じる人も多いのではないでしょうか?

 

老後の生活に対する不安には、医療問題、介護問題などさまざまなものがありますが、これらは突き詰めて考えれば、経済的な問題にいきつきます。

そこで、今回は、老後の一人暮らしにかかる生活費や必要な資金について考えてみたいと思います。

増え続ける高齢者のおひとりさま

核家族化、高齢化が進んだ現代の日本では、老後一人暮らしをする”高齢者のおひとりさま”が増えています。

 

内閣府が発表した「令和2年版高齢社会白書」によると、65歳以上の一人暮らしは男女ともに、増加傾向にあり、今後もさらに増えるという予測結果となっています。発表されたデータによると、65歳以上で一人暮らしをしている人は、1980年には約88万人でしたが、それが2000年には約303万人、2015年には約593万人になり、2020年の推計値は約702万人で、その後も増え続けると推測されています。

 

ちなみに2015年のおひとりさま高齢者約593万人のうち、男性が約192万人に対し、女性は約400万人と男性の倍になっています。女性の方が男性に比べて平均寿命、健康寿命とも高いこと、身の回りのことを自分でこなせることがこのような数字に現れているように思われます。

 

また、65歳以上の人口に対して一人暮らしの者が占める割合は、男性で13.3%、女性で21.1%となっており、人口比も年々高くなる傾向に。

 

生涯独身というケースだけでなく、結婚していたとしても離婚や死別で将来おひとりさまとなる可能性はありますので、多くの人にとって他人事ではない問題と言えるでしょう。

退職後のひとり暮らしにはどのくらいのお金がかかる?

老後、不安なことといえば、やはりお金の問題は外せません。おひとりさまの場合は頼れる配偶者や家族がいない分、切実な問題です。退職後の一人暮らし世帯の場合、1ヶ月の生活費はどのくらいかかるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

 

総務省の「家計調査報告 家計収支編 2018年平均結果の概要」によると、無職の60歳以上の高齢者の一人暮らし世帯の消費支出の月平均額は、14万9,603円。直接税や社会保険料である非消費支出である1万2,392円を合わせると、毎月の支出合計額は16万1,995円となります。

老後のひとり暮らし 生活費の内訳は?

では、具対的に生活費の内訳はどうなっているのか、16万1,995円の内訳を項目別に表にまとめてみましたので、ご覧ください。

60歳以上の一人暮らし無職世帯の生活費内訳
項目 項目詳細 金額(円) 構成比
消費支出 食料 36,378 24.3
  住居 18,268 12.2
  光熱・水道 13,109 8.8
  家具・家事用品 4,780 3.2
  被服及び履き物 3,766 2.5
  保健医療 8,286 5.5
  交通・通信 14,405 9.6
  教育 0 0
  教養娯楽 17,082 11.4
  その他交際費・雑費など 33,528 22.4
  消費支出合計 149603  
非消費支出 直接税 6,359  
  社会保険料 5,990  
  非消費支出合計 12,392  
消費支出+非消費支出   161995  

 

毎月の生活費の中で最も多いのは食料に対する支出で、金額にして36,378円、消費支出の約4分の1を占めます。次いで、住居12.2%、交通・通信11.4%となっています。

 

しかし、ここで注意してほしいのが、住居に対する支出です。金額にすると18,268円。これは、あくまでも平均支出額なのですが、持賃貸の場合は、この金額では難しいので、4~5万円追加で必要になると考えておいた方がよいでしょう。

退職後のひとり暮らし、年金だけでは赤字になる?

次に、一人暮らし高齢者の月々の収入を見てみましょう。先ほど紹介した総務省の「家計調査報告 家計収支編 2018年平均結果の概要」によると、2018年の無職の60歳以上の高齢者の一人暮らし世帯の収入は、12万3,325円。この内訳の93%が年金です。

一方、月々の支出合計金額は、16万1,995円。

毎月の収支

123,325円ー161,995円=▲38,670円

単純にこれらのデータを使って、毎月の収支を見ると、月々38,670円の赤字になってしまいます。

もらえる年金額を調べる方法

このような数字を見ると不安になってしまう人が多いと思いますが、これは無職の60歳以上の高齢者の一人暮らし世帯の収支を平均値からみたもので、年金の金額は個人差が大きいので、必ずしも赤字になるとは限りません。

 

国民年金だけの場合であれば、2018年度末現在、平均年金月額は56,000円ですが、厚生年金受給者であれば、平均年金月額は 14 6,000円。(出典:厚生労働省年金局 「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 」)

 

厚生年金受給者であれば、平均値よりも多くの年金を得ることができますし、逆に国民年金だけの場合はこの平均値よりも受け取る年金はかなり少ないものになります。また、厚生年金は、納付月数だけでなく、収入によって受給額が異なりますので、個別に計算する必要があります。

 

さらにいえばこれらの数字は2018年現在、年金を受け取っている方の平均値ですので、今後、金額の改正や受給開始年齢が変更される可能性があることも考慮する必要がありそうです。

自分が将来受けとる年金の金額が知りたい方は、日本年金機構の「ねんきんネット」を活用してみてください。

「ねんきんネット」は、インターネットを利用して、自分が受け取れる年金の金額を確認できるサービスです。自分の年金記録の確認と将来の年金見込額の試算ができますので、老後の資金計画を立てるのに役立ちます。

おひとりさまの老後の資金はいくら必要か?

『老後の資金として2000万円が必要』という金融庁のレポートが一時期話題になり、不安になった方も多いと思います。

 

数字だけが一人歩きしている感がありますが、この2,000万円の根拠になっているものは総務省の家計調査報告の数字をもとに高齢夫婦無職世帯の平均値を計算したもののようです。2018年度の総務省の家計調査報告を活用し、65歳のおひとりさま高齢者が90歳までに必要な老後資金を計算してみると以下のようになります。

家計調査報告のデータから計算した月々の赤字

123,325円ー161,995円=▲38,670円

65歳から25年間の間、上記の赤字をカバーするために必要な金額

38,670円×12ヶ月×25年=11,601,000円

上記の計算によるとおひとりさまの場合、最低でも約1,160万円の老後資金が必要なことがわかります。

 

ただし、この数字は、1160万円を貯めればそれで十分ということを示すものではありません。また以下の点に留意する必要があります。

  • 上記の計算の根拠となる支出において住居に関わる支出は18,268円しか計上されてないので、家賃を払わなければならない場合は、毎月4~5万円の支出が加算される
  • 上記の支出には、介護のための費用や住宅リフォーム費、大きな手術をした場合の医療費、葬儀やお墓に必要なお金などは含まれていない

 

また、上記の計算の根拠となる収入は、年金に頼るところが大きいのですが、年金受給額は、国民年金だけの場合と厚生年金も受け取れる場合では大きな開きがあります。

 

国民年金のみのケースで計算した場合は、以下のようになります。

2018年度末現在の平均年金月額56,000円で計算した場合の月々の赤字

56,000円ー161,995円=▲105,995円

65歳から25年間の間、上記の赤字をカバーするために必要な金額

105,995円×12ヶ月×25年=31,798,500円

国民年金だけの場合は、上記のように3000万円以上の老後資金が必要となる計算です。

老後も貯蓄を取り崩さずに生活している人は過半数以上

上記のような数字を見ると多くの高齢者が、毎月貯蓄を取り崩して生活しているように考えてしまいがちです。

 

しかし、内閣府が発表した「令和2年高齢社会白書」によると、60歳以上の50%以上の人が日常生活において貯蓄を取り崩さずに生活していることがわかります。

 

60歳以上の一人暮らし世帯において詳しく見てみると、「日常生活の支出で預貯金を取り崩してまかなうことがあるか」という質問に、「ほとんどない・全くない」と答えた人は57%、「時々ある」29.5%、「よくある」13.5%となっています。先に計算した老後に必要な資金は、65歳で退職し、その後働かないという前提での計算でした。しかし、実際には、65歳以上も働き続けている人は大勢いますし、生涯現役という方だっていないわけではありません。

 

老後に必要な資金は、何歳まで働きたいのか、働けるのかによって大きく変わってきます。

70代前半でも3分の1以上の人が就業

では、実際にどのくらいの高齢者が就業しているのでしょうか?

「令和2年高齢社会白書」で、年齢別の就業状況についても紹介されていますが、2019年の高齢者の就業率とその10年前の2009年の就業率は以下のようになります。

 

年齢別高齢者の就業状況

年齢 就業率(2019年) 就業率(2009年)
60〜64歳 70.3% 57%
65〜69歳 48.4% 36.2%
70〜74歳 32.2% 21.8%
75歳以上 10.3% 8.3%

 

高齢者の就業率は年々高くなる傾向にあり、65歳~69歳の方でも約半分の方は就業していますし、70代前半でも3割の人が働いていることがわかります。その背景には、健康寿命(日常生活に制限のない期間)が年々伸びていることがあります。

 

人生100年と言われる時代になりつつあります。

健康を心がけることで、70歳、80歳で現役というのも珍しくない時代になっていくかもしれません。そうなれば、60歳あるいは65歳で退職し隠居生活に入るというこれまでの定番スタイル自体を考え直さねばならなくなるのではないでしょうか?

 

まとめ:それぞれが、自分の老後の生活をイメージして、早いうちから準備しよう

老後に一人暮らしというと、心細く感じるかもしれませんが、数字に振り回されて必要以上に不安になる必要はありません。

 

とはいえ、もちろん何も考えず、何も準備もしないことをお勧めしているわけではありません。老後に必要な資金は、それぞれが求める老後の生活水準と、年金の受給金額と、何歳まで働くのかによって大きく異なってきます。

 

一度、自分の老後をイメージし、自分の理想とする老後のライフスタイルに合わせて、60歳~90歳までの収支を計算することから始めてみましょう。

  • 何歳まで働くのか?
  • どのように働くのか?(会社員を定年まで続けるのか、退職前に起業するのか、サイドビジネスを始めるのか等々)
  • 老後どのように暮らしたいのか?(都市部の家を引き払い田舎暮らしする、老人ホームに入る、長期の海外滞在する等々)

 

希望する老後のライフスタイルにより、必要になる資金も違ってきますし、必要な資金がいくらなのか大まかな数字が把握できていればそのためにどのくらいを貯蓄に回すべきなのかもわかってきます。

不動産投資や、株式投資など、会社を退職したあとも収入が入る仕組みを作っていくのも良いかもしれません。

 

平均的な数字からはあなたの老後は見えてきません。

充実した老後を迎えるためにも、まずは、自分はどんな老後を望むのかをイメージすることが、老後の資金を考える上で重要になってきます。

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