すぐわかる!『家族葬』とは何?どういうお葬式?について徹底解説


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
身内が亡くなり、訃報の知らせを聞いたあとに、葬儀は家族葬にすると知らされることもあるでしょう。
そもそも家族葬とは何なのでしょうか?
どういったお葬式スタイルなのでしょうか?
そこで今回は家族葬とは何か、家族葬の服装や香典、マナー、年賀状についてまとめています。家族葬についての関連記事もあわせてご覧ください。
記事のもくじ
家族葬とは
家族葬とは、字のごとく家族だけで行う葬儀のこと。一般の方の参列をお断りし、親族のみで行う葬儀です。
近年は高齢化が進み、故人の知人がすでになくなっていることや、社会とのつながりが薄くなっていることがあり、家族葬を選ぶ方が増えています。
また、感染症が拡大している時期は、やむなく小規模な家族葬を選択する場合も。家族葬だから小規模で地味だということはありません。アットホームで故人とのつながりの深い参列者のみで葬儀を行うことができるメリットがあります。
密葬との違い
家族葬も密葬もどちらも小規模な葬儀。そのため、両者の違いがわかりづらいと感じる方も少なくはないかと思います。
家族葬とは、すでにご紹介したように故人の家族や親族のみで執り行う葬儀のこと。密葬(みっそう)とは、その後に本葬やお別れ会、偲ぶ会を行うことを前提としている葬儀のこと。
ときどき有名人や芸能人の訃報ニュースで葬儀は密葬で…とあるのを目にします。故人の交友関係が広い場合は、参列者が多いことが予想され、準備が必要なのです。その前に家族など親しい遺族だけで通夜や告別式を行うのが密葬です。
家族葬の場合は、その後のお別れ会などは開催されません。
お香典は原則必要
一般葬とは少し違う家族葬。訃報のあとに、「葬儀は家族葬で行います」と伝えられると、家族そうって何? 香典は必要なの? となることもありますよね。結論から言うと、喪主から「香典は不要」と言われていない場合は、香典が必要だとお考えください。
家族葬の場合は香典を辞退するケースも少なくはありません。
その場合は必ず事前に香典を辞退する旨の連絡がありますので、何も連絡がない場合は香典を用意しましょう。きっと辞退があるだろうと思って用意しておかないと、トラブルになる可能性もあります。何も言われていない場合は、香典を用意するのが無難です。
用意する金額や相場については以下の記事で詳しく解説しています。
喪主が香典を辞退した場合は、香典を無理に渡すのはマナー違反です。香典をお渡しして故人を偲びたい、喪主のサポートをしたいというお気持ちも十分にわかります。しかし、香典辞退は故人や喪主のご厚意です。それをそのまま受け取るようにしてください。
服装は喪服
親族のみで執り行う家族葬。身内だけならカジュアルな服装でもいいのかな…と思うかもしれません。家族葬でも一般葬と同じ喪服で参列しましょう。
家族葬の参列者の場合は、準喪服です。準喪服とは、いわゆるみなさんが持っている喪服のこと。ブラックスーツ、ブラックフォーマルと呼ばれるタイプの喪服です。喪主の場合は、準喪服ではなく正喪服。正喪服とは男性であれば和装、モーニング、女性であれば和装、ブラックフォーマルです。
いくら親族のみの家族葬でも、小さな子どもは、なれない場所や雰囲気にモゾモゾしてしまうことも…。小さな子どもの場合は、着慣れた洋服で参列しても問題ありません。可能ならば落ち着いた色合いの服を。喪服をまだ持っていない未成年の場合、学生服での参列も可能。学生服がない場合は、落ち着いたトーンの私服でも構いません。大学生などで体が成長しきっている場合は、喪服を1着持っておいてもよいでしょう。
家族葬であっても、葬儀会社の方や僧侶にお世話になりますので、このように喪服着用がマナー。必ず事前に用意しましょう。
喪服を着て電車やバスに乗るのはちょっと…という方もいるかと思います。喪服を持参して葬儀場で着替えようと考える方もいるかもしれませんが、着替えができる場所は限られていますので、可能であれば自宅から喪服を着ていきましょう。
家族葬の参列者 | ブラックスース、ブラックフォーマル |
未成年の子ども | 学生服、落ち着いたトーンの私服 |
喪主 | 和装、モーニング、ブラックフォーマル |
服装についてはこちらでも詳しく掲載しています
家族葬とは|日程と拘束時間
家族葬は小規模な葬儀というイメージがあるかと思います。身内だけならば拘束時間も短く、すぐに済むのかな? と思う方もいるかもしれません。ここでは家族葬にかかる時間をご紹介していきます。
家族葬は通夜と告別式を行います
まず結論から言うと、家族葬にかかる時間は一般葬とほぼ同様で通夜と告別式を2日間にわたり行います。
【1日目:通夜】
1日目には通夜が行われます。
一般的に、夕方から開始。その後、通夜ぶるまいをする場合は夜9時ごろまで行われることがあります。一般の方の参列がない分、若干短くはありますが、基本的に一般葬と同じだとお考えください。
なお、香典が必要な場合は、通夜で渡すのが一般的です。
親族のみで行う家族葬だからといって、時間ギリギリにいくのはマナー違反です。式が始まる1時間前までに到着するようにしましょう。
【2日目:告別式】
家族葬の告別式は一般葬と同じく、通夜よりも長丁場。午前中に開始することがほとんど。火葬のあと、精進落としの食事会をする場合は、5~6時間ほどかかります。
万が一、通夜で香典を渡し忘れた場合は、告別式で渡しましょう。告別式で渡してもマナー違反とはなりませんのでご安心ください。すでに通夜で香典を渡している場合は告別式でも用意する必要はありません。
遅刻や途中退出は認められる?
仕事やどうしても外せない用事で、通夜が告別式に時間が合わない、遅刻しそう! ということもありますよね。親族だけの家族葬であれば、遅刻や途中退出は認められるのでしょうか。
家族葬であっても、遅刻や途中退出は基本的に認められていません。
家族葬をはじめ、葬儀は細かくタイムスケジュールが決まっています。そのため、遅刻者がいる場合に開始時間を遅らせるということはありません。告別式(2日目)は、火葬があります。出棺していまうともう故人のご遺体と会うことができなくなります。遅刻や途中退出はできるかぎり避けてください。
しかし、どうしても遅刻をしてしまうこともあるかと思います。その対処法を次でご紹介します。
家族葬をどうしても遅刻する場合の対処法
電車が遅延している、道が渋滞しているなどで遅刻が判明している場合は、早めに遅刻する旨を連絡しましょう。
家族葬の直前は喪主が打ち合わせなどで忙しいことがあります。喪主に電話をしてもつながらない場合も大いに考えられますので、参列予定の親族などに連絡してください。家族葬前は携帯の着信音を切っていることが考えられます。つながらなくても焦らずに、葬儀会社に連絡しましょう。
葬儀会場に到着して合流する際は、葬儀の進行の邪魔にならないようにご注意ください。室内に入るときは、一礼して目立たないようにしましょう。
遅刻の場合は用意しておいた香典を渡すタイミングを悩みますよね。受付がまだあれば通常通り受付に渡します。家族葬の場合は、受付がないことが多いですので、この場合は喪主に直接お渡ししてください。その際に、遅刻への謝罪の言葉を添えましょう。
家族葬とは|年賀状はどうする?喪中はがきについて
家族葬の場合、年賀状はどうしたらいいのでしょうか。親族のみで行う家族葬でも、葬儀後は年賀状を送らないことが一般的。その代わりに、喪中はがきを出します。
喪中(もちゅう)とは、家族や近親者が亡くなったあとに、喪に服すことです。故人の死後1年間を指しことが一般的です。
現代では喪中でも結婚式の参列をすることも多くなってきました。しかし、かつては喪中に結婚式やお祭りなど祝事への参加は禁忌とされてきました。今でも年賀状を送ることも、喪中は禁忌とされていますので、喪中はがきを用意しましょう。
どこまでを喪中とするの?
2親等以内が亡くなった場合を喪中とします。
2親等内とはなんでしょうか。次の方が亡くなった場合に喪中となりますので、ご参照ください。
- 配偶者(0親等)
- 両親、義両親、子ども(1親等)
- きょうだい、祖父母、義祖父母、孫、きょうだいの配偶者、義きょうだい(2親等)
上記の2親等以内の親族が亡くなった場合は、喪中はがきを出します。
家族葬後の喪中はがきを出す時期やマナー
喪中はがきを送る時期に厳密なルールはなく、基本的には年内に届けば問題ないとされています。
反対にあまり早ぎてもよくありません。
たとえば6月に家族が亡くなり、8月に喪中はがきを送ったとしましょう。年賀状を送るのは12月。8月に喪中はがきが届いても、そのことを忘れて12月に相手側が年賀状を用意してしまう可能性があるのです。
そのため、喪中はがきは11月中旬から12月初旬に相手方に届くように手配することが一般的。
ほとんどの方が喪中はがきを、業者に依頼します。自作することも可能ではありますが、通常のはがきではなく、弔事用の切手を使用し、デザインも喪中用を選ぶ必要がありますので、業者に頼んだ方が無難です。
まとめ:すぐわかる!『家族葬』とは何?どういうお葬式?について徹底解説
家族葬とは身内のみで行い、一般の方の参列を基本お断りする葬儀のこと。
葬儀の規模が違うだけで、拘束時間やマナーは一般葬と同様です。喪主から何も言われていない場合は、香典を用意し、喪服で参列しましょう。気ごころ知れた親族のみであっても、家族葬への遅刻や途中退出は原則として不可です。どうしても遅刻などがある場合はしっかりと事前に連絡してください。家族葬であっても年賀状は送らず喪中はがきで対応しましょう。
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竹内
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