「無縁墓とは何?」意味について解説


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

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無縁墓
(読み方:むえんぼ、むえんばか)
- 「無縁墓」とは
- 「無縁墓」の実態
- 「無縁墓」を防ぐには
- 「無縁墓」への対応
について解説します。
「無縁墓」とは
「無縁墓」は、定期的にお参りし、雑草を抜いたり掃除をするなどの手入れをする継承者や家族、親族がいなくなり、管理する人がいないお墓です。無縁仏と呼ばれることもあります。
少子高齢化をはじめ、供養方法に対する意識の変化、都市圏への人口の流入による過疎地域の増加、核家族化による「家」に対する考え方が変化したなどの理由により無縁墓の数は日本中で増え続け、社会問題になっています。
自治体や地域によって差はあるものの、過疎地域では半数以上が無縁墓となった墓地が存在する他、大都市圏であっても無縁墓がゼロである方が珍しいのが現状です。
こういった状況に対応して、1999年には「墓地、埋葬等に関する法律」の一部が改正され、寺院や市区町村、民間の墓地管理者が無縁墓を整理するための手続きが容易になりました。
これは、お墓用のスペースを確保するねらいがあります。現在、すでに無縁墓の増加が社会問題になっている状況があり、さらに今後は高齢化社会を反映して、より一層亡くなる方が増えることが予想されます。しかしお墓として使用できる土地には限りがあるため、管理者のいないお墓を次の人が使用できるように整える必要があるのです。
「無縁墓」という言葉は、上記の他に引き取り手のいない方が亡くなった場合に埋葬されるお墓を指す場合もあります。
家族や親類など、引き取り手のいない故人は無縁仏と呼ばれます。
「無縁墓」の実態
2018年11月28日付けの西日本新聞によると、熊本県人吉市の墓地では69パーセント、福岡県久留米市の市営墓地では55パーセントと、半数を超えるお墓が無縁墓となっています。
ただ、墓地は通常の土地とは違い、死者の弔いの場であるため、また墓地は民法上の個人の所有物にあたることもあり、単純に整理するのは難しいとされます。さらに公営墓地で改葬する場合には莫大な予算が必要となるため、対策として承継人を必要としない墓地の設置を進める動きが出てきています。
また規約の変更により、管理料の変更や管理料の未納が続いた場合には合葬とするなど、無縁墓の解消、整理に向けた動きが求められているようです。
「無縁墓」を防ぐには
無縁墓を防ぐための方法は、3つあります。
①墓じまいをする
墓じまいは、お墓から遺骨を取り出して他の墓地や納骨堂に移動することです。
現在のお住まいから遠い場所にあるお墓にお参りすることは難しくても、アクセスしやすい場所にあればお盆やお彼岸にお墓参りが可能になり、無縁墓になるのを防げるでしょう。
②永代供養をする
定期的にお参りをして、お墓を管理する人がいない場合に寺院や霊園に供養をお願いする方法です。
後継ぎが求められず、子どもや孫を墓地の管理でわずらわせたくない場合に選択されるケースもあります。
③自然葬をする
自然葬の具体的な方法は樹木葬、散骨などです。
樹木葬は、墓石を建てる代わりに樹木を墓標とします。
散骨は、里山や海にパウダー状にした遺骨をまいて自然に還ることを目指す方法です。この他に、桜葬や宇宙葬といった供養法も生まれています。
「無縁墓」への対応
現在持っているお墓が無縁墓になった場合、どのような対応が行われるのでしょうか。
1999年に改正された「墓地、埋葬等に関する法律」により、墓地の管理者が次のような対応を取ることが可能になりました。
まず、墓地の管理料が滞納されるようになったら官報に支払いを促し、1年後までに管理料が支払われない場合には、墓地を整理する旨の掲載がされます。
同時に1年間、官報と同じ内容で立て札を作り、目につきやすい場所に立てて支払いが促されます。1年たっても支払いがなされない場合には、墓地を整理することが可能となり、場合によっては再活用されることになります。
まとめ:「無縁墓とは何?」意味について解説
社会や人々の意識の変化を反映して、「無縁墓」の数が増え続けていること、対策についてをご紹介しました。
先祖代々のお墓を持っていらっしゃる方、これからお墓について考える方の参考になれば幸いです。

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