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【成年後見人つける?つけない!?】認知症になってしまった親のこれから

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『親が認知症の診断を受けてしまった…』そんなとき、

と、戸惑われた方もいるのではないでしょうか?

 

今回は、成年後見人をつけていない親が認知症になったときの『相続や節税対策』・『家族信託』・『制度やサービス』についてご紹介します。

目次(この記事は以下の順番で構成されております)

  • 「成年後見人を付けていない親が、認知症になった場合」知っておくべきこと
  • 親が認知症になってしまった場合の「相続」について
  • 「相続の節税対策」にかわる「家族信託」について
  • 【その他のサービス】「日常生活自立支援事業」や「心託プラン」
  • まとめ:【成年後見人つける?つけない!?】認知症になってしまった親のこれから

「成年後見人を付けていない親が、認知症になった場合」知っておくべきこと

親が突然に認知症と診断された場合、多くの後見人を付けていない方が「今後の相続」や「預貯金の口座凍結」について頭を抱えてしまうのではないでしょうか。

 

ここでは「後見人を付けていない親が、認知症になった場合」について、知っておくべきことを確認しましょう。

【親が認知症になってしまった場合①】成年後見制度の選択肢は法定後見制度の一択

成年後見人には「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類の制度があります。

法定後見制度 認知症や知的障がいなどにより、既に判断能力が衰えた方を支援する制度
任意後見制度 判断能力が衰える前に、将来的に支援して欲しい人と支援内容を契約しておく制度

 

親が認知症と診断された場合に、成年後見人で利用できるのは「法廷後見制度」の一択となります。

 

最高裁で「見直し」がされたため、法廷後見人択一案から改善も期待できる

平成31年3月18日、厚生労働省の第2回成年後見制度利用促進専門家会議において、「最高裁と専門職団体との間で共有した後見人等の選任の基本的な考え方」として、次の方針が決定されました。

豆知識:平成31年の最高裁の方針
  • 本人の利益保護の観点からは,後見人となるにふさわしい親族等の身近な支援者がいる場合は,これらの身近な支援者を後見人に選任することが望ましい
  • 中核機関による後見人支援機能が不十分な場合は,専門職後見監督人による親族等後見人の支援を検討
  • 後見人選任後も,後見人の選任形態等を定期的に見直し,状況の変化に応じて柔軟に後見人の交代・追加選任等を行う

参考:厚生労働省>第2回成年後見制度利用促進専門家会議(ペーパーレス)より

上記より、今後は「親が認知症になった場合」も親族が成年後見人として選任されるケースが増えると予想できます。

 

しかし、「家庭裁判所の判断により軽度とみなされた場合」において、稀に任意後見制度を利用できる可能性もありますが、珍しいケースとなります。

【親が認知症になってしまった場合②】親の資産管理・口座が凍結される

何の対策もせずに親が認知症になってしまった場合には、親の預貯金口座は凍結されると覚えておきましょう。

 

親が認知症になった場合にも、財産は親のものです。

たとえ子どもであったとしても(また配偶者であったとしても)、勝手に使うことはできません。本人の認知症が進行していると分かれば預貯金の口座を凍結され、手続きを断られます。

 

施設や入院費といった本人のための出費だったとしても、家族が預貯金の引き出しや解約手続きはできませんし違法行為にもあたります。

 

そこで、成年後見人(法廷後見人)を選任により口座凍結の解除が可能となりますが、それは月額報酬の発生スタートです。親の財産管理や身上介護の決定権を、手放すキッカケにも繋がるともいえます。

【親が認知症になってしまった場合③】「法廷後見人の費用が高額」正当な理由がない限り後見人を途中解約はできない

成年後見人(法廷後見人)は「家庭裁判所の判断」のもとで、被後見人の財産から月額報酬を受け取り、業務を遂行することとなります。

 

この金額が、被後見人の親族やご家族にとって「高すぎる」と感じても、それを理由に後見人を途中解約はできません。

 

成年後見人の解除については、【成年後見人をやめるには】選任を解除するための理由や手続きについてでも詳しく解説しています。

【親が認知症になってしまった場合④】親の介護サービスの契約

認知症になった親の介護サービスの契約についても、解説しておきましょう。

 

身体の麻痺などといった身体上の介護のみが必要で、認知症でない場合は本人の意志で介護サービスの契約をしてサービス利用の利用を開始することができます。

一方で認知症となった場合には、本人の意志ほとんどの介護サービス契約は結べません。どんなに必要であっても、施設への入所やデイサービスの利用ができなくなります。

 

以前から介護サービスを利用していたとしても、認知症になってしまった親の口座凍結により支払いが滞ってしまうといったトラブルも想定されます。

【親が認知症になってしまった場合⑤】節税対策などができなくなる

親が認知症になってしまった場合、相続税などの節税対策ができなくなります。

 

具体的には、契約が必要な不動産の売却・資金の移動・運用などや、空き家となった自宅の売却などもできなくなります。

契約が必要となるものは、本人が自分の意志があって初めて成立するものであり、家族といえ勝手に契約することはできません。

 

成年後見制度の場合も、必要な支払いを行ったり保留となっていた遺産分割協議などをすすめることはできますが、意志決定を要する契約においては制限がかかります。

豆知識:遺産分割協議とは

遺産分割協議とは、相続が発生した場合に相続人全員で遺産の分割について話し合い合意することです。

法定相続分や遺言・公正証書の内容を中心に相続を決めます。また、異なる割合で相続分を決めることも可能です。

【親が認知症になってしまった場合⑥】法廷後見人のできること

成年後見制度のうち法廷後見人は、「法的な権利の範囲内」にて支援が行われます。

逆にいうと、法的な権利の範囲外であれば、執行権限の対象外となります。

 

法廷後見人は、「法的な権利の範囲内」とは、以下を参考となります。

強制行為
  • 施設や病院への強制的な入所
  • 手術などの強制行為  など
意思決定行為
  • 遺言書や公正証書の作成・押印
  • 結婚・離婚
  • 養子縁組   など

 

※成年後見人の役割以外となる以下のような行為はできません。

  • 介護・介助
  • 身元保証人
  • 身元引受人
  • 医療行為の同意  など

親が認知症になってしまった場合の「相続」について

認知症と切っても切り離せない、相続についても知っておきましょう。

 

成年後見人は、相続にかかわる行為も決定・契約をすることができません。

成年後見人は、判断能力が著しく低下した方の代理として、法律にかかわる行為を代行するのが役割です。判断能力がないとみなされた本人が、契約や執行などの契約にサインしたとしても法律上無効にされてしまいます。

 

代表的な相続税の対策は、事前に預金を動かしたり不動産や有価証券を売却したりすることですが、急遽親が認知症となり法廷後見人がつけば、相続税の対策は基本としてできなくなります。

 

繰り返しになりますが、成年後見人の役目はは被後見人の財産と意思決定権を守るための制度ですから、相続税などの節税対策は行えません。

不都合なケースもあるので、「成年後見制度は利用したくない」と思う方もいるかもしれません。

しかし、成年後見人制度を利用しなければ、「介護施設の利用契約」や「預貯金」などの引き出しができないために悩んでしまう方も多いのが現状です。

 

豆知識:相続税対策も認知症の方のためになるのでは?

相続税の節税対策も、被後見人のために繋がると考える方もいるようですが、結果として相続税が節税されて助かるのは相続される側(相続人・子)なので、被後見人のためのものとは認められません。

「相続の節税対策」にかわる「家族信託」について

上述した、認知症と相続税対策の問題について考えると、「成年後見人制度は、自分たち家族に必要なのか」と悩んでしまう方が多いものです。

 

この悩みを解決する対策のひとつとして「家族信託」があります。詳しく解説しましょう。

家族信託とは

家族信託とは、成年後見制度を利用せずに家庭の財産(被後見人の財産)を守る方法で、近年注目を浴びているために耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。

 

家族信託は簡単にまとめると「財産保有者が、自身の財産の管理を他の家族に託すこと」をいいます。

成年後見制度との大きく異なるポイントは以下の2つ。

  • 財産の利用方法や処分における自由度が高く、相続対策が可能
  • 相続対策を考えつつ、親の認知症などに備える対策となる

家族信託のメリット

家族信託の最大のメリットは、親の財産の管理を子に任せるための利用なので、成年後見制度と比較すると家族全体の資産用途の自由度がかなり高くなります。

 

認知症になる前に、親子間で家族信託契約の締結しておく必要はありますが、親が急に認知症になった場合にも成年後見制度を利用することなく親の財産の管理を家族間で行うことができます。

それによって、必要な売却や相続税対策が可能です。

 

とはいえ、法にかかわることであり不明瞭な点は必ず専門家に相談をし、充分に理解してから契約をとりかわしましょう。

家族信託のデメリット

家族信託のデメリットは、成年後見制度と同じように親の判断能力がある状態で契約を成立させる必要があることです。

 

委託者(親)と受託者(子)の合意によって契約が成立し、親が認知症になってしまった後には、家族信託の契約を締結することができず事前の相談・検討が必要です。

 

また「家族信託」は、契約内容を自由に決めることができるために、ときに危険も伴います。

よくあるケースが、家族信託を契約したことで「贈与税」や毎年の「所得税」が発生する場合です。

そのことを知らずに家族信託を契約してしまうと、「成年後見制度の月額報酬と変わらず費用が発生することになってしまった」という場合もあります。

 

「家族信託」や「成年後見制度」のいずれの契約を結ぶ場合も、事前に専門家に相談することをオススメします。自分たち家族にとって問題のない形で法や制度を選ぶようにしましょう。

成年後見制度と家族信託を比較

せっかくなので、成年後見制度と家族信託を図で比較しておきましょう。ぜひ、今後の参考にしてください。

 

成年後見制度 家族信託
手続き 家庭裁判所に申し立て 公証役場に契約の締結
契約のスタート 認知症と診断された後 認知症になる前
認知症になった方の資産管理 成年後見人 受託者(家族)
管理財産の範囲 全財産 任意に事前取り決めをした財産
財産管理の報告・計上 家庭裁判所への報告要 不要
信頼の確保 成年後見監督人(任意) 信託監督人(任意)
月額報酬 ・法廷後見人(必要)
・任意後見人(任意)
・不要
※ただし、贈与税や所得税がかかる場合があり

 

相続にかかわる「生前贈与」についても知っておきたい方は、生前贈与とは?110万円控除以外にどんな節税対策がある?贈与税と相続税の違いにも目を通してみてくださいね。

【その他のサービス】「日常生活自立支援事業」や「心託プラン」

「認知症になってしまった親のこれから」を考える上で、きっと役立つ

について紹介します。

日常生活自立支援事業

「日常生活自立支援事業」とは、社会福祉協議が実施している福祉サービスのひとつです。

 

認知症の方や障がいを抱える「判断能力において支援が必要な方々」が、地域で自立した生活が送れるよう、契約に基づき福祉サービスの支援を受けるものです。

 

例えばですが、認知症になり通帳の管理や契約書などの管理が不安な方に向けて、その一式を預かってくれたり、預貯金の出し入れについてサポートがあります。

事業・サービス内容については自治体・施設によって差がありますので確認が必要となります。

 

日常生活自立支援事業の利用料

「日常生活自立支援事業」を利用するためには、まず家族が社会福祉協議会にて相談をすることからスタートします。相談自体は無料ですが、サービスの利用は有料となります。

 

◇「日常生活自立支援事業」の利用料について

  • 実施主体が設定している訪問:平均1,200円/1回
  • 書類などの預かりサービス利用料金:標準月額200円程度

実施主体が定める利用料を利用者が負担することとなりますが、詳しくはお住まいの市町村の社会福祉協議会でご確認ください。

参考:厚生労働省>日常生活自立支援事業よ

日常生活自立支援事業で受けられるサービス

日常生活自立支援事業で受けられるサービスも、自治体・施設によって差が生じる場合がありますが、基本として以下のようなケースを利用する方が多いのが特徴です

 

◇「日常生活自立支援事業」のサービス利用について

  • お金の出し入れのお手伝い
  • ホームヘルパーやデイサービスなど、福祉サービスの相談・サポート
  • 通帳や証書などの保管
  • 日常生活に必要な事務手続きの手伝い  など

 

心託プラン

一般社団法人終活協議会の心託プランでも、以下のようなサービスを提供しております。気になる方はぜひご覧ください。

  • 身元保証人(保証人代行)
  • 死後事務
  • 終活相談(生活サポート)

*電話でのお問い合わせは10時〜17時(年中無休)

まとめ:【成年後見人つける?つけない!?】認知症になってしまった親のこれから

ウォーキング

今回は、成年後見人をつけていない親の認知症になった場合についてを、お伝えしてまいりました。

 

65歳以上の日本人の約5人に1人が、認知症になるといわれる人生100年時代です。いざというときに、慌てて不安に駆られないように、家族での話し合いの場を持ち自分たちの見合った選択肢を選んでくださいね。

 

自分を育ててくれた親のより良い、介護生活となることを願っております。

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