きのうの夜、ネットで調べものをしていたら最近見かけなくなった「宮型霊柩車」どこへ行った?という東スポの記事をみつけて、おもわず読みこんでしまいました。
「そういえば、宮型の霊柩車を見なくなったな。」と妙に納得してしまったので、今日は宮型霊柩車が消えた理由と、最近の遺体搬送事情についてまとめてみたいと思います。
宮型霊柩車が乗り入れ禁止になった理由
いま住んでいる八王子のマンションは、となりにセレモニーホールがあるので、週に2~3回はお葬式をみますが、たしかに宮型霊柩車をみたおぼえがないですね。
理由をさぐっていったところ、ことしのはじめNHKの情報番組「所さん!大変ですよ」で宮型霊柩車がとりあげられ、ネットで話題になってました。
その中の街頭インタビューで、宮型霊柩車の写真をみた若い女性が、「なんだろう、お金持ちの人の車かな」「郷ひろみとか(乗っていそう)」「(何に使われてそう?)お祭りとか」というコメントにびっくり。
宮型霊柩車を知らないとは…(呆れ) pic.twitter.com/N5KKS2Uu2p
? 渡口 (@macadamin) 2016年1月21日
この世代は見たことないんですね。
宮型霊柩車をしらないとは・・・ 昭和世代にはかなしい事実でした。
*ちなみに郷ひろみはのってません。
なぜ宮型霊柩車が消えてしまったのか? その理由がこちら
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火葬場が宮型霊柩車の乗り入れを禁止しているから。
おもわずえっ!と叫んでしまいました。霊柩車が出禁ってありなの?
予想外の理由に本日2度めのびっくり。
じつは宮型霊柩車の火葬場への乗り入れを禁止している自治体は150以上になります。
「平成の初めごろから火葬場を新設する際に、自治体が周辺住民に配慮して宮型を出入り禁止にするケースが増えてきました」(一般社団法人全国霊柩自動車協会)
近隣住民から「死を連想させる霊柩車を見たくない」という苦情があるそうです。
たしかに小さいときに「霊柩車をみたら親指をかくせ」って言われてましたから、縁起のいいものではないでしょうが、条例で出禁にするのはどうかと思いました。
埼玉県では県条例で火葬場への入場が禁止されています。
宮型霊柩車の乗り入れは禁止です。(県央みずほ斎場)
ざんねんながら、個人に選択の自由はないんですね。
ほかにも宮型霊柩車をみかけなくなった理由が2つあります。
1つめは、家族葬のようにシンプルで目立たないお葬式がふえていること。
2つめは、宮型霊柩車は維持するのにお金と手間がかかること。
宮型霊柩車の取材をしているブログにくわしく書かれていました。
中古車で販売されている宮型霊柩車
また、番組内では「あの高級車が一万円で買える!? 一体なぜ?」という特集も。
維持費のわりには利用者がすくないので、オークションで競売にかけられています。
たしかに信じられない値段ですね。
てか宮型霊柩車売ってるやん!!
外車なんは残念やけど欲しいわw pic.twitter.com/9mU5MUTxrR? デコ?@例大祭 (@Deko_114514) 2016年1月28日
オークションではありませんが、こんな霊柩車をネットで見つけました。
不人気“宮型霊柩車”に大反響、存在知らない若い世代の登場に衝撃走る。 https://t.co/HEqZJznTPD コレが宮型霊柩車であります(オイ)←いや、間違っちゃいないでありますよねぇww pic.twitter.com/hrO1RhNBfW
? 訃霞 神威 (@Fugasumi) 2016年1月22日
こうして宮型霊柩車はその数を減らしていっています。
2014年の全国の宮型霊柩車の台数はピーク時の約3分の1となる770台となった。(IROIRO 2015/12/01)
海外で人気の宮型霊柩車
日本では人気のない宮型霊柩車ですが、そのゴージャスな外観からか、モンゴルをはじめとする海外では大人気だそうです。
日本で人気急落の宮型霊柩車が、モンゴルで大人気!
しかもネタとしてではなく、
「社会主義政権時代に迫害された仏教の復興(イメージアップ)に寄与している」
と言う、真摯な理由で…
「走る寺だ」
と歓迎されているとか。 pic.twitter.com/kprrpLj1HZ— 三増 紋右衛門(JAN2017) (@mon_emon) 2016年1月21日
面白いのが、モンゴルでの宮型霊柩車人気の理由が、90年代に増えたモンゴル出身の力士が帰国して
「日本には、お寺の様な霊柩車がある!」
と話題にした事だと言うんですねφ(・v・※){宮型霊柩車初渡蒙の際には、ニュースになったとか)。 pic.twitter.com/OjrKOruoE9— 三増 紋右衛門(JAN2017) (@mon_emon) 2016年1月21日
「日本ではネットオークションで1万円で投げ売りされている」
と伝えると、
「早く買わなきゃ!」
とモンゴルの葬儀会社社長。
今年も、数台の宮型霊柩車がモンゴルへ渡るそうです_φ(・v・※){関係者の方、モンゴルでの展開を視野に!)。 pic.twitter.com/kYossvs74P— 三増 紋右衛門(JAN2017) (@mon_emon) 2016年1月21日
宮型霊柩車の歴史について
誕生と歴史
霊柩車の誕生は、大正の初期(5年頃)に大阪で第1号車が作成されたというのが定説になっています。
むかしの野辺の送りが原点になり、輿~駕籠~棺車~霊柩車とかたちを変えてきました。
歴史的な霊柩車
①輿:遺体をかついで運びます。宮型霊柩車の原点です。
②駕籠:明治初期頃まで駕籠もつかわれていました。
③棺車:大八車に輿を乗せたものです。宮型霊柩車にちかづいていきます。
④昭和初期の宮型霊柩車:現在の宮型霊柩車の原点です。
霊柩車の形態
現在の霊柩車の形態は宮型・洋型・バス型・バン型の4つに分類されます。
①宮型霊柩車:関東型や関西型など地域によってデザインがちがいます。
(一般社団法人全国霊柩自動車協会より抜粋)
最近はお葬式にかける費用をおさえるために、火葬場にもバン型霊柩車でご遺体を搬送するケースもふえているそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか、きょうは「宮型霊柩車が消えた謎」についてお届けしました。
たしかにお葬式感まるだしのビジュアルですが、なくなってしまうのはちょっと寂しいですね。
宮型霊柩車にのるつもりなら、エンディングノートに書いたほうがいいかもしれません。
話はかわりますが、いろいろしらべているうちに気がつくことがありました。
霊柩車専門の会社があったり、葬儀専門の人材派遣や祭壇や備品のレンタル会社もあるんですね。
自家用車で遺体を運んでもいいのか?という相談もネットにたくさんあったので、この質問については後日あらためてまとめてみたいと思います。
今日も最後までお付きあいいただきありがとうございました!
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