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早めの役割分担が鍵!親の介護で兄弟が不仲にならないために

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少子高齢化に伴い、介護保険制度における要介護または要支援の認定を受けた「要介護者」は増えています。

 

令和元(2019)年度末現在の要介護者は669万人となっており、平成1(2003)年度末は370.4万人、平成27(2015)年度末には606.8万人と増加に歯止めがかからない状況です。

参考:厚生労働省『令和元年度 介護保険事業状況報告(年報)』

 

要介護者が多くなれば当然、介護する方(介護者)の存在も欠かせません。

高齢者がそれぞれのケアを担う「老老介護」、一方が認知症でありながら認知症の要介護者をケアする「認認介護」の世帯も増え続けています。

 

「高齢者夫婦の双方が要介護者となってしまった場合、またどちらかが先に亡くなってしまったら」

子どもたちが介護を真剣に考えなければならない時期は、すぐそこまで来ていると言えるでしょう。

 

「介護は子ども達全員の役割」「兄弟姉妹で担うもの」と考えてはいても、大人になった兄弟姉妹それぞれの立場は異なります。

 

居住地や仕事、経済的事情などそれぞれの事情があるため、一筋縄ではいかないのが現状です。各々が自己主張を続けていれば、トラブルにつながる可能性もあります。

 

この記事では、親の介護を兄弟姉妹で担っていくために気をつけるべきポイントを、介護分担の方法や利用できるサービスなどを含めて解説します。

 

目次(この記事は以下の順番で構成されております)

  • 親の世話はそもそも誰が見るべきもの?
  • 介護は長子が担うのは古い?扶養義務とは
  • 親の介護が原因で起こりがちな兄弟間トラブル5つ
  • 介護について兄弟で話し合っておくべきポイント
  • まとめ:兄弟での介護は「親しき仲にも礼儀あり」で話し合いを

親の世話はそもそも誰が見るべきもの?

「要介護者等からみた主な介護者の続柄」内閣府:『令和2年版高齢社会白書(全体版)』より

内閣府が発表した『令和2年版高齢社会白書(全体版)』の「要介護者等からみた主な介護者の続柄」の項目によれば、「現状要介護者の介護を担うのは同居している配偶者が中心で、次いで同居の子、同居の子の配偶者」となっています。

 

しかし、配偶者が介護できなくなった場合はどうなるのでしょう。同じく同居している同居の子、同居の子の配偶者が一手に担うことになるのでしょうか。

 

同じ内閣府の調査で、55歳以上の方に介護を頼みたい方について質問したところ、男性は「配偶者」が56.9%、女性は「ヘルパーなど介護サービスの人」が39.5%が多くなっており、子どもは2位以降となっています。

介護は長子が担うのは古い?扶養義務とは

自分を育ててくれた親に対する感謝の気持ちは、ほとんどの方が持っているもの。

 

そして日本では、親の面倒は長子(長男)が見るという考え方が一般的でした。そのため特に長子は、介護についての責任感を持ち、悩むことにもなります。

 

実際のところ、親の介護は子どもの「義務」なのでしょうか。民法では、「直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある」と定められています。

 

親の介護のケースでは、子や孫と親の兄弟姉妹に扶養義務があるということになります。

 

法律上、扶養義務を放棄することはできませんし、「誰」が優先的に扶養しなければならないルールが明言されているわけではありません。

扶養義務を怠ったらペナルティーはある?

扶養の方法としては、以下の2つがあります。

 

  1. 親を引き取って同居したり、介護施設を選ぶなどのケアをする
    (引取扶養)
  2. 費用の援助など経済的な支援をする
    (給付扶養)

 

扶養義務における「扶養」とは、原則として2の経済的支援が該当します。必ずしも同居して介護をしなければならないわけではありません。

 

親が同居して介護をする1.を希望していたり、内容を認めている場合は1.も扶養と解釈できるのです。

 

「義務」の言葉があるため、「扶養できない場合に法律違反となるのではないか」と考えてしまう方もいるかもしれません。しかし「扶養義務」は解釈が難しい部分もあります。

 

というのも、民法ではあくまでも扶養する側の収入や財産や諸々の事情を鑑みた上で、「余力があれば」扶養をすることが定められているためです。

 

介護をする側が、自分たちの生活を犠牲にする必要はありません。扶養者側の収入や社会的地位などからできる範囲で行うものと定義されています。

 

当事者の間で「扶養」の内容を協議することが、大前提となります。解釈が異なる際は、家庭裁判所に調停を申し立てることも可能です。

 

「扶養義務」の解釈はケースバイケースです。しかし、正当な理由がなく明らかに親の介護を怠ったり、放棄していたと見なされる場合は、刑法の「保護責任者遺棄罪」にあたると判断される可能性があることも知っておきましょう。

 

介護の怠慢や放置の結果、ケガや病気、死亡に至った場合は「保護責任者遺棄等致死傷罪」が成立します。

親の介護が原因で起こりがちな兄弟間トラブル5つ

法律の上では、子どもが親のケアを行う(扶養)すると強制されてはいません。また、子どもであれば等しく、扶養義務があると定められています。

 

ここでは、親の介護で起こりがちな、兄弟姉妹のトラブルを5つ紹介します。

1.介護負担の偏りや押しつけ

「長男、長女が親を見るべきだ」「近くに住んでいるから中心的に介護してほしい」など、それぞれの立場で主張するため、兄弟姉妹間で親の介護を押しつける事態にもなるケースが多々あります。

 

物理的に、近居の子どもが介護を背負う結果となり、兄弟姉妹間の禍根になる場合もあります。

2. 介護の方針、姿勢の食い違い

親を思う気持ちは同じでも、兄弟姉妹は別の人間です。

 

介護に対する方針や家庭の事情から、意見をすりあわせるのが難しい場合があります。

 

3.文句や口だけの兄弟姉妹がいる

近距離に住んでいたり、同居したりする子どもが介護の中心となるケースは多くあります。

 

しかし、親としては久しぶりに会う子どもにいい顔をしたい部分もあるのです。親はつい遠距離に住む子どもに優しく接するなどし、実際にケアをする子どもがモヤモヤすることも。

 

また遠くに住み、介護に疎い兄弟姉妹に限って、文句や口だけは出してくるものケースも少なくありません。実際に介護を担う側の立場なら、穏やかではいられないでしょう。

4.準備やコミュニケーションの不足

高齢者は、ちょっとしたケガや病気を契機に要介護状態になるものです。介護する子ども達は準備もできず、兄弟姉妹間の意思疎通が難しいまま介護に向き合わざるを得ません。

 

また、遠方に住む兄弟姉妹に相談したくても、なかなか連絡がつかないなどコミュニケーションの不足がトラブルに発展する場合もあります。

5.親の資産などお金の問題はもめやすい

介護費用は親の資産でまかなうのが原則です。しかし、介護資金が不足する場合、どう負担するのかをきちんと話し合っておかなければ、兄弟姉妹間でもめる原因になります。

 

また、兄弟姉妹の誰かが親の資産を管理する際も、しっかりルールを決めておかなければ関係悪化につながってしまいます。

介護について兄弟で話し合っておくべきポイント

兄弟姉妹間のトラブルやもめごとを起こさないためには、親の介護の方針や具体的な内容を話し合う必要があります。

 

難しい問題も多いですから、1度で決めようとせず、お互いが当事者として何度も話し合うことが大切です。

介護の中心人物を決める

実際の手続きや、関係各所に連絡する窓口となるキーパーソンを決めておきます。「介護プランを練る」「ケアマネジャーと打ち合わせをする」など、介護のメイン部分を担う立場です。

 

中心人物に介護を背負わせるのではなく、他の兄弟姉妹が負担する事柄も具体的に決めておくことが大切です。

 

公的なサービスの利用はもちろん、各々の勤務先の福利厚生制度を活用し、介護休暇を取るなどしてメインの人間のフォローを考えましょう。

 

親の経済状況や親のこと

介護にはお金がかかります。親の貯金や財産はどのくらいあるのか、管理の方法などを適宜話し合っておきましょう。

 

もし、別途費用がかかる場合の負担方法も、考えておくとなおよいでしょう。

 

介護の方針を話し合う

介護施設の利用を含め、公的制度や介護サービスなどの活用方法をきちんと話し合います。

 

兄弟間での連絡方法を決めておく

 

メールや電話など、要件によって連絡する方法を決めておきます。また、必ず返信することも約束しておきましょう。

 

遠距離介護を担う方たち向けの、有料情報管理ツールの利用もおすすめです。

 

決めた事柄はきちんと記しておく

エンディングノートなど、親や親の介護についてきちんと記しておいてもらうのも重要です。

 

親の友人知人、生活について知っておく

できれば要介護状態になる以前から、親の生活リズムや人付き合いについて把握しておくことをおすすめします。

 

さらに、どんな介護や老後のあり方を希望しているのかも聞いておくようにします。終活について話をしておくと役立ちます。

 

介護の知識を学び、兄弟姉妹と共有を

介護や利用できるサービスを調べておくのも◎。

 

特に遠距離介護では、さまざまな見守りグッズが登場しています。GPS位置情報サービスやカメラなどの情報機器を味方につけ、介護に役立てていきましょう。

 

このサイトを運営する一般社団法人終活協議会が提供する『心託(しんたく)ワンストップ・サービス』でも、ご家族様の代行に対応しています。ぜひご活用ください。

 

*電話でのお問い合わせは10時〜17時(年中無休)

介護費用が不安がある時は

できれば早い内から、兄弟姉妹間で介護貯金を始めておくのも手です。またどうしても費用負担が難しい時は、生活保護など制度の活用も検討します。

 

ただ、生活保護制度は必ず受けられるとは限りません。またある程度条件を満たしたり、他の公的支援が受けられないなど考慮すべき点もあります。

 

まとめ:兄弟での介護は「親しき仲にも礼儀あり」で話し合いを

同じ環境で育ち、価値観も近かった兄弟姉妹。それぞれ独立し、実家を離れたことで置かれた立場も異なります。親の介護において対立する点も出てくるかもしれません。

 

けれども、親を思う気持ちには変わりはないはずです。

 

丁寧な話し合い、密なコミュニケーションを欠かさずに、時間をかけて協力体制を築きましょう。

情報を共有、各々役割分担をして親の介護を兄弟姉妹で乗り切っていきたいものですね。

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