エンディングノート|『葬儀とお墓』どう考える?書くべき内容や書き方


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
終活という言葉が一般化してきた中で、エンディングノートの存在にもかなり注目が集まっています。
最近は終活自体が高齢者だけのものではなく、40〜50代の中高年世代にも広がり、エンディングノートとはどういうものなのか、どんな内容をエンディングノートに書けばいいのかについての話題も、以前と比べて耳にする機会が多くなったのではないでしょうか・
今回は、そんな中でも誰もが考えないといけないお墓、関連するものでは葬儀の方法などについてエンディングノートへの記載はどうしたらいいのかを解説いたします。
エンディングノートとは、自分の今後について意思表明を記したもの
終活に向けて、自分の身辺を整理し、財産や持ち物の整理・処分方法、自身の葬儀・埋葬、そして自分のお墓についてなどを書き記した、いわば自分の意思表明といえるのがエンディングノートです。
書式は特に決まったものはないので、市販のノートでも何も問題ありません。
遺言書と違い、法的な拘束力はないので、あくまで自分の希望する事項等を、本人が亡くなった後に家族が困らないようにさまざまな覚書を残しておくというものです。
エンディングノートを書くことで、次のようなメリットがあります。
- 自分の身辺の整理を改めてすることができる
- 自分の人生を省みる機会になる
- 老後をよりよく生きることができる
- 終末期や死後について希望を明らかにできる
- 遺族が困らない
などが挙げられます。
エンディングノートについては、以下の記事一覧にまとめていますので、あわせてご覧ください。
エンディングノート|葬儀・お墓について書く理由
エンディングノートには特に、何を書かなくてはいけないかは決まっていません。
自分の回顧録にしても問題ありませんが、せっかく書くのであれば、残された家族にきちんと自身の希望を知らせ、家族が後悔のないように意思を書き記しておきたいものです。
人はだれでも死にますが、死亡の際にどういうふうにしてほしいかという希望は千差万別。
ある人は豪華なお葬式を行なって、大きなお墓を建ててほしいと思うかも知れませんし、またある人はお葬式を簡素に済ませて、お墓自体も必要なく、散骨してほしいと思っているかも知れません。
こういう希望は本人が思っていても話す機会がないものですし、改まっては家族にもなかなか話せないないものです。
そこで、こういうときのために役立つのがエンディングノートです。
エンディングノートには、お墓についてはもちろん、本人が亡くなってしまった場合にどうしてほしいかを書くと良いでしょう。
本人の死後、家族が「ちゃんと確かめておけばよかった」という後悔が少なくなりますし、記載のとおりにすれば、本人の希望どおりにできたという満足感、安堵感も得られることでしょう。
エンディングノートに記載する『葬儀』の内容
葬儀とお墓についての希望は、できるだけ具体的に書きましょう。
また、自分しか知らないことをできるだけなくす、引き継ぎを行うつもりで葬儀のための希望を書き残すと、具体的で詳しくわかりやすいエンディングノートができあがります。
葬儀を執り行う家族が困らないように以下のような項目を考えて記録、保存しておきましょう。
葬儀をするかしないか | 葬儀そのものを行うかどうか(直葬でもいいのか)はっきり意思表示を記しましょう。 |
葬儀の形式 | 一般的な葬儀、家族葬、 お別れ会など
具体的にこんな音楽をかけてほしい、こんな雰囲気にしたいなど希望があれば、それも併せて書き残しておきましょう。 |
かかる費用 | 具体的な金額(いくらくらいか)を示すのが効果的です。自分としては、このくらいの予算を思っているなどもあれば。 |
葬儀の生前予約をしていれば、その内容 | 葬儀の場所と葬儀社に希望や予約済であれば、その詳細を記しておきましょう。
生前予約については→『生前予約』葬儀の準備は生きている時から考えよう!終活とお葬式について |
遺影 | 遺族が困ってしまうもののひとつです。希望の写真を指定しておくと遺族も安心でしょう。 |
棺に入れてほしいもの | 大事にしていた趣味のもの、万年筆、写真など。もし可能であれば、1つの箱に入れてまとめておくといいでしょう。
自分が亡くなるまでに何度も中身を変更しても問題ありません。 |
亡くなったら連絡をしてほしい人 | 遺族だけではなく、家族が知らない友人や知人がいれば記しておきましょう。また余命が少なくなって意思表示がしにくくなった際に、
会っておきたい友人・知人などがいたら、それも併記しておくといいですね。 |
葬儀社 | 決まっている場合は記載、または希望について書きます。 |
喪主 | 喪主を誰にしたいか記載、そのさいは、喪主となる人に事前にお願いをするなどの配慮も忘れずにおこないましょう。 |
エンディングノートに記載する『お墓』の内容
お墓については、そもそも今あるお墓に入るのか、新しくするのかで対応がまったく違うので注意が必要です。
先祖代々のお墓を守るのかどうか意思表示する
すでにお墓を所有している場合は、(先祖代々の墓は特に)他の家族や、親族が知らない手続きなどもあるかもしれません。
墓の埋葬だけでなく、その後の管理や必要な支払い、お盆やお彼岸時のお寺へのお布施の額なども、滞りなく次の承継者が行えるように上手に引継ぎましょう。
また、終活を考え始めたタイミングで、子どもや兄弟姉妹などの承継者と一緒に墓を訪れたり、お寺の住職さんにご挨拶をして合同供養に参加したりして、お墓参りを折に触れて意識してもらうようにしましょう。
新しくお墓を設けるなら具体的に詳細を記す
自分のために新しくお墓を建てた(もしくは建てる)場合は、そのお墓の存在を必ず周囲に知らせておくことが大切です。
先祖墓があると、どちらに埋葬するのかが必ずトラブルの元となるので、所在地やどういう形式のお墓なのかなど詳細を記しておきます。
どちらに埋葬して、今までのお墓は改葬あるいは墓じまいするのかなど、そのプランと必要な手続き、処理、必要書類の保管場所、年間管理料の額と支払い方など、すべて細かく記しておく方が、遺族とお寺とのトラブルを防ぎ、将来もお寺とのいい関係を続けていけるでしょう。
エンディングノートは、遺言書のように法的な拘束力はありません。しかし、自分の意思表示なので具体的に残された家族が後悔したり、
困ったりしないように網羅しておきましょう。
残された大切な人たちが、前向きに人生を過ごすためにも、葬儀やお墓など自分の死に関するものは書き残しておくことをおすすめします。
『お墓について考える』エンディングノートの書き方
上記で、お墓についてエンディングノートに記載することはわかりましたが、具体的に何を書けば良いのか実際エンディングノートを書き始めると迷ってしまいますよね。
ここでは、まずはお墓について自分自身がしっかり考え、さらにそれを書き記すための内容について深掘りしていきますね。
遺骨を収める墓地の有無 | あり・なし |
墓石の有無 | あり・なし |
希望する墓石の種類 | 参考記事→墓石のデザインや種類|特徴や文字彫刻の違いについて |
お墓がある場合|寺院や霊園について | 名称:
住所: 連絡先: |
お墓がない場合、希望について記載 | 菩提寺
霊園墓地 永代供養 散骨 家族に任せる など |
まとめ:エンディングノートは故人の意思表示。お墓のことはしっかり記入を
今、終活とともに話題になっているエンディングノート。遺言書とは違いますが、自分の人生を振り返り、これからの人生をどう生きるか、また自分の死後の葬儀、お墓についてどういう希望があるのかを明確にする意思表示の方法として有効です。
お墓に関しては、特に先祖代々の墓所に埋葬するのか、新しく設けるのか、もしもう準備してあるのならその詳細を記しておくと、残された家族が困りません。
またしっかり意思表示することで、遺族は故人が亡くなった悲しみはあっても後悔することはないでしょう。それが家族のためにも最適な方法ではないでしょうか。
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