終活の片付けは断捨離とは違うの?生前整理のポイントやメリットについて


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
家の中をぐるっと見回してみてください。
- 部屋は綺麗に片付けられていますか?
- もう何年も使用していない、不要なものは目に入りませんでしたか?
片付けは何も『終活』だけに限らず、私たち人間が生きていく上で必要不可欠なものです。片付けが得意な人もいれば、不得意な人もいるでしょう。
昨今では「断捨離」という言葉を耳にしたり目にする機会も増えたように思います。「終活」における片付けは、断捨離に近いものがあり、意義には若干の違いがあるものの、やり方や進め方は似ています。
また、終活の片付けは、生きている間に身辺の整理を行う「生前整理」とも呼ばれます。しかし、生前整理と書くとちょっと気が重くなる人もいるのではないでしょうか?
なのでここでは「終活の片付け」という呼び名で、終活の片付けでやることや断捨離との違いについてなど解説していきますね!
終活に片付けが必要な理由とメリット
『終活』といえば、エンディングノートやお墓の準備などを想像し、「片付け?!終活と何の関係があるの?!」そう思ってしまう方もいるかと思います。
しかし『終活』では片付けを「生前整理」と呼び、珍しいことでも何でもなく、行うことが一般的とされています。
終活に片付けが必要な理由と、得られるメリットとはどのようなものがあるのでしょうか?
竹内
片付けが必要な理由1:自分にとって必要な物は何かを見つめ直す
「もう何年も使っていないモノ」
そんなモノが家中を見回してみると、いくつか出てくるのではないでしょうか?
不要なものを溜め込んでいると、自分にとって本当に必要なものは何なのかが分からなくなってしまいます。
残りの人生を豊かに、自分らしく生きるためには、自分にとって必要なものは何なのかを見つめ直す機会を持つことも大切。
終活では「エンディングノート」を書くことで心の整理を行いますが、片付けも同様、片付けることで心の整理ができ、今までの自分・現在の自分・未来の自分がどうありたいかが見えてきます。
『終活』では、お墓の準備や葬儀、終末医療などに目がいきがちですが、片付けは『終活』をより楽しく活動的に行うためにも始めてみると良いですね!
高桑
片付けが必要な理由2:万が一のとき、家族の負担を減らすため
万が一の時、家中が不要なモノで溢れかえっていたり、ごちゃごちゃと整理整頓されていなければ、家族の負担は相当なものになるでしょう。
普段から片付けられて整理整頓されている家であれば、何が大切なもので、どのような暮らしをしていたのかも一目でわかります。
「どこに何があるのか分かるようにしておく、不要なモノは溜め込まない」
終活の一環として行う片付けも普段の片付けもあまり違いはなく、いつ何があっても周囲が困らない程度の片付けは普段から行っておきたいですね。
片付けが必要な理由3:安心・安全・ストレスフリーな暮らしのため
日本は地震が多く、夏になると台風直撃・・・!なんてことも考えられます。
片付けをすることは、そういった災害から身を守ることへも繋がります。
また年老いてくると、上の方にある物が取りづらくなったり、取ろうとした時に怪我をする恐れもあります。危険がなく、すっきり片付けられている家はストレスを感じることも少なくなります。
遺された人生を快適に安全に暮らすためにも、片付けは終活にとって必要不可欠なものです。
断捨離と終活の片付け(生前整理)の違いとは?
『断捨離』という言葉が流行ってから、もう何年も経ちますが、終活における片付けは断捨離と似ているようで、少し違っている部分もあります。断捨離とは・・・
断・・・いらないものが入ってくることを断つ
捨・・・不要なモノを捨てる
離・・・様々なモノへの執着から離れる
つまり、モノに縛られないライフスタイルのことを指します。
終活の片付けは、断捨離では『捨』に当たる部分が大半を占めているかもしれません
竹内
終活の片付けは「家族の負担を減らし、自分自身を見つめ直すために行うもの」で、モノに縛られないライフスタイルを確立させるという断捨離とは、目的は若干異なります。
しかし、『終活だ!片付けだ!』と思い立ったはいいけれど、モノが多くてウンザリしている人には断捨離の方法・ステップが役に立つはずです。
- まず、自分にとって不要だと思うものはむやみに買わない(いらないものが入ってくることを断つ)
- 次に、家中にあるモノを見つめ、自分にとって必要なもの・不要なものを分けて、不要なモノは捨てる
- 最後に、片付いた状態をなるべくキープするため、今後むやみにモノを増やさないようにする(様々なモノへの執着から離れる)
違いを理解しながらも、断捨離の方法を試してみると良いですね! 断捨離の他には、『近藤麻理恵(こんまり)さん』の片付け方法も、終活の片付けには役立つかと思います。
高桑
終活の片付けでやる事〜分類と整理と処分
では、実際『終活の片付け』では、どのようなことを行うのでしょうか?
やることを大きく分けると3つあります
- 必要なものと不要なモノの分類
- 不用品の処分
- 資産(お金)の整理
一つ一つ説明していきます!
やる事1:必要なものと不要なモノの分類
まず、自分にとって、必要なものは何なのか?不要なモノは何なのか、分類していきます。
- 必要なモノ(いる物)
- 不要なモノ(いらない物)
- 譲るモノ
この3つに分けると良いかと思います。
自分にとって不要なモノを見つける作業というのは、案外疲弊してしまうものです。
1日で全て分類してしまうのではなく、「今日は押入れ!」「今日はキッチン!」というように、場所別・モノ別に何日間か掛けてジックリ行うことをオススメします。
やる事2:不用品の処分
分類できたら、それを処分したり、リサイクルショップへ売るという手間が発生してきます。
モノが少ない場合は、地域の決まりを守ってゴミ回収の日に。
譲るモノが少ない場合や、リサイクルショップが近所にあったり、協力してくれるご家族知人がいる場合はお願いすると良いでしょう。
- 不用品がもの凄い量出た!
- リサイクルショップへ持っていくものが大きすぎて運べない・・・
自治体によっては別途費用はかかりますが、ゴミを収集してくれるサービスや、リサイクル業者の出張買取を利用できます。
やる事3:資産(お金)の整理
片付けとは何も、目に見えるモノだけではありません。
資産(負債がある場合は負債も)の状況や書類をしっかり整理しておくことも大切です。
- 重要書類
- 通帳
- 保険証
- 印鑑
など、家族がわかる場所または、分かるよう書き留めておきましょう!
終活の片付けポイント〜マイルールを決めよう!
「思い立ったが吉日!すぐ始めよう!」と、すぐさま行動にうつす前に・・・
- 終活の片付けは、どこからどこまで行うのか?
- 片付けた後、どのような生活をしたいと思っているのか
- 片付けた後、その状態をキープするための整理整頓する場所をイメージ
など、片付けのポイントを自分なりにルールを決めてやると、スムーズ且つ楽しく行うことができます。
ポイント1:片付けの期間を決める
何事においてもそうですが、終わりの見えないことほど憂鬱になるものです。
オススメはチェックリストを作って、”見える化”すること。
1週間で、終活の片付けを終えてしまおう!と思うのであれば、逆算して、1週間で終わるよう計画を練ってみてはどうでしょうか?
ダラダラと続けたり、1〜2日など短期間で終わらせるのではなく、片付ける期間を無理なく設定してみましょう。
高桑
ポイント2:片付けた後の生活を具体的にイメージする
片付けた後、どのような暮らし・生活をしたいか、具体的にイメージできますか?
片付いた部屋で、自分の必要なモノ・好きなモノに囲まれた暮らしをイメージすることで、片付けも捗りますしワクワクしますよね。
「何となく、終活では片付けをしろって書いてあったからやってみよう・・・」
ではなく
「終活を通して、良いキッカケだと捉え、自分がどんな暮らしをしたいか見つめ直してみよう」
という気持ちで取り組むことで新しい自分に出会えるかも知れません。
ポイント3:処分した後の整理整頓
必要なモノと不要なモノを分類し、処分または回収した後は、残ったモノを整理整頓する必要があります。
- 使う頻度が高いものは手の届く位置
- 重たいものは出来るだけ下の方へ
- あまり使わないけど大切なものは押入れ
・・・・など、マイルールを決め、そのルールに従って整理していくと物も管理しやすくなります。
片付ける前に、このようなマイルールを決めておくことで、いちいち迷うことがなくなりますし、気の重い『終活の片付け』がワクワクする活動へと変わるでしょう。
まとめ:終活の片付けは断捨離とは違うの?生前整理のポイントやメリットについて
『終活の片付け』『生前整理』と聞くと気が重くなってしまいがちですが、今流行りの『断捨離』を行うような気持ちで始めてみると、取っ掛かりやすくなるかと思います。
整理整頓された家で、ストレスのない安心な家に住むということは、人生をより輝かせることへも繋がりますし、そんな暮らしをしている貴方を家族も安心して見守ることができます。
片付けは何も終活だけでなく、生きていく上で欠かせない大切なことです。
片付けが苦手な方は尚更、良い機会だとポジティブに捉え、取り組んでみると良いでしょう!
竹内
▼次はこちらの記事がおすすめ▼
生前整理のやり方〜自分にとって必要な物を知るステップごとの片付け方法
▼終活をしている中で出てくる様々な問題については▼
「終活の相談窓口」では終活に関する様々なサポートを行なっております。
竹内
- エンディングノートの書き方サポート
- 終活に関するご相談(無料)
- おひとりさまの終活サポート
終活に関するご相談は以下からお願いいたします。
無料で受けられる「終活ガイド初級」で、終活の基礎知識を学びませんか?
エンディングノートの細かな部分をしっかり理解し、”『エンディングノート』を通じて豊かな人生のお手伝いをする”やり甲斐、使命感を感じられる仕事『エンディングノート認定講師講座』については以下をご覧ください。