「弔電」とは何?言葉の意味や、受付会社、特有の敬称や注意点を解説


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
弔電
(読み方:ちょうでん)
- 弔電とは
- 弔電の受付会社
- 弔電の送り先、差出人
- 弔電に特有の敬称
- 弔電の注意点
- 弔電の文例
について解説します。
弔電とは
弔電とは、急な訃報に際し、お通夜や葬儀・告別式に出席できないときに、故人や遺族にお悔やみの気持ちを伝えるために送る電報をいいます。一般的に、「弔電を打つ」と言い、「お悔やみ電報」と呼ばれることもあります。
最近では家族葬が増え、お通夜や葬儀・告別式に出席できないケースもあるため、せめて弔電を打って、故人を悼みたいとの需要もあるようです。また、遠方に住んでいたり、健康上の理由で出席できない方にも便利です。
故人との親交が深く、弔意を届けたい気持ちが強いといった方は、訃報を聞いて弔電を打ったあとに、改めて香典を郵送しても良いでしょう。
日本では、1870年に東京・横浜間で電報のサービスがスタートしました。日本全国で電報が打てるようになったのは1875年頃とされています。電話のない時代、電報は遠い場所にいる相手にメッセージを届ける手段として、特にすぐにお悔やみを届けられる弔電は長い間、重要な役割を果たしてきました。
現代では日常生活で電報を使うことは多くありませんが、お通夜や葬儀・告別式で披露されるため、弔電は今でも一般に使われています。
弔電を打つのは、個人的な場面では親戚や知人の訃報を受け取った時、また職場関係であれば、取引先や同僚に不幸があった時です。会社として、社員に不幸があった時に用いられることもあります。
最近では、家族葬を選択する方が多く、その際に会葬や香典、供花を辞退されることがあります。場合によっては、弔電も辞退とされる方もいらっしゃいますので、その場合は弔電は送れません。
弔電を受け取る側の場合、他に香典や供物、供花などを受け取っていなければ、お返しは不要です。
弔電の受付会社
弔電の受付先は2021年2月現在、NTT各社をはじめ郵便局や通信系会社のほか、「ハート電報」といった民間のサービス会社もあります。
各社とも、電話やインターネットで弔電を受け付けています。電話であれば、メッセージの文面や台紙についてオペレーターに相談にのってもらえて安心です。NTT(局番なしの115)の場合は、午後7時までに申し込めば、当日中に届けてもらえます。午後7時を過ぎても、翌日には遺族のお手元に届きます。
郵便局であれば、レタックスと呼ばれるサービスで、電話(0120-953953(通話料無料))か窓口、インターネットで午後3時半までに申し込めば、当日の配達が可能です。
インターネットでは24時間の受付が可能で、先方にお送りする文面のレイアウトが画面上で確認できるメリットもあります。パソコンやスマートフォンからも手配が可能なので、外出先から弔電を打つこともできるでしょう。
各社とも、台紙に刺繍がある、漆塗り、押し花があしらわれた高級感のあるものから、プリザーブドフラワーやお線香などがセットになったタイプなど、さまざまなオプションが用意されています。
社葬の場合にはシンプルながら安っぽさのない台紙(一般的に3,000円から5,000円程度)を選ぶ必要がありますし、故人との関係性や予算を考慮して最適なものを選んでください。
弔電の送り先、差出人
弔電の送り先と差出人の書き方については、いくつか気を付けるポイントがあるので確認してみましょう。
送り先
弔電の受取人は、基本的に喪主をフルネームで指定します。
喪主がわからない場合には、「〇〇家 ご遺族様」とします。喪主ではなく、喪主の配偶者である友人にお悔やみを伝えたいなどであれば、ご友人宛てでも構いません。社葬の場合には、葬儀責任者が送り先になります。
送り先の住所は、お通夜と葬儀・告別式が行われる葬儀場や式場の所在地です。昨今はご自宅でお通夜や葬儀・告別式が行われることが少ないため、送り先を喪主の住所としないよう、注意してください。この時、会場となる場所の電話番号を記載しておくと安心です。
差出人
弔電の差出人は、氏名(フルネーム)だけでも送れます。ただ、故人との関係が遺族にもわかりやすいように、会社名や団体名、役職、場合によってはフリガナ、電話番号、住所を記載しておくといいでしょう。
特に住所があると、遺族がお礼状の手配をする時に、手間がかからないため親切です。ただし、弔電の代金がメッセージの文字数によって決まるサービスを選択していれば、すべての文字が代金に含まれます。
連名で送る場合には、目上の方から順番に名前を書きますが、人数が多いようであれば、「〇〇一同」とするといいでしょう。
社葬の場合には、差出人を自社の名前とし、代表者(社長)の名前を入れるケースもあります。
弔電に特有の敬称
弔電を打つときには、特有の敬称を使います。普段使ったり目にする機会が多い敬称は、「〇〇様」や「〇〇殿」といったものですが、弔電では日常生活で目にしない言葉があるので、ここで確認しておきましょう。
下記は、喪主にとっての故人の続柄を表します。
喪主の実夫 | ご尊父(そんぷ)様/お父様 |
喪主の実母 | ご母堂(ぼどう)様/お母様 |
喪主の夫 | ご主人様 |
喪主の妻 | 五令室(れいしつ)様 |
喪主の義父 | ご岳父(がくふ)様 |
喪主の義母 | ご岳母(がくぼ)様 |
喪主の子 | ご子息様・お嬢様 |
喪主の兄弟 | ご令兄(れいけい)様・(ご令弟(れいてい)様) |
喪主の姉妹 | ご令姉(れいし)様・(ご令妹(れいまい)様) |
弔電の注意点
弔電に関する注意点は3つあります。
1.タイミング
2.宗教による違い
3.忌み言葉
それぞれについて、詳しく見てみましょう。
1.タイミング
弔電は、お通夜か葬儀・告別式が始まる前に会場に着くように手配します。
遅れるのはマナー違反です。遅れることが分かっていれば、弔電を打つのはやめましょう。後日改めて、弔電が間に合わなかったお詫びとともに、お手紙をお送りすると良いでしょう。
2.宗教による違い
日本の葬儀の大半が仏式で行われますが、神式やキリスト教であれば、次の言葉は仏式にあたるので、使えません。
- ご愁傷様
- ご冥福
- 冥途
- 供養
- 往生
- 霊前
- 仏
- 僧
キリスト教では、「お悔やみ申し上げます」といった表現も避けた方が良いとされます。
代わりに「お慰めがありますように」といった言い方をします。
3.忌み言葉
弔電では、重ね言葉や音が不吉な言葉、直接的な生死を表す表現を避けるのがマナーです。具体的には次のとおりです。
- 重ね重ね
- たびたび
- かえすがえす
- くれぐれも
- いよいよ
- ますます
- 引き続き
- ふたたび
- また
- 四
- 九
- 死亡
- 逝去
- 存命中
- 死ぬ
- 終わる
「死」は、「永眠」といった婉曲表現に言い換えるといいでしょう。
弔電の文例
弔電の一般的な文例としては、次のようなものがあります。故人との関係や、宗教によって異なってきますが、参考にしてください。
「〇〇様のご訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げますとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。」
まとめ:「弔電」とは何?言葉の意味や、受付会社、特有の敬称や注意点を解説
弔電について、意味や歴史、弔電の受付先、送り先・差出人について、さらに弔電に特有の敬称、注意点をご紹介しました。
弔電は現代でも弔意を表すためによく使われる方法です。訃報は突然であることが多く、弔電も急に送ることになることが多いですが、送るタイミングが重要です。弔電を打つ際に、マナーを守って心のこもったメッセージを送る参考になれば幸いです。


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