『夫婦2人』老後に必要な資金を知りたい!貯金額の目安や平均はどのくらい?


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
寿命がどんどん延びてきている日本ですが、年金支給額はだんだんと減ってきています。老後の生活のために、どのくらいの資金を用意しておくべきなのか、漠然と不安になったりもしますよね。
そこでこの記事では、政府の調査をもとに、夫婦2人の老後に必要な資金の目安についてまとめました。高齢世帯が、実際どのくらい貯金しているのかについても紹介しています。
ぜひ最後まで読んでくださいね。
夫婦で過ごす老後|資金の平均はどのくらい?
政府の家計調査で、世帯の属性別に貯蓄額を調べたものがあります。
世帯主が60代以上で2人以上の世帯を対象にした調査によると、貯蓄額の平均値と中央値は次のようになっていました。
- 平均値:2285万円
- 中央値:1506万円
貯蓄保有世帯の中央値とは,貯蓄「0」世帯を除いた世帯を貯蓄現在高の低い方から順番に並べたときに,ちょう ど中央に位置する世帯の貯蓄現在高をいう。
引用:総務省統計局「Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」
詳細を表にしてみると、次のようになります。
貯蓄額 | 割合 |
100万円未満 | 8.5% |
100万円~300万円未満 | 7.3% |
300万円~500万円未満 | 6.9% |
500~700万円未満 | 7.6% |
700~900万円未満 | 5.9% |
900~1200万円 | 8.3% |
1200~1400万円 | 4.8% |
1400~1600万円 | 4.0% |
1600~2000万円 | 7.1% |
2000~2500万円 | 7.5% |
2500~3000万円 | 6.2% |
3000~4000万円 | 8.5% |
4000万円以上 | 17.3% |
貯蓄額が300万円未満の世帯が15.8%ある一方で、4000万円以上の世帯が17.3%ありますから、老後の貯蓄額は非常に幅広いことが分かります。
(参照:総務省統計局「Ⅲ 世帯属性別にみた貯蓄・負債の状況」)
夫婦で過ごす老後|資金の目安について
高齢世帯の貯蓄額の平均値は2285万円でしたが、これはあくまでも平均値です。
夫婦で描いている老後の生活とは、どんなものでしょうか。現役時代よりもつつましい生活を送るか、同じレベルの生活を送るか、もっと豊かな生活を送るか。
老後にどんな生活を送りたいかによって、必要な資金の目安は変わってきます。
まずは老後の生活費がいくらになるか計算する
生活保険文化センターがおこなった「生活保障に関する調査(令和元年度)」では、老後、1か月に必要な生活費は次のようになっています。
- 最低日常生活費:22.1万円
- ゆとりのある生活を送る場合の生活費:36.1万円
これを目安にして、老後に必要な貯蓄額を考えてみましょう。
現在、日本の平均寿命は男性が81.25歳、女性が87.32歳、男女を合わせると84.43歳です。65歳から老後の生活が始まるとすると、老後の生活はだいたい20年ほどあることになりますね。
20年でかかる生活費は、このようになります。
- 最低日常生活費:5304万円
- ゆとりのある生活費:8664万円
(参照:生命保険文化センター「生活保障に関する調査(令和元年度)」、厚生労働省「令和元年 簡易生命表」)
生活費がどのくらいかかるか分かったところで、次は老後の収入について見ていきましょう。
老後の収入から必要な資金を出す
政府の調査によると、高齢夫婦世帯(無職)の収入は約23万円で、そこから社会保険料などが引かれるため実際に使える収入は約20万円となっています。つまり、65歳から20年での収入は4800万円程度。
生活費との収支を見ると、不足する金額は次のようになります。
- 最低日常生活費:5304万円ー4800万円=504万円
- ゆとりのある生活費:8664万円ー4800万円=3864万円
単純計算ではありますが、最低でも500万円程度、ゆとりのある生活を送る場合には3800万円ほどの資金が必要ということになりますね。
(参照:総務省「家計調査報告(家計収支編)2019年(令和元年)平均結果の概要」)
老後の資金|夫婦の年金について把握しよう
ここまでは、すべて平均的な数字を出して老後の資金についてお話してきました。しかし平均値は、あくまでも参考にするためのものです。
実際に老後を迎えて「想定よりも収入が少ない…」という事態にならないためにも、老後、夫婦合わせた収入がどの程度になるか把握しておきましょう。
政府の調査によると高齢世帯の平均的な1か月の収入は約23万円でした。この収入のほとんどは年金ですが、年金の受給額は勤務形態によって大きく変わるのはご存知ですか?
日本の年金制度を簡単に説明すると、次のようになっています。
- フリーランスや自営業の人:国民年金のみに加入(厚生年金には加入できない)
- 会社員や公務員が加入する年金:厚生年金に加入
国民年金と厚生年金では、年金の受給額にこれだけの差があるのです。
年金の種類 | 平均受給額 |
国民年金 | 5万5000円 |
厚生年金 | 男性:約16万6000円
女性:約10万3000円 |
加入している年金によって、老後のために用意するべき資金も大きく違ってくるのが分かりますね。
(参照:厚生労働省「平成30年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」)
年金の予定受給額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で調べられます。
年金の計算方法については、次の記事でも解説していますよ。
老後の資金|夫婦の支出について計画を立てよう
老後の1か月の生活費について、次のようにお伝えしました。
しかし、日常の生活費以外にも出費はいろいろとありますね。
- 住宅の維持費、リフォーム代
- 車の買い替え
- 冠婚葬祭
- 旅行、趣味
- 入院費、手術費、介護費用 など
医療費や介護費用は予測の難しい部分がありますが、その他については予算を考えてみましょう。住宅をリフォームする場合、予算はいくらになるか。車の買い替えは何回で、購入金額はいくらになるか。旅行には年に何回行って、1回の予算はいくらか。
「老後にこんな生活を送るために、これだけの資金がいる」ということが分かれば、目標がしっかりしているので貯金を継続しやすいですよ。
まとめ:老後に必要な資金を知りたい!夫婦2人の場合、貯金額の目安や平均はどのくらい?
老後、夫婦2人で暮らしていくための資金についてお伝えしました。
老後の資金は最低でも500万円、ゆとりある生活のためには3800万円が必要でしたね。
年金がどのくらいもらえるか、老後にどんな生活を送りたいかによって、こんなにも金額が変わります。
しかし実際のところは、大多数の人が「老後はゆとりある生活を送りたい」と考えているのではないでしょうか。
理想とする生活のために、老後の準備はなるべく早いうちから始めていきましょう。
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