「一日葬」とは何?流れやメリットデメリットについて解説


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
一日葬
(読み方:いちにちそう)
- 一日葬とは
- 一日葬の流れ
- 一日葬のメリット
- 一日葬のデメリット
- 一日葬の注意点
について解説します。
一日葬とは
一日葬とは、最近になって聞かれるようになった言葉で、葬儀や告別式の前日に行われるお通夜が省略され、葬儀や告別式から火葬までを1日で行う執り行う葬儀です。
従来の伝統的な葬儀では、思い出を語り合うお別れの儀式としてお通夜が行われてきました。お通夜は本来、1日目の夜に故人が目を覚ますことを願いながら、一晩中お線香を絶やさず故人のそばに付き添い、最期の夜を過ごす儀式です。
ところが最近は、仕事や学校などで忙しく、お通夜と葬儀から火葬までに2日かけることが難しいケースがあり、また核家族化に加え、地域とのつながりも薄くなっています。さらに新型コロナの影響もあり、葬儀を1日で終えたいという希望も増えてきました。こうした状況を反映して徐々に広まっているのが一日葬です。
一日葬は、こちらも最近多くなっている家族葬と、火葬式(直葬)の間に位置すると言えるでしょう。家族葬では、従来の葬儀と同じく2日にわたってお通夜から火葬を行いますが、参列するのが家族や近親者のほか、ごく親しい友人知人に限られます。一方、火葬式(直葬)では儀式的なことは省略され、基本的に火葬のみを行う弔いです。このように見ると一日葬が、送葬の儀式を行いながら、時間的な負担が軽減できる方法であることが分かります。
一日葬の流れ
一日葬の流れは、順番に
- 医師の死亡診断書を受け取る
- 葬儀社に連絡
- ご遺体の搬送
- 葬儀社との打ち合わせ
- 葬儀、告別式
- 出棺
- 火葬
となります。
1:医師の死亡診断書を受け取る
ご臨終となった後、医師による死亡診断書を受け取ります。死亡診断書は、地方自治体に提出して火葬許可証を取得する際に必要となります。
2:葬儀社に連絡
依頼する葬儀社が決まっていない場合には、病院に問い合わせをすると、提携している葬儀社を紹介してくれる場合があります。
病院で亡くなった場合で、自宅以外での安置が必要であれば、葬儀社の安置所に搬送を依頼します。
3:ご遺体の搬送
ご遺体を、寝台車でご自宅または安置所に搬送します。安置所によっては、先に納棺を求められる場合がありますので、必要に応じて納棺を行います。
4:葬儀の打ち合わせ
檀家になっていれば、菩提寺に故人の報告をして、僧侶の都合を確認します。
僧侶の都合がつく日程で、葬儀場の空き状況を照らし合わせ、参列者の予定を見ながら葬儀の日取りを決定します。その他に必要な事項は基本的に葬儀社に相談しながら決定できますが、不明点はその場でしっかり確認し、必ず見積書を受け取ってください。
5:葬儀、告別式
葬儀、告別式当日は、午前中にスタートすることが多いようです。ただ一日葬の場合は、仕事が終わってから参列できるように夕方からとなるケースもあります。
6:出棺
お花入れや喪主の挨拶など、お別れの儀の後に、男性の参列者が中心となって棺を霊柩車に運び、出棺です。
7:火葬
霊柩車で運ばれた棺が火葬場に到着したら、火葬となります。
一日葬のメリット
一日葬のメリットは3つあります。
①時間的な負担が軽減できる
特に、遠方からの参列者や、高齢の方がいらっしゃる場合には、2日連続で出席する負担は少なくないでしょう。
仕事や学校などで忙しい方の場合、拘束時間が短くて済むメリットがあります。
②体力的な負担が軽減できる
遠方からいらっしゃる方や、高齢の方にとっては特にまた、移動が体力的な負担となり得るため、葬儀が1日で済むメリットは大きいでしょう。
特に、寒い季節や反対に気温の高い季節であればメリットは大きくなります。
③経済的な負担が小さくて済む
2日に渡って行われる葬儀が1日になるからと言って、単純に葬儀費用が半分になることはありません。しかし、遠方から参列される方の宿泊費や、食事代、お通夜の際の僧侶へのお布施などの出費はカットできます。
お通夜を行う通常の葬儀と比較した場合、経済的な負担は小さくなると言えます。また、参列するのが家族や親族だけと少ない人数であれば、交通費の負担が押さえられる点もメリットです。
一日葬のデメリット
一日葬のデメリットは3つ考えられます。
①お別れのための時間が短い
時間的な拘束が短くて済むメリットは、視点を変えるとお別れをするための時間が少なくなるデメリットにもなります。
ただし、葬儀社によってはお通夜の代わりに、葬儀や告別式の前日にご遺体のそばで過ごせるよう配慮をしてくれるケースもあるようです。
②家族や親族の同意が得られない可能性がある
一日葬が少しずつ広がっている葬儀の形であるとは言え、地方によって、または年代によってはまだ、お通夜を省略する形での葬儀が受け入れられない可能性があります。
一日葬を選ぶ場合には、事前にしっかりと説明して、同意を得る努力が必要となるかも知れません。
③葬儀、告別式に出られない人がいる
1日で終わらせられるのがメリットの一日葬ですが、1日で終わるために日程や時間帯によっては、どうしても都合がつかず、葬儀や告別式に参列できない人が出るかも知れません。
どんなことでも同じですが、メリットがあれば、それがデメリットになることは否定できないものです。
一日葬の注意点
一日葬の注意点は、大きく3つあります。
①菩提寺との関係
檀家になっている場合には、一日葬を考えていることを相談して、一日葬への対応が可能かどうか確認しましょう。
特に仏式の場合には「お通夜から葬儀、火葬」の流れが重要視され、お通夜を省略する一日葬が認められない場合もあります。
②葬儀場
一日葬でも、安置所で枕経をお願いする場合には、枕経が可能な安置所を選ぶ必要があります。
実はどの安置所でも枕経が可能な訳ではありません。枕経の希望があれば、葬儀社に依頼する時に前もって伝えておくと安心です。
③家族や親族、参列者への配慮
通常の葬儀であれば、お通夜と葬儀・告別式の時間や場所が案内されますが、一日葬の場合にはお通夜の案内がありません。
一日葬はまだ一般的に広く知られた送葬の形ではないため、お通夜はしないこと、香典や弔電を辞退する場合にはその旨も明記しておくと、参列者が迷うことなく親切でしょう。
また、喪主や喪家が一日葬を希望している場合にも、故人の家族や親族に前もって一日葬を行うことを知らせ、同意を得ておくとスムーズです。
まとめ:「一日葬」とは?意味について解説
この記事では、一日葬について説明しました。
一日葬は、従来2日に渡って行われいた葬儀を1日で終わらせられるのが大きなメリットで、採用する人が増えてきています。ただ、伝統的な葬儀との違いを誰もがすんなり受け入れられるとは限りません。
一日葬を行う際は、家族や親戚、参列者にも十分配慮して、誰もが満足できるお別れができるといいですね。
一日葬についてご不明点や相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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