生涯独身女性の生き方・終活「老後」を考え暮らしを整える方法


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
近年「生涯独身」という女性が増加しています。
価値観は人それぞれ。結婚するかしないかはもちろん本人の自由ですが、メリット・デメリットがあることも踏まえた上で、自分の人生をどう生きていくかについて考え、選択していくのが良いですよね。女性が生涯独身で生きていくためには、どのような心構えや準備が必要でしょうか。
終活も考えた暮らしの整え方についてまとめてみました。
「生涯独身」という道を選ぼうとしている人、不安や迷いがある人に、少しでも参考になれば幸いです。
「生涯独身女性」の生き方/心構え・考え方
生涯独身を意識した女性の生き方は多様ですが、心構えや考え方を知ることで、より自由に生きやすくなります。
- 独身であることを否定的に捉えない
- 一人の時間を楽しむ
- 老後も継続できることを少しずつ準備
詳しく解説していきますね。
独身であることを否定的に捉えない
近年、結婚年齢が高くなり生涯独身で過ごす人の割合も高くなっていると言われています。
結婚しない理由としては
- 理想の人と出会えていない
- タイミングが合わなかった
- 結婚するメリットを感じない
- 今の生活が充実している
- 仕事を優先させた
- 家庭の事情(親の介護など)
- 自分のペースを乱されたくない
などが挙げられますが、以前に比べておひとりさまの事情も多様化してきているようです。
生涯独身という女性が増えてきている背景には、男女平等や女性の地位向上に伴って女性が活躍できる職場も増え、働きやすくなったということもあるでしょう。仕事に生きがいを感じ家庭より仕事を選ぶ女性も増えています。一人時間を楽しみ、結婚は別次元と捉える人もいます。
働き方やライフスタイル、夫婦や家庭のあり方なども多様化し、男性も女性も「定職につき家庭を持ち子供を育てる」という今まで固定観念としてあったものが当たり前ではなくなってきています。
その反面、まだまだ一般的には 「ある程度の年齢になったら結婚するのが当たり前」という考えも根強くあり、「生涯独身」を否定的に捉える人もいます。晩婚化・未婚率上昇と言う状況の中でも、20代のうちに結婚する人が大半というのが現実としてあります。
ですから、独身でいることで無用な詮索をされて不愉快な思いをしたり、理解してもらえず心無い言葉に傷ついたり、自分が望んで選択したことであっても周囲の目を気にしてコンプレックスや引け目を感じてしまったりすることもあるかもしれません。
ですが、価値観は人それぞれです。
結婚だけが全てではありません。趣味や仕事に没頭できるのはとても幸せなことですよね。結婚しなくても、職場や趣味の友人のなかに心から信頼でき話ができる人を見つけることもできると思います。
だから「生涯独身」という選択、「結婚しない人生」を否定的に捉えず、自分軸で考え自分らしく後悔のない人生を送れるよう心を強く持つことが大事です。
完璧な人、すべて持っている人なんていません。足りないところばかりに意識を向けるのではなく、今目の前にあるもの、手にしているものを大事にして感謝の気持ちを持ちましょう。自分が置かれている今のこの現実は「今の状況」にすぎず、自分で変えていけるものです。
今後どのようになりたいか、どのように過ごしたいか、自分の気持ちを大事にしてライフプランを考えていきましょう。
1人の時間を楽しむ
独身でいることの最大のメリットは自分のためだけにたっぷり時間を使えることです。せっかくの一人時間を有意義に過ごし楽しみましょう。
好きな趣味に没頭するのもよし、丁寧にお茶を入れて静かにゆったりした時間を満喫するのも良し。旅行や美容など、気兼ねなく自己投資できるのも独身ならではです。
毎朝瞑想する、週に一度は贅沢な食事をする、お給料日にはエステに行って自分磨きをする、そう言った楽しみが心にも潤いを与えてくれて、自己肯定感も高まり幸福度が上がります。
老後も継続できることを少しずつ準備
生涯独身でいるということは老後の生活も自分で面倒見なければならないということです。ですから趣味や学びに時間とお金を使う場合も、そのための準備も兼ねて選ぶことをおすすめします。
例えば60歳まで仕事に夢中で、 辞めた途端に何もすることがなく持て余すとか、職場以外に誰も知り合いが無く家に閉じこもって孤独感に苛まれてしまうというケースもあります。
60歳になって新たな仕事に転職したり急に何か新しいことを始めるとか、新たに人間関係を築いていくことは少しハードルが高いと感じるかもしれませんよね。できれば老後も継続して楽しめることや、収入アップ、スキルアップになることも考えながら準備を始めておくのがおすすめです。
趣味と実益を兼ねられるようなものがあると良いですね。将来につながることに時間とお金を使う方が有意義に感じますし安心感につながるのではないでしょうか。
生涯独身女性の生き方/頼るべきはお金
生涯独身で生きると決めた方にとって最も大切なことは、しっかりと生きていけるだけの資金です。
- 資金の準備を計画的に行うこと
- 保険で、もしもに備えること
この2点をピックアップして解説します。
資金の準備は計画的に
生涯独身で最も気がかりなのが「お金」のことだと思います。
結婚・未婚にかかわらず誰しも老後の不安は抱えているものですが、独身だと何かあったときも自分でなんとかしなければなりません。そんな時にもしっかりと資金の準備があれば心強いですよね。頼るべきはやはりお金です。
趣味や自分の楽しみのためにお金を使うことも大事ですが、1人だから、自由だからと無計画にお金を使ってしまうことがないようにしましょう。できるだけ無駄をなくして出費を抑える工夫をするとともに、収入を増やすことも考えておくのが良いです。
スキルアップのための勉強や、リスクの少ない投資を少しずつ始めておくのも良いと思います。
ローンなどがあれば 余裕があるうちにできるだけ早く完済できるようにしましょう。
保険でもしもに備える
万が一に備えて保険に入っておくのもおすすめです。
もしも病気やけがで働けなくなってしまっても、入院費や生活費に当てることができますので不安が和らぎます。
負担が少ない掛け捨てタイプ、満期時受け取ることができる年金タイプのものなどがありますのでライフスタイルに合わせて選びましょう。
生涯独身女性の生き方/自分らしい働き方を見つけること
生涯独身を見据えた女性にとって、生涯を通してやりがいや生きがいにもつながる自分らしい働き方を見つけることも大事です。
そのために
- 目の前の仕事と人間関係を大事にする
- 常にアンテナを張りスキルアップする
ということを意識しておくと良いでしょう。以下詳しく解説します。
目の前の仕事と人間関係を大事にする
生涯独身でいるためには老後の資金をしっかり準備しておくことが必要だと言うお話をしました。
老後資金の最大の備えは、できる限り長く働くことです。元気で働けるうちはできるだけ仕事を続けましょう。そのためには今目の前の仕事に全力を注ぎ、人間関係を大事にしていくことが大事です。
仕事は1人でできるものではなく必ず人との関わりが必要です。関わる人を大事にし円滑にコミュニケーションをとっていくことはとても大事。いくら経験やスキルが高くても周囲とのコミュニケーションがうまくできなかったり信頼関係が築けないと仕事は途絶えてしまいます。日々関わってくれる人、その先にいる取引先の人、仕事ができる環境に感謝し大事にしましょう。
信頼の種を撒いておくと、将来思いがけないところから仕事をもらえたりするものです。
常にアンテナを張り、スキルアップする
世の中は常に様々な出来事がおこり変化していきます。長く仕事を続けるためには、常にアンテナを張りいろいろなことに関心を持っておくようにしましょう。さらに今の時代、一生安定の仕事はないといわれています。
必要なら取り入れていく柔軟さも大事ですし、興味があることはやってみると良いですね。新たに学ぶことでスキルアップでき、仕事の幅も広がっていきます。
とにかく間口を広げておくことはとても良いことだと思います。

生涯独身女性の生き方/人間関係・心をオープンにして気楽に人と付き合う
生涯独身という道を選んだとしても、決して孤独ではありません。周囲の人とのつながりを日頃から大事にしていれば、いざというときにも安心です。
- 近くの他人とのつながりを大事に
- いざというときに支え合える間柄を築く
この点について詳しく解説します。
近くの他人とのつながりを大事に
近くの人とつながりを持っておくといざと言うときに心強いものです。
遠くの親戚や友人よりも、日頃から顔を合わせる機会が多いマンションの管理人さんや近所のお店の人など、普段から挨拶をするなどして顔見知りになっておくと、ちょっとした時には助けてもらえたりします。
人は多くの場合、好意的で親切です。地縁を大事にし心をオープンにして気軽に付き合っていきましょう。損得ない関係に心が救われることもあります。
いざと言うときに支え合う間柄を築く
親戚や兄弟など、いざというときに支え合えるよう普段から繋がりを持っておくのも良いでしょう。
親戚や兄弟なら、お盆やお正月、法事など定期的に顔を合わせるチャンスもあるのでそう言った機会に顔を出してみてはいかがでしょう。昔からよく知る間柄なので信頼できますし、何かあった時は声をかけやすいのではないでしょうか。
趣味の仲間と定期的に交流したり、疎遠だった友人との縁を繋ぎ直すと言うのもありだと思います。学生時代の友人はライフスタイルなどの違いから疎遠になってしまうことが多いですが、再び連絡をとってみるなど積極的につながりを持ち、助け合える仲間の輪を広げておくと良いと思います。
不必要な人間関係は消耗してしまいますが、外との関わりを全て絶ってしまわず、柔軟に考えてちょっとした繋がりを持っておくのがおすすめです。
生涯独身女性の生き方/美容と健康への意識も怠りなく
女性が生涯独身という人生を有意義に生きていくためには、健康であることも欠かせません。健康は1日にしてならず。日頃から自分自身の体のメンテナンスにも気を配りましょう。
- 日頃から運動習慣をつける
- 身嗜みや美容も意識する
この2点について詳しく解説しますね。
日頃から運動習慣をつける
何はなくともまず健康でいることは最も大事ですよね。
できるだけ長く働くためにも、健康維持を意識して生活しましょう。
介護が必要になるかどうかの分かれ目は、自分でトイレに行けるだけの足腰の筋力があるかどうかです。
老いは足からとも言われます。まだまだ先のことと思うかもしれませんが、寝たきり防止のために日頃から足腰を鍛えておきましょう。
運動を日課にするなど定期的に体を動かすとか、運動を趣味にしてしまうのもおすすめです。最近はジムで体を鍛える女性も増えていますね。運動はストレス発散にもなるので一石二鳥です。
婦人科の検診を含めた健康診断も年に一度は受けるようにしましょう。
見た目の老化は心もすさむ
できれば身嗜みや美容も意識しましょう。1人でいると見た目もだんだん気にしなくなってしまいがちですが、見た目の老化は無意識のうちに心を落ち込ませる要因にもなり、さらに老け込んでしまうと言う悪循環に陥ります。
自然に歳を重ねることは素敵なことです。無理に若作りする必要はありませんが、女性として外見を整えることにも少し気を配りましょう。
健康的でいるためには、肌や爪、髪などのメンテナンスも大事です。女性は幾つになっても綺麗でいたいという願望があるものですよね。健康と美容への意識は、自分自身のモチベーションになり、はつらつとした表情や姿勢に現れていきます。
生涯独身女性の生き方/終活を考え暮らしを整える
人生とは「暮らし」や「生活」そのものです。その暮らしの拠点となる「住まい」はとても大事ですよね。
女性が生涯独身を決意するなら、やはり心から安らげる自分の「居場所」となる家をどうするかもきちんと考えたいものです。
- 終の住処を考える
- 断捨離(生前整理)をして住まいを快適に
この2点に絞って詳しく解説します。
終の住処を考える
終の住処をどうするかということも大事な問題です。賃貸住宅は身軽で良いかもしれませんが、家主の意向で家賃が上がるとか、急な立ち退きなどの憂き目にあうことも考えられます。
老後のことを考え、マンションならエレベーターは必須。スーパーや医療機関などの生活施設が徒歩圏内に整っていることが望ましいです。間取りや家具の配置など、生活しやすさを優先的に考えて整えましょう。
若い時、元気な時はなんでもないことも、歳を取ったり病気の時にはものすごく不便で負担に感じたりすることもあります。少しの段差やドアの向き、棚の高さ、寝室とトイレの動線がスムーズかどうかなど。
不便を感じるようであれば、余裕があるうちに早めにリフォームなどをしておくこともおすすめです。
断捨離(生前整理)をして住まいを快適に
1人でいても物はいつの間にか増えていくものなので不要なものはできるだけ持たないように意識し、定期的に断捨離するのがおすすめです。
万が一の時に処分が面倒なものもできるだけ残さないようにしましょう。今後必要でないものは整理して家の中を快適に整えていきます。断捨離することで、本当に必要なもの、お気に入りのものだけに囲まれた空間が整い、暮らしが快適になります。
断捨離することは、年齢とともにだんだん衰える決断力を鍛える訓練にもなります。
終活でよく使われる用語として、断捨離は「生前整理」とも言い換えられます。
今までの自分を振り返り、これからの自分を見つめ直すためにも断捨離(生前整理)に取り組むことをお勧めします。
なぜ生涯独身で居たいのか?など、過去を振り返り今を見つめることで、これからの自分のあり方に向き合うキッカケにもなることでしょう。
まとめ:生涯独身女性の生き方
独身・既婚関係なく、誰しも迎える老後のために考えておく必要があることばかりですが、独身の場合はすべて1人でやらなければならないためできる時に、早めに準備を始めていくのが良いと思います。
必要なもの、そうでないもの、優先順位などを考えてノートに書き出して長期計画を立てると良いでしょう。
老後の準備を踏まえたライフプランを考えることを「終活」と言います。
終活を始めるのに年齢は関係ありませんので、老後もできるだけ不安なく毎日を快適に過ごせるようぜひ今から始めてみてくださいね。

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竹内
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