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本当に介護離職しかない?親の介護と仕事を両立させるためにできること

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日本では出生率の低下など少子化が進む一方、人口に占める高齢者の割合は増え続けています。

 

中でも第二次世界大戦直後に生まれ、国の高度成長支えた団塊の世代が後期高齢者なる「2025年」はすぐそこまで迫っています。

 

団塊世代は第一次ベビーブーム(1947年~1949年)といわれ、人口が多いことでも知られています。

 

団塊世代の高齢化が進む中、介護を担うであろう団塊ジュニア世代は40代から50代の働きざかりでもあります。

 

仕事でも重責にあり、なおかつプライベートでも介護も担うというのは、なかなかにハードです。また介護は人間対人間で行うものですから、想定外のハプニングやトラブルも多くなるでしょう。

 

介護の負担が仕事に支障をきたし、時間や体力、精神力が削られてしまうといいます。結果として仕事を辞めざるを得なくなった例も少なくありません。

 

しかし、介護する側も生活していかなくてはなりませんので、仕事を辞めると、経済的にも行き詰まる結果につながります。

 

仕事を辞めず、介護をしながら仕事も続けるために気をつけるべきポイントはどんなことなのでしょうか。両立させる上で知っておきたい情報や心構えなどを解説します。

目次(この記事は以下の順番で構成されております)

  • 介護で仕事を辞めるデメリットは大きい
  • 介護離職によるデメリット
  • 介護離職にはメリットもある
  • 介護で仕事を休む場合に利用できる制度
  • 親の介護で仕事を辞めないための6つのこと
  • まとめ:介護も仕事も1人で抱え込まず、制度を利用しよう

介護で仕事を辞めるデメリットは大きい

家族を介護するため、会社を辞めることを介護離職といいます。

 

国民の働き方の実態を調査する総務省の『平成29 年就業構造基本調査』によると、調査の過去1年間に「介護・看護のため」前職を離職した人は9万9000人(前職を離職した人の1.8%)となっています。

 

この調査は5年ごとに実施されるもので、前回の平成24 年と比べて横ばい状態です。また男性2万4000人に対し、女性は7万5000人と圧倒的に多く、約8割を占めています

 

大切な家族を介護するため、仕事を辞めるというのも選択肢の1つです。ただ、仕事を辞めたことが、必ずしもいい結果につながらない現状があります。

 

介護離職によるデメリット

介護と仕事の両立に悩み、仕事を辞めることが頭をよぎるのは無理のないことです。実際に介護離職をした場合、次のようなデメリットが生じると予想されます。

 

1.経済的な柱を失う

一番大きなデメリットは、収入源をなくすことでしょう。これまでの貯蓄を切り崩すことも考えられ、介護する側の老後資金などが目減りする可能性もあります。

 

また雇用形態によっては、将来受け取る年金額が減ってしまう可能性もあります。特に介護は「いつまで」といった期限がありません。復職をしようにも、計画しづらい現状があります。

 

おひとり様なら自身の老後が心配になるでしょう。また家族がいる場合はローンや教育費などへの影響も考えられますから、離職は自分だけの問題にとどまりません。

 

2.キャリアが途絶える

ある程度蓄えもあるし、親を介護する一時期だけ仕事を辞めようと考える方もいるでしょう。

 

しかし、40~50代での再就職は想像以上に険しいです。努力して得たキャリアを手放すと後悔するかもしれません。

3.時間に余裕がなくなる

納得して仕事を辞め、親の介護に専念する時間は取れるようになるでしょう。在宅介護の際は、ほぼつきっきりで親のそばにいることになります。

 

介護の時間はあっても、自分の時間がなくなり、親子共倒れとなるケースも報告されています。

3.精神的な負担が増え、ストレスがたまる

仕事を辞め介護に専念すると、親以外の人とかかわる機会が激減し、社会から取り残されたような孤独を感じる可能性があります。

 

介護者が孤立した結果、精神的に追い込まれるケースも多いのです。リラックスする時間が取れずに介護うつに追い込まれる人も。

 

 

介護のストレスだけでなく、仕事を辞めて自分の将来が見えないことへの不安がダメージとなる場合もあります。

4.疲れが取れず、肉体的にも負担が増加

要介護の度合いにもよりますが、夜間の排せつなど、昼夜問わずのケアが必要になる場合もあります。

頻繁に起こされ、眠れない状態になる介護者も少なくありません。

 

疲れが取れず、肉体的にも負担を抱えてしまう介護者もいます。

介護離職にはメリットもある

親の介護のために仕事を辞める介護離職は、収入源などデメリット面が大きいのも事実です。一方、メリットも存在します。

 

1.介護だけに集中し、親の気持ちに寄り添える

多忙な毎日の中、介護と仕事、どちらも中途半端にしかこなせないというストレスはなくなります。

 

親にじっくり向き合い、丁寧なケアができる点はメリットでしょう。

 

2.仕事と介護の調整に悩まなくて済む

同僚や上司などへの後ろめたさを感じながら、介護のために休みを取得していた人もいるでしょう。

 

介護と仕事をどうやりくりするかを考える毎日から解放されますので、精神的にも楽になるでしょう。

 

3.介護費用を軽減できる可能性も

仕事をしながらでは、どうしても介護に時間を割けない場面も出てきます。さまざまな介護サービスに頼らざるを得ないのが実情です。

 

自ら介護を担うことで、介護サービスの利用も減らせ、コストも軽減できる場合もあります。

 

介護で仕事を休む場合に利用できる制度

介護離職には、メリットもデメリットもあります。介護者それぞれで、メリット・デメリットに対する考え方は異なる部分はあるかもしれませんね。

 

ただ、親の介護のために仕事を辞めて後悔はないでしょうか。

 

親の介護は一時期でも、介護者の人生はさらに続いていきます。将来への視点を忘れずに、まずは仕事と介護の両立を考えることをおすすめします。

 

両立には介護休業や介護休暇を利用しよう

働く人が育児や介護などの理由で休みを取る権利は、育児・介護休業法という法律で保証されています。「介護休業」「介護休暇」を利用し、家族を介護するために休みが取れる制度となっています。

 

目的は同じですが、制度の対象となる労働者、取得日数、申請方法などの手続き、雇用保険の給付などで違いがあります。

 

介護休業 介護休暇
対象となる労働者 要介護状態対象家族を介護する男女の労働者(日々雇用を除く)

※パートやアルバイトなどは申し出時に入社1年以上、取得予定日から起算して、93日を経過する日から6か月を経過する日までに契約期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと

要介護状態対象家族を介護する男女の労働者(日々雇用を除く)

※労使協定を締結している場合は、入社6ヶ月未満、1週間の所定労働日数が2日以下は対象外

対象となる家族 配偶者 (事実婚を含む) 、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫 介護休業と同じ
取得できる日数 対象家族1人につき3回まで、通算93日まで

3回まで分割取得可能

対象家族が1人の場合は、年5日、2人以上の場合は、年10日まで
手続方法 書面等で休業開始予定日の

2週間前までに申請

 

書面に限定せず、口頭での申出も可能
経済的支援(給付金など) 支払われない(就業規則による)※雇用保険の被保険者で一定の要件を満たす場合は、雇用保険から介護休業給付金が支給される 支払われない(就業規則による)

 

雇用条件によって異なる部分がありますので、厚生労働省(厚労省)の以下リンク先を参照ください。勤務先の担当者に尋ねてみてもよいでしょう。

 

親の介護で仕事を辞めないための6つのこと

介護休業制度の利用に加え、心がけや工夫次第で仕事と介護の両立は可能です。介護離職を回避するためのポイントを6つご紹介します。

 

1.職場に介護中であることを伝え相談する

介護中は会社の欠勤、遅刻や早退をせざるを得ない場面が増えるでしょう。

 

当然ながら、職場の同僚や先輩、部下などに協力をお願いする機会が出てきますので、「迷惑をかけている」気がして、1人で問題を抱え込んでしまいがちです。

 

しかし、事情を知らなければ、「いつも会社を休んでいる」=「やる気がない」と判断されることもあるかもしれません。

 

介護は今や社会問題です。少子高齢化が進む日本では、誰もが介護者となる可能性がありますので、思い切って相談し、協力をあおぐのが先決です。

 

逆に、誰かが育児や介護などと仕事の両立に悩んでいる場合、今度は率先して協力してあげる気持ちも大切です。部署や職場全体で取り組んでいく課題だといえるでしょう。

 

2.自分1人で「介護」を抱えすぎない

職場への相談はもちろんですが、自宅でも介護を1人で抱え込んでしまうのはNGです。

 

「家族のことは家族で解決する」と考えるのは素晴らしいことです。ただ介護には、時間も体力も必要です。仕事もありますから、すべてを1人、もしくは家族だけで担うのには無理があるのではないでしょうか。

 

介護保険サービスを利用し、任せられる部分はプロにお願いするのがベストです。

 

サービスを利用するためには、計画書(ケアプラン)作成をケアマネージャー(ケアマネ)にお願いします。介護サービスと利用者の間に立ち、さまざまな助言をしてくれるケアマネは心強い存在です。

 

介護と仕事を両立したいなどの希望を伝え、家族の介護をマネジメントしてもらいましょう。

 

心配事や疑問などを介護の専門家であるケアマネに相談し、力を借りることも大切です。

 

3.近隣に味方をつくっておく

仕事などで親の様子がわからないときに、近所の方に自宅の訪問をお願いする機会が出てくることも考えられます。

 

近所の住人たちと良好な関係を築いておくのも、重要なポイントとなります。

 

親と同居・近居では日常的なご近所付き合いがあるのも自然ですが、遠方に住む方では、帰省の際に挨拶し、可能であれば親の現状を伝えておいてもいいかもしれませんね。

 

4.必要以上に思いつめない

要介護となった家族を大切に思うのは当然です。しかし、介護者にも生活があります。

 

ケアをする側がしっかりと生活基盤を持っていてこその介護なのです。

 

介護者が心身ともに健康でいるためには、介護から離れることも重要です。趣味や息抜きの時間を設け、リラックスすることも忘れずに、「ほどほど」の介護を心がけます。

 

5.介護保険申請などを視野に入れておく

介護保険の申請はできるかぎり早めに手続きを行い、要介護認定前からスケジュールを立ててておくといいでしょう。

 

早めに手続きに入るには、日頃から親とコミュニケーションを取っておくことが重要になります。

 

老後や介護の話はしづらいものですが、元気なときに話しておくと、後々親の希望通りに介護や手続きを進めることが可能になります。

 

6.介護や労働関連の相談窓口に相談する

国や自治体など、公の窓口に相談するのも1つの手です。

 

◆育児・介護休業法、仕事と介護の両立支援制度に関すること

都道府県労働局雇用環境・均等部(室)

 

◆円滑な介護休業取得や職場復帰等職場環境の整備に関すること( 社会保険労務士等の資格を持つ「仕事と家庭の両立支援プランナー」が無料で訪問支援等を行う)

中小企業のための育児・介護支援プラン導入支援事業
(厚生労働省委託事業)

 

◆介護休業給付金に関する問い合わせ先

ハローワーク

 

◆高齢者の日常生活に関する困りごとや介護に関する相談など介護についての相談はお住まいの地域包括支援センターへ

介護サービス情報公表システム

(地域包括支援センター、介護サービス事業所を検索できる)

 

◆介護に関する全般的な相談や介護保険を利用する場合の手続きなど

市区町村の介護保険担当課

まとめ:介護も仕事も1人で抱え込まず、制度を利用しよう

スタートもそしてゴールも見通せないのが介護です。

だからこそ、焦らず、思いつめずに長期戦で取り組まなくてはなりません。そして介護者が思いつめるのは、ケアを受ける要介護者にとってもよいこととは言えないのです。

 

だからこそ、仕事と介護を両立し、介護者である自分の生活も大切にしていく必要があります。

 

介護休業制度や介護保険サービスなど利用できるものは利用しつつ、すべてを1人で抱え込まないのが大前提となります。

 

会社やケアマネ、場合によっては相談機関を頼り、「がんばりすぎない」で介護と仕事の両立を目指していきましょう。

 

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