一日葬の香典|金額の相場や香典袋の書き方、参列できなかった場合の対応


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
通夜を行わず、葬儀だけが執り行われる「一日葬」で故人を見送るケースが増えてきました。
一日葬が行われる理由はさまざまで、喪主の負担が少ないこと、遠方からの参列者が宿泊せずにすむこと、などが挙げられます。ただ、参列する側としては次のようなことが気がかりですね。
- 通夜がないから、香典の金額は一般葬と変えるべきなの?
- マナーで気をつけることはある?
- 香典は辞退すると言われたけれど、どう対応すればいいの?
この記事では、一日葬に参列するときのこのような疑問について、解説しています。香典の書き方やマナーについても書いていますので、あわせて確認してくださいね。
記事のもくじ
一日葬の香典|包む金額の相場
一般葬や家族葬とは異なり、通夜が行われない一日葬。香典の金額は、同じようにするべきなのか、少し下げるべきなのか、迷ってしまいますね。香典の相場はこのように考えてください。
通夜がないとはいえ、香典の金額を変えるようなマナーは存在しません。一般葬や家族葬のときと同じ金額を包むようにしましょう。
香典の相場は、年齢が上がるにつれて金額も上がる傾向にあります。年代別に相場をまとめていますので、参考にしてください。
香典の相場|20代
- 両親:3~10万円
- 祖父母:1万円
- 叔父・叔母:1万円
- その他親戚:5千~1万円
- 上司や同僚:5千円
- 友人:5千円
- 知人:3千~5千円
香典の相場|30代
- 両親:5~10万円
- 祖父母:1~3万円
- 叔父・叔母:1~3万円
- その他親戚:5千~1万円
- 上司や同僚:5千~1万円
- 友人:5千~1万円
- 知人:3千~1万円
香典の相場|40代
- 両親:5~10万円
- 祖父母:3~5万円
- 叔父・叔母:3万円
- その他親戚:5千~1万円
- 上司や同僚:5千~1万円
- 友人:5千~1万円
- 知人:3千~1万円
香典の相場|50代・60代
- 両親:10万円
- 祖父母:5万円
- 叔父・叔母:3万円
- その他親戚:5千~1万円
- 上司や同僚:1万円
- 友人:1万円
- 知人:1万円
香典のマナー|書き方や渡し方を確認
一日葬での香典の書き方や渡し方は、基本的に一般葬と同じです。
ただ、香典のマナーは意外と「知っているつもり」になっていて、あいまいな知識になっている部分もあるものです。いま一度、香典のマナーについて確認しましょう。
香典袋の書き方
香典は、次の場所に記入をする必要があります。
- 表書き
- 中袋の表と裏
それぞれの書き方について、説明します。
香典袋の表書きについて
香典袋は、白黒の結びきりのもの(不祝儀袋)を用意してください。
香典袋に字を書く際には、必ず薄墨の筆ペンを使いましょう。普通の濃さの筆ペンや、サインペン・ボールペンなどを使うのはマナー違反です。
表書きは、四十九日を堺にして書き方が変わります。
表書き(四十九日まで):御霊前、御香典
表書き(四十九日以降):御佛前、御香典
葬儀のときにはまだ四十九日を迎えていませんから、「御霊前」や「御香典」が正しい表書きです。名前は、フルネームで書いてください。夫婦連名の場合は、右側に夫の名前を書くのが一般的です。
香典袋の中袋について
香典袋には、中袋といって白い封筒がついている場合があります。
中袋は、表に金額を、裏に住所や氏名を書くのがマナーです。
中袋の表
包んだ金額を旧字体で書く
例:金壱萬圓也、金伍仟圓也 など
中袋の裏
左下に住所・氏名を書く
中袋の記入は、普通のボールペンでも差し支えありません。
香典の渡し方
香典袋は、必ずふくさに入れてから葬儀会場へ持参してください。
葬儀会場へ着いたら、香典は受付で渡します。このときのマナーを確認しましょう。
- 受付で記帳をすませる
- ふくさから香典袋を取り出す
- ふくさの上に香典袋をのせて差し出す
香典袋を受付の人に渡すさいには、次のようなお悔やみの言葉を添えてくださいね。
喪主が香典を辞退したときの対応
一日葬では、次のような理由から香典を辞退するご遺族もいらっしゃいます。
- 故人の遺志
- 参加者の負担を減らすため
このような場合には、無理に香典をお渡しする行為は控えましょう。
香典を辞退する場合は、葬儀の連絡をもらったさいに「御香典は辞退させていただきます」という、申し出があるはずです。葬儀当日の受付で「御香典は辞退しております」と伝えられることもあります。
香典を辞退する葬儀では、香典返しも用意していません。
「一日葬」葬儀に参列できなかったら香典はどうする?
一日葬は通夜がなく、昼間の葬儀のみが執り行われます。そのために、スケジュールの都合がつかず参列できなかった、というケースが多いのです。
そんなとき、香典はどのようにして渡せばいいでしょうか。方法は2つあります。
- 葬儀後に弔問して渡す
- 郵送する
これらの方法で香典を渡すときのマナーを確認しておきましょう。
葬儀後に弔問して香典を渡す
葬儀後でも、ご遺族に直接会って香典を渡したいと考えているなら、弔問という方法があります。
弔問とは
故人の自宅を訪問して、お悔やみを言うこと
弔問の時期は、葬儀の3日後~四十九日までが一般的です。葬儀の慌ただしさが落ち着いた後~四十九日という区切りの来る前が、ご遺族にとっても負担の少ない期間だからです。
また、弔問するさいには、必ずご遺族に日程の確認を取るようにしてください。突然の訪問は、ご遺族が戸惑ってしまいます。
他に気をつけたいのが服装です。弔問には、喪服は着ていきません。ご遺族は葬儀が終わり、日常生活を取り戻しています。そのため、平服で訪問するのがマナーです。
男性の弔問時の服装
- ジャケット+スラックス(地味な色のもの)
- ダークスーツ など
女性の弔問時の服装
- ワンピース
- アンサンブルスーツ
- 服装の他にメイクやアクセサリーも地味なものを選ぶ
香典を郵送する
弔問が難しいときには、香典を郵送するようにします。
このとき、次のことに注意しましょう。
- 現金書留で送る
- 喪主あてにする
香典には現金が入っていますので、万が一のことを考えて現金書留で送ってください。破損したり届かなかったときには、賠償してもらえます。
また、郵送であっても、現金は香典袋に入れるのがマナーです。現金だけを送るのは、控えましょう。
- 現金を香典袋に入れる
- 香典袋を現金書留の封筒に入れる
香典を郵送するさいには、お悔やみの手紙を同封するとより丁寧です。
まとめ:一日葬の香典|金額の相場や香典袋の書き方、参列できなかった場合の対応
一日葬であっても、香典の考え方は基本的に一般葬と同じということが分かりました。
時代が変わる中で、お葬式の形も多種多様になっています。どんな葬儀でも、マナーを守ってご遺族に負担をかけないことが大切です。
一日葬だけでなく、他の葬儀についても知っておきたいものですね。


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