ドライブスルー葬儀とは|コロナで変わる葬儀の形


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
新型コロナウイルスの影響で、葬儀に参加したくても参加できなくなった方が増えました。葬儀を行う喪主側も、呼ぶべきか悩んでしまうのではないでしょうか。
そんなコロナ渦の中始まったのが、車から降りることなく葬儀に参列できる「ドライブスルー葬儀」「ドライブスルー焼香」です。三密を避けられ、感染症対策が取りやすい葬儀として注目されていますが、高齢者や体が不自由な方が参列しやすいこともメリットの一つです。
この記事では、ドライブスルーで参列する葬儀について詳しく解説すると共に、コロナの影響で変化している葬儀の形も紹介します。
記事のもくじ
コロナで注目されているドライブスルー葬儀とは?
ドライブスルーで参列する葬儀とは、車の中から焼香や記帳などを行うことを指します。
「ドライブスルー葬儀」「ドライブスルー焼香」などと呼ばれ、感染症の心配を最小限にし、安心・安全にできる葬儀方法として注目されています。葬儀場のスタッフが焼香道具や記帳用紙などを持ってきてくれるので、参列者は車を降りることなく、焼香・合掌が行えるスタイルです。
香典を渡したり香典返しを受け取ったりも、車に乗ったまま可能です。
不特定多数の方達が出入りする葬儀場に入るのが不安な方や、体調が万全でないため参列を諦めていた方でも、安心して葬儀に参列できる方法と言えます。
ドライブスルー葬儀は2017年に長野県の葬儀社ですでに提案されていたプランで、当初は介護を必要とする方でも車の中から焼香できるようにと導入されました。まだドライブスルー葬儀に対応できる葬儀社や葬儀場は少ないですが、新しい生活様式に変わっている現状を見ると、広まっていくことが考えられます。
ドライブスルー葬儀のメリット
ドライブスルーで参列する葬儀では、コロナなど感染症のリスクを避けながら、葬儀場にて故人とお別れできるのが最大のメリットです。
他にはどんなメリットがあるか、一つ一つ見ていきます。
接触がほとんどない
ドライブスルーでの葬儀参列では、他の参列者との接触がほとんどありません。
ドライブスルーの大まかな流れは
- 車で焼香する場所に駐車する
- 香典を渡す
- スタッフが記帳や焼香道具を持ってきてくれる
- 記帳・焼香・合掌をする
- 香典返しを受け取る
となります。
他の方と接触する箇所は「焼香」くらいなので、接触が抑えられ感染のリスクを最小限にできます。
三密が避けられる
不特定多数の方が参列する葬儀では、「密閉」「密接」「密集」の心配があります。
コロナの影響があるとは言え、近所の方や近くに住む親戚は葬儀場に足を運ぶことが多いのではないでしょうか。ドライブスルーでの参列なら、葬儀場に入らないので三密が避けられます。
葬儀場でクラスターが発生したケースは少ないながらあるので、できるだけ他の方との接触を避ける方法として有効と言えます。
体が不自由な方でも参列しやすい
ドライブスルーでの葬儀参列は、当初高齢者や体が不自由な方に向けて始まりました。
葬儀の参列では、記帳や焼香で並ぶと時間がかかることがあります。
足腰に不安がある高齢者や、体が不自由な方では負担が大きく、参列をためらう理由の一つとも言えるでしょう。
車から降りずに故人とお別れができるドライブスルーなら、参列を諦める必要はありません。
喪服が必須ではない
ドライブスルーの葬儀参列では、喪服の着用が必須ではありません。
高齢者や体が不自由な方は、普段着よりも堅苦しい喪服を着るのが難しい場合があります。着替えに時間がかかったり、手伝う家族が大変だったりしますが、車の中なら洋服はほとんど見えません。
あまりにカジュアルな服装は避けたほうがよいですが、上着を黒にするだけなどの簡単な方法を選べます。
ドライブスルー葬儀の課題
感染症対策が取れるとして注目されるドライブスルーでの葬儀参列ですが、まだスタートしたばかりなので、メリットがある一方課題もあります。
従来の葬儀を長く見てきた高齢世代からは「故人の顔を見てお別れしたい」「会場に入らず、故人や家族に直接あいさつしたい」と言った声が出ています。ドライブスルーでは、焼香や合掌の時間を含めてもほんの数分なので、故人と十分にお別れできるかは難しいかもしれません。
しかしコロナウイルスの影響で、興味を持つ方が増加傾向にあります。
喪主側も、参列者に感染症の心配なく葬儀に参列して欲しい思いがあり、実際利用した方からは「思ったよりもよかった」との声が上がっているそうです。
否定的な意見がありますが受け入れる流れもあり、これから広がるサービスと言えるのではないでしょうか。
コロナの影響で変わりつつある葬儀の形
コロナウイルスの影響で様々な生活様式が変わる中、葬儀の形も変化しています。
今回紹介しているドライブスルーでの葬儀参列だけではなく、安心して葬儀を行える仕組みを紹介します。
オンライン葬儀
ドライブスルー葬儀と同様、コロナで急速に注目を集めているサービスが、オンライン葬儀です。
海外などの遠方に住んでいる方や外出が困難な高齢者や体が不自由な方が、パソコンやスマホを利用して、リモートで葬儀に参列します。実際に葬儀場に行かず、どこからでも葬儀に参加できるので、コロナなどの感染リスクはほとんどありません。
Skype・Zoom・LINEなどの映像配信サービスを利用することが多いです。
貸し切り葬
貸し切り葬とは、1日1組限定で行われる葬儀のことです。
一般的な葬儀場では、同時に何軒かの葬儀が行われるのが一般的ですが「プライバシーが気になる」「他の家族を気にせず行いたい」などの場合選ばれてきました。
コロナ渦では、人の出入りを制限できるとして、検討する方が増えています。
家族葬
家族葬とは、家族や親しい人などの少人数で行う葬儀に対して使われますが、実際は家族葬に明確な定義はありません。一緒に住んでいる家族や交流の深い親戚、親しい友人など、参列してもらう方は自由です。
小さな規模で行えるため、三密を避けることができます。
リビング葬
リビング葬とは、家族だけでリビングににいるようなゆったりした感覚で行う葬儀を指します。
葬儀場によっては、一般住宅のようにリビングや和室の部屋が用意され、宿泊することも可能です。必要以上に気遣いなく過ごせる葬儀で、参列者を呼ばないことも可能なので、感染症のリスクを抑えられます。
家族葬と似ている葬儀の形式です。
直葬(火葬式)
病院や施設など、亡くなった場所から直接火葬場へ移動し、お通夜や告別式を行わず火葬のみ行うのが直葬です。
核家族化の増加や経済的な理由などで選ばれています。コロナの影響で喪主の心配が増え、参列者への気遣いから「直葬(火葬式)」のみにしたほうがよいのではないかと考える方が増えています。
まとめ:ドライブスルー葬儀とは|コロナで変わる葬儀の形
新型コロナウイルスはさまざまな変化をもたらしましたが、葬儀の変化もその一つです。
ドライブスルーでの葬儀参列は、必要最低限の接触で行えるとして注目されています。
まだ一般的ではないものの、今後サービスの提供を開始する葬儀社や葬儀場が増えていくことが予想されます。コロナの収束にはまだまだ時間が必要なので、新しい葬儀の形への流れは進んでいくのではないでしょうか。


「終活の相談窓口」では終活に関する様々なサポートを行なっております。
竹内
- エンディングノートの書き方サポート
- 終活に関するご相談(無料)
- おひとりさまの終活サポート
終活に関するご相談は以下からお願いいたします。
無料で受けられる「終活ガイド初級」で、終活の基礎知識を学びませんか?
エンディングノートの細かな部分をしっかり理解し、”『エンディングノート』を通じて豊かな人生のお手伝いをする”やり甲斐、使命感を感じられる仕事『エンディングノート認定講師講座』については以下をご覧ください。