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専業主婦が熟年離婚をしようと思ったら|知っておきたい年金分割制度

 

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

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離婚したいと思っても、先立つものがなければ離婚しても大変なのは目に見えています。若い頃の離婚であれば、まだ働き先もたくさんあるのかもしれませんが、熟年離婚ともなると、再就職は難しいでしょう。

 

専業主婦はその収入を夫に頼ってきていたことから、離婚後の生活について自分で生きていけるのかどうかはとても不安ですよね。

 

そこで、専業主婦が熟年離婚をしようと思ったら知っておきたい年金分割制度について解説します。

専業主婦がもらえる年金とは

専業主婦がもらえる年金は、国民年金です。

 

国民年金とは、日本に住む20歳から60歳までが加入する年金のことです。

被保険者の種別 第1号被保険者 第2号被保険者 第3号被保険者
職業 自営業者・学生・無職 会社員・公務員 専業主婦
加入する制度 国民年金のみ 国民年金と厚生年金 国民年金のみ

参考:厚生労働省

上図のとおり、専業主婦の年金は3号被保険者となり、3号被保険者には年金保険料の納付義務がなく、配偶者が加入している年金制度が保険料を負担しますので、個人では保険料の納付義務がありません。

 

このため、加入していないと勘違いしてしまう人がいるのかもしれませんが、きちんと納付していますので年金受給はできるのです。

国民年金(基礎年金)は、日本に住んでいる20歳から60歳未満のすべての人が加入します。国民年金の支給開始年齢は65歳で、納付した期間に応じて給付額が決定します。

 

20歳から60歳の40年間すべて保険料を納付していれば、月額約6.5万円(2020年度)の満額を受給することができます。

しかし、月に6.5万円では暮らしていけませんよね?そこで離婚後に困らない年金分割制度についてお伝えいたします。

年金分割制度とは

年金分割制度は、離婚時や離婚の後に、夫婦の一方の厚生年金を分割し、他方配偶者の年金をサポートする制度です。 婚姻期間に応じて、年金が分割されます。

年金分割制度とは、平成20年(2008年)5月1日以後に離婚等をし、以下の条件に該当したときに、国民年金の第3号被保険者であった方からの請求により、平成20年4月1日以後の婚姻期間中の3号被保険者期間における相手方の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を2分の1ずつ、当事者間で分割することができる制度です。

引用:日本年金機構

年金分割制度には「合意分割制度」と「3号分割制度」の2種類があります。

ひとつずつ解説していきますね。

合意分割制度

合意分割制度は、離婚した当事者の一方からの請求により婚姻期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を当事者間で分割することができる制度です。

【合意分割制度で注意すべきこと】

  • 厚生年金のみの分割
  • 婚姻期間中の厚生年金のみの分割
  • 当事者二人の合意があること(合意がない場合は裁判によって定める)
  • 離婚等をした日の翌日から2年以内の請求

参考:日本年金機構「離婚時の年金分割」

3号分割制度

3号分割制度とは、2008年5月1日以後に離婚をし、国民年金の第3号被保険者であった方(専業主婦)からの請求により、2008年4月1日以後の婚姻期間中の3号被保険者期間の夫の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)を2分の1ずつ、当事者間で分割することができる制度です。

【3号分割制度で注意すべきこと】

  • 婚姻期間中に平成20年4月1日以後の国民年金の第3号被保険者期間中の厚生年金記録(標準報酬月額・標準賞与額)があること。
  • 当事者双方の合意は必要なし。(ただし、分割される方が障害厚生年金の受給権者で、この分割請求の対象となる期間を年金額の基礎としている場合は、「3号分割」請求は認められない。)
  • 離婚等をした日の翌日から2年以内の請求

参考:日本年金機構「離婚時の年金分割」

年金分割制度はあくまで厚生年金のみ適用されます。そして対象となる期間は婚姻期間中のみです。

結婚前、結婚後の厚生年金については適用されません。

 

例えば、夫が30歳のときに結婚し、55歳で離婚というケースでは、30~55歳までの25年の間に納めた保険料から得られる厚生年金だけが対象です。結婚前、離婚後に保険料を納めた分は分割の対象ではないのです。年金の分割とは、「婚姻期間中に納めた厚生年金の保険料の分を夫婦で分ける」ということになります。

年金分割額がどのくらいかきちんと確認すること

年金分割する割合は最大2分の1までです。主に夫婦の話し合いによって決めますが、合意できない場合は、家庭裁判所へ審判または調停の申し立てをすることになります。

 

  1. 妻が専業主婦(第3号被保険者)の場合、2008年4月1日以降の記録分については、合意なく分割でき、割合は一律で2分の1と決められています。
  2. 自営業者など、国民年金しか加入していない人では、年金分割はありません。
  3. 共働きの場合、婚姻期間中の2人の厚生年金を分けることになり、給料が多かったほうが相手に分ける形になります。

もしも夫の厚生年金がいくらかも教えてもらえない状況でしたら、夫婦であれば夫の了承がなくても、年金事務所で分割の額を教えてもらうことができますので年金事務所に問い合わせてみてくださいね。

年金がいくらくらいになるのかはこちらで確認してみてくださいね。

年金分割の手続きと期限

年金分割の割合が決まっても手続きをしないと受給されません。

 

年金事務所や街角の年金相談センターに「標準報酬改定請求書(離婚時の年金分割の請求書)」 を提出する必要があり、その期限は離婚をした日の翌日から2年です。(既に離婚が成立し、相手方が死亡した日から起算して1カ月を経過すると請求できなくなります。)

【年金分割に必要な書類】

  • 標準報酬額改定請求書
  • 請求者の年金手帳または年金基金番号通知書
  • 夫婦の婚姻期間をわかる資料(戸籍謄本など)
  • 夫婦2人の生存を証明できる書類(戸籍謄本など)

【合意分割の場合】
年金分割及びその割合を明らかにできる書類(公正証書、調停調書等)

【当事者間で合意がされている場合】
合意分割を行います。請求者は当事者2名で、合意分割の公正証書が必要。

【当事者間で合意がされていない場合】
3号分割を行います。請求者は当事者のどちらか1人で構いません。

*ただし、2008年4月以前の婚姻期間についても年金分割を行いたい場合は、当事者間で合意をした上で合意分割を一緒に行うことになります。

年金分割の手続き方法については以下の記事で詳しく解説しています。

年金分割制度成立を機に熟年離婚した専業主婦|実例ケース

ここで年金分割制度成立を待って離婚されたAさんの実例をご紹介しましょう。

 

Aさんの夫はアル中でした。お酒を飲まないときは穏やかな人ですが、お酒を飲むと暴力を振るったり、お酒に貯金を使い果たしたりするのでAさんはしだいに心身ともに病んでいきました。ずっと専業主婦だったことで収入がないし、娘を片親にするのがしのびなくて耐え忍んできたのです。

 

ところが、夫の定年時にお酒による多額の借金が発覚しました。

 

ついにAさんは離婚を決意し、お住まいの市区町村の無料法律相談に離婚の慰謝料の相談に行きました。そこで年金分割制度を知ります。その法律が成立するまではまだ時間がありました。

 

弁護士からの提案で、まずは別居を勧められます。その理由は、別居していないと離婚の意志がないとみなされるかもしれないということでした。それから暴力をふるわれたら医師からの診断書を取っておくように言われました。

 

2008年の年金分割制度が成立し、Aさんは離婚を言い渡しましたが、夫が合意しなかったために裁判になります。裁判では弁護士の提案通り、

  • 別居していたことから離婚の意志があった
  • 診断書

が決め手となり、無事に離婚が認められました。

 

夫がなかなか離婚を認めなかったために裁判には1年くらいかかりましたが、裁判所という公的機関が介入したことで、控訴はされず1審で離婚することができました。

 

離婚が認められると、年金は無事に分割されて、Aさんの暮らしは結婚当時よりは収入は苦しくなりましたが、精神的にも穏やかに過ごせるようになりました。一人で暮らすのはつらかったので娘夫婦と同居することとなり、現在では幸せに暮らしています。

 

 

まとめ:専業主婦が熟年離婚する前に考えて欲しいこと

専業主婦が熟年離婚を考えた時にまずクリアにしておかなければならないのが生活手段です。

 

年金分割制度ができて熟年離婚が増えていますが、安易に離婚を考えるとその先にとても大変なことも待ち受けています。

熟年離婚をするときには、ご自身の収入についてもよく確認する必要があります。歳をとってもできる仕事で生きていく方法を見つけることも大切です。

 

終活の仕事は年齢に関係がなく始められます。もし熟年離婚を考える専業主婦の方であれば、さまざまな選択肢を持っておくと安心ですよね。ぜひ終活のお仕事も視野にお考えくだされば幸いです。

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