墓じまい後の遺骨、どうすれば?主な方法をご紹介


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
- 親の死後、遠い実家に帰ることがほとんどなくなり、お墓参りにも行かなくなった。
- 仕事などで忙しくて、遠いお墓にはほとんど行けない。
- 子どもが成長して独立し、夫婦二人きりになったが、後のことは子どもたちに迷惑をかけたくない。
- あるいは跡継ぎとなる子どもがいないから、自分たちの死後はお墓を維持していくことができない、どうすればいいのだろうか。
こんな声を最近、よく聞くようになりました。そこまで深刻に悩んでいなくても、終活の一環として、お墓のことを考えてどうすればいいか頭を悩ませる人が多くなってきているようです。
そういう人たちが選んでいる方法の一つが、「墓じまい」です。
竹内
今回は、墓じまい後の遺骨をどうすればいいか?という問題についてピックアップして解説していきます。
当サイト『終活の相談窓口』では、「墓じまい」のお悩みやちょっとした疑問についてご相談を受け付けております。ご相談は完全無料ですのでお気軽にお問い合わせくださいね。
墓じまいについての記事を集めています。あわせてご覧ください!
記事のもくじ
墓じまいとは、遺骨を取り出して現在のお墓を撤去すること
墓じまいをするとは、現在のお墓から、遺骨を取り出した後、墓石を撤去して今までの自分の家のお墓のあったところを更地に。そして、墓地・霊園の管理者にその場所を返還するまでの一連を指します。
さらに墓じまいをするためには、その旨を今のお墓がある墓地・霊園の管理者に伝えるとともに、埋葬されている遺骨をどうするか、どこに持っていくかを予め決めておかないといけません。なぜなら、お墓を勝手に処分したり、遺骨を自分でお墓から取り出して移動させることはできないからです。
今後、先祖のお墓を維持できないというやむを得ない事情で墓じまいをすると決めたら、まず墓じまいしたいという意向をそのお墓に関係のある親戚や親類に伝えて理解してもらうことが第一です。
理解が得られたら、次はお墓のあるお寺の僧侶や霊園の管理者に、墓じまいをしたい旨をきちんと事情を話して了解をもらいましょう。
これで墓じまいの第1ステップが完了です。
竹内
遺骨を移す方法は、大別して5つ
その次のステップで必要なのが、墓じまい後の遺骨をどこに移すかということ。
最近の傾向では、だいたい以下の5つの方法を取る方が多いようです。
竹内
改葬 現在のお墓から、行きやすいお寺の墓所や霊園に遺骨を移葬する。
遠方にお墓があり、なかなか行けないという場合に、近くのお寺の墓所に遺骨を移葬します。
お寺は、同じ宗旨・宗派の寺院にお願いすることが多いようです。
納骨堂 遺骨を一つ一つ安置する仏壇のようなお堂に納める。
それぞれの遺骨を安置する仏壇のようになったお堂です(以下写真参照)。都心にも多く、お寺の敷地内に併設されていることも。宗旨・宗派を問わないところが多く、しかもお墓を改めて建てる必要がありません。
一般のお墓が一戸建てだとするならば、納骨堂はマンションのような集合住宅のイメージです。
ほとんどが屋内なので、いつでもお参りできるのもメリットです。
竹内
▼納骨堂については以下の記事で詳しく解説しています▼
永代供養 お寺や霊園に遺骨の管理をお願いする
永代供養はお寺や霊園に遺骨の管理をお願いします。合同墓に埋葬されることもあるので、個々にお参りができない場合も。
ただ、一度永代供養をお願いしてしまうと、後はお任せできるので、自分や家族にもしものことがあり、お参りできなくなっても安心です。
また、個々のお墓を建てなくてもいいので、費用も抑えられます。
竹内
▼永代供養については以下の記事で詳しく解説しています▼
樹木葬 木々や花が植えられた場所に、遺骨を納める。
最近、人気の高い埋葬方法です。
当初は法律に基づいて許可を得た土地に遺骨を埋葬し、墓石の代わりに墓標として樹木を植えるという形式で、2000年ころから行われるようになったと言われています。しかし現在は木や花を植えた花壇のような場所に、直接埋めたり、袋に入れて竪穴のようなところに納めて埋葬するような形式が増えています。
墓石はなく、名前を刻んだ石製のプレートを設置して、自分の親族のお墓だとわかるようになっています。
また、ほとんどの場合で宗旨・宗派が問われることはなく、清掃や日頃の供養などは管理者が行なってくれることが多いようです。
費用面では、月々あるいは年間の使用料を収めますが、30年、50年と区切って、いずれ合同墓所にまとめられるケースがほとんど。最初にまとめて永代供養料を支払っておけば、後々の心理的な負担はずっと軽くなります。
また、従来の墓地や霊園に比べて施設が簡単なため、最初の費用も抑えられます。
竹内
▼樹木葬については以下の記事で詳しく解説しています▼
散骨 遺骨を故人の希望の場所に撒く。
遺骨を故人が指定した場所などに撒く方法です。遺骨を粉状になるまで細かく砕く必要がありますし、どこにでも撒いてもいいわけではないので、注意が必要です。
また散骨の場合は、自分が好きなところに撒きたい場合、遺骨を移すのに必要な受入証明書がないため、移せなくなる可能性も。そういう場合は散骨を請け負う業者やNPO法人もあるので、そちらに問い合わせて、可能ならば受入証明書を発行してもらいましょう。
その他には、手元供養という方法もあります。これは遺骨を引き取って自宅で供養すること。手元供養をするとお墓も不要ですし、管理も必要なくなるので、心理的にも経済的な面での負担も軽くなります。また、故人をつねに身近に感じられるのもいい点。
自宅での安置前に遺骨を乾燥させるなど、湿気を除去するよう注意が必要です。ちなみに、遺骨を自宅に安置することは法律上も問題ありませんが、自宅の庭に遺骨を埋めるのは違法になるので注意が必要です。
遺骨は骨壷に入れたままでは場所を取るので、砕いて粉骨するのもいいでしょう。
竹内
▼散骨については以下の記事もあわせてご覧ください▼
墓じまいには、1ヶ月以上の準備期間が必要
どこに遺骨を移すにしても、現在お墓がある墓所、霊園の管理者からは、確かに現在こちらに遺骨がありますということを証明する「埋葬証明書」、そして遺骨を移す新しいところに確かに移しますということを証明する「受入証明書」が必要です。
この2つの書類を手に入れて、次に「改葬許可申請書」を現在のお墓はある自治体に提出。「改葬許可書」を受け取ったら、初めて遺骨を他の場所に移すことが可能になります。
いずれの場所に遺骨を移す場合でも、現在のお墓の閉眼供養(魂抜き)や、墓石の撤去、処分が必要。
さらに改葬なら、新しいお墓の墓石の手配や開眼供養、納骨といったことが必要です。このようにさまざまなプロセスがあるため、墓じまいの費用の相場は50万円から100万円程度だと言われています。
墓じまいを考える場合は焦らず、じっくりとさまざまな改葬方法のメリット・デメリットを比較・検討したいものです。
▼墓じまいにはどのくらい費用がかかる?相場と必要な手続きを教えます▼
まとめ
墓じまいを考えるとき、忘れてはならないのが、お墓から取り出した遺骨を、その後どういう方法で供養するのかということです。
多少、時間も費用もかかりますが、最も一般的なのは新たなお墓への改葬でしょう。それ以外には納骨堂や樹木葬、永代供養なども選択肢として最近は選ばれることが多くなっています。こ
ちらは全般的に費用も安く、お寺との付き合いも必要ないので、精神的にも経済的にも優しい方法です。
竹内
お墓に埋めるということ自体が煩わしいという場合は、散骨や手元供養というやり方も。ただし、散骨はどこにでも遺骨を撒いていいわけではないので注意が必要です。また、手元供養といっても自宅の庭に埋めることは違法なので気をつけましょう。
いずれの場合でも、家族がいちばん負担のかからない方法を選ぶのがいいですね。
竹内
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