生前整理やデジタル終活に活用できるアプリってどんなもの?


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
誰しもいつかは亡くなります。亡くなる前に人生の終末期や死後の準備をする終活は、生き方を見直す好機です。終活は自分のためだけでなく、残される家族の負担の軽減にも役立ちます。
元気なうちに財産を含めた身の回りの整理を行うの生前整理も、終活の1つ。とはいえ、自分の死に向き合う作業は簡単ではありませんし、やることが多すぎてつい億劫になってしまいがちです。
実はアプリを使って簡単に終活や生前整理を行う方法もあることをご存知でしょうか。
エンディングノート作成にも使えるという便利なアプリの特徴や生前整理のポイントについてまとめました。
記事のもくじ
生前整理や遺品整理とは
整理という言葉にはさまざまな意味が含まれています。
1つには無駄なもの、不要なものを処分するという意味があります。自分の所有物であれば、何が必要で何か無駄なものなのかを判断するのはそう難しくありません。生きているうちに本人が自分の持ち物の要、不要を考えるのが生前整理です。
お金などを含め、アクセサリーなど資産価値のある財産を整理することも該当します。
一方で、亡くなってしまえばすべてのものが「遺品」となってしまいます。遺品を整理するのは残された家族や親族になります。これが遺品整理です。何が必要で不要なのかは遺族が判断するしかなく、ある意味負担が大きい作業となります。また資産価値のあるものであれば、トラブルのもとになる可能性もあるのです。
整理には他に
「乱れた状態にあるものを整えて、きちんとすること」
引用:デジタル大辞泉
という意味もあります。人生の終わりを迎えるにあたって、これまでの人生を振り返り、残しておきたいものとそうでないものを自ら「きちんと整える」。これも生前整理の大きな意義だといえるでしょう。
生前整理の具体的な方法、やるべき事柄とは
生前整理においてやるべき事柄は、大きく分けると次の3点に絞られます。
1.要不要の判断
自分の所持品の中で、いるものといらないものを区別します。
相続において資産価値のあるものは財産としてピックアップしておきます。貴金属や株券や証書の類はひとまとめにしておくとわかりやすくていいでしょう。また資産価値がなくても残しておいてほしいもの、形見として使ってほしいものも明確にしておくと◎。
2.不要なものを処分、整理
近年、明らかに使用していないもの、誰に残したらいいのか判断が難しいものは思い切って処分したほうがすっきりします。
家具や布団のように、大型の家財道具はかさばるため、残された家族の負担になることが予想されます。早めに粗大ごみに出すか、業者に依頼して引き取ってもらうのがおすすめです。
趣味のコレクション、ブランドもの洋服などは場合によっては価値が出る場合もあります。中古品の買い取り業者に査定をお願いし、買い取りや処分を依頼してみましょう。他の人にとっては不要に感じられるものでも、どうしても残しておきたいものについては、明記しておくといいですね。
3.情報を整理してまとめておく
衣類や家財道具など目に見える「もの」以外に、自分以外知り得ない情報も整理しておかなくてはなりません。例えば希望する葬儀の方法やお墓のあり方、財産や必要書類等をまとめておきます。預金の他、所有する不動産、年金手帳や健康保険証などがどこにあるのかがわかるように、目録を作るのも1つの方法です。必要であれば、遺言書も作成します。
衣類や家財道具など目に見える「もの」以外に、パソコンやスマートフォンなど電子機器に保管されたデータの整理も必要です。いわゆるデジタルデータと呼ばれる情報、パスワードやアカウントは紙に書くなど整理しておきます。ネット口座などの重要な情報からSNSのアカウントまで書いておくと、残された家族の手間はかなり省けるはずです。
一方、写真のデータやメール、友人・知人の連絡先といったデジタル情報についても整理しておきましょう。死後に見られて困るようなデータは削除し、残したものをフォルダにまとめておきます。
エンディングノートを使って生前整理を
ここまで紹介してきた事柄をわかりやすく記入しておくのに便利なのがエンディングノートです。自分の死後やもしもの時に役立つエンディングノートは、終活に欠かせないアイテムの1つとなっています。
特にルールは決まっていませんが、以下のような情報を記載しておくと便利です。何を書けばいいのかわからない際には、あらかじめ書くべき情報がまとめられた市販のエンディングノートを使いましょう。
- 自分自身のこと(名前や生年月日など)
- 財産や資産、債務の状況
- 契約について(保険や年金、パスポートや運転免許証・運転経歴証明書、保険証などの情報や置き場所)
- 医療(介護や終末期医療のあり方)の希望や葬儀・お墓について
- 友人、知人の連絡先
- デジタルデータについて
- その他(ペットについてなど)
▼エンディングノートについては以下の記事で詳しく解説しています▼
生前整理や終活にアプリを利用する
生前整理を含めた終活において、書いておくと役立つエンディングノート。実はパソコンやスマートフォンを使ってエンディングノートを作成できる生前整理アプリや終活アプリが登場しています。
アプリ活用のメリット、デメリット
デジタル化が進む現代社会ならでの新しい終活の形として注目されるアプリには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
【メリット】
- 手軽かつ気軽に始まられる
入力するだけで、お手軽にエンディングノートの作成が可能。一部機能は有料のアプリもあるが、基本的には使用料金がかかりません - 時間や場所を選ばずに使える
移動中や家事の合間など、思いついた時や隙間時間に利用できます。 - 画像や音声データとして残せる
テキストだけでなく、画像や音声もデータとして残せるのがアプリの利点。不要になったら削除しやすいのも大きなメリットです。 - 劣化が少ない
エンディングノートを紙に記載するのと比較すると、デジタルデータは劣化が少ないでしょう。 - 共有しやすい
アプリによっては家族などと共有ができます。服薬情報などが管理できるアプリもあり、生前から便利に使えます。
【デメリット】
- データ消失のリスクがある
パソコンやスマートフォンの故障、不具合によってデータそのものが消えてしまう可能性も。バックアップを考慮しておく必要があります。 - サービス終了の可能性がある
アプリによっては運営会社の都合で、継続が難しくなる可能性も否定できません。 - 無料でできる範囲が決まっている
アプリによりますが、無料で利用できるサービスが少なく、最終的には費用がかかる場合もあります。また無料の場合、広告が多いケースもあります。
生前整理や遺品整理にフリマアプリも使える
アプリにはエンディングノートを書く以外に、不用品を売買するために活用できます。
- フリマアプリ大手の「メルカリ」
- 楽天が運営するフリマアプリ「ラクマ」
などが有名ですね。スマートフォンで商品の撮影から出品、手続きが完結する便利なアイテムです。
生前整理で不用品が出たら、利用してみるのもおすすめです。
まとめ:新しい時代の生前整理にはアプリも選択肢の1つ
生前整理を行うことで、残された家族の負担を減らし、自分の人生を振り返る大きな意味を持つものです。ただ終活を意識し、エンディングノートをいざ書こうと思っても、いろいろ考えてしまって筆が進まないことは珍しくありません。
入力するだけ、画像などのデータをアップするだけで、手軽に終活や生前整理に取りかかれるのがアプリの魅力です。
導入は無料のアプリも少なくありませんから、選択肢の1つとしてまずはチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
「終活の相談窓口」では終活に関する様々なサポートを行なっております。
竹内
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