GPIF(ジーピーアイエフ)が5兆円の年金損失!ポートフォリオと運用実績を調べてみた


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
年金の運用についてニュースがあると必ず出てくる「GPIF」ですが、GPIFがなんなのかよくわからないので、今日はGPIFと年金の運用について調べてみたいと思います。
記事のもくじ
GPIF(ジーピーアイエフ)とは
Government Pension Investment Fundの頭文字を取ってGPIF(ジーピーアイエフ)とよばれています。
正式名称は「年金積立金管理運用独立行政法人」で、厚生年金と国民年金の年金積立金を金融市場で運用・管理している機関です。
独立行政法人制度とは、各府省の行政活動から政策の実施部門のうち一定の事務・事業を分離し、これを担当する機関に独立の法人格を与えて、業務の質の向上や活性化、効率性の向上、自律的な運営、透明性の向上を図ることを目的とする制度です。(総務省HPより)
GPIFの役割
GPIFの役割りは大きくわけて次の2つになります。
- ポートフォリオ(資産構成割合)に応じた年金積立金の金融市場での運用。
- 年金給付に必要な現金の確保と管理。
年金運用の歴史
年金運用の歴史は、国民年金がはじまった昭和36年からになります。
その年の11月に年金福祉事業団が設立され、年金積立金の運用が始まりました。
平成12年の財政投融資制度改革で、年金積立金の運用方法に大きな変化がありました。
平成12年度までは公共事業などの融資で運用していましたが・・・
制度改革により、平成13年度から年金積立金は金融市場での自主運用がはじまり、あわせて年金資金運用基金が設立されました。
*GPIFは平成18年に設立され、年金資金運用基金から年金積立金の管理運用業務を引き継ぎました。
5兆円の年金損失と運用実績
報道された5兆円の損失は、2015年度の運用で出した赤字の総額でした。
年度を通して赤字になったのは、平成22年以来5年ぶりだそうです。
それまでの運用状況はどうなっているか調べてみました。
運用状況(平成13年度~平成26年度)
年金積立金全体の収益(単年度)
*平成19年度と平成20年度のマイナスは、サブプライムローンとリーマン・ショックの影響です。
年金積立金全体の収益(累積)
年金積立金がどのくらいあるのか、資産内容を見ていきたいと思います。
GPIF(ジーピーアイエフ)のポートフォリオ
平成27年度第3四半期の運用報告で、資産総額はなんと139兆8,249億円になっていました!
資産の運用方針については、期間目標を決めてポートフォリオを策定しているそうです。
*GPIFが運用を始めた平成18年から、基本ポートフォリオは2回変更されています。
ポートフォリオの経緯
国内債券 | 国内株式 | 外国債券 | 外国株式 | 短期資産 | |
平成18年度~21年度 | 67% | 11% | 8% | 9% | 5% |
平成22年度~26年10月 | 60% | 12% | 11% | 12% | 5% |
平成26年10月~ | 35% | 25% | 15% | 25% | ー |
平成27年9月末のポートフォリオがこちらです。
平成26年10月から、株式の割合を多くしたようです。
今回の報道は5兆円の損失も問題ですが、それよりリスクの高い株式への投資を50%の割合に増やしたことが問題の背景にあるようですね。
債券と比較して株式のリスクが高いことは分かりますが、このポートフォリオが適正かどうか海外の年金基金を参考に見ていきましょう。
海外の年金運用機関
GPIFのホームページに海外の公的年金との比較が出ていたので参考にしたいと思います。
GPIFのポートフォリオは株式の割合が50%になっていますが、このグラフを見るかぎり海外の運用機関は60%を超えています。
まとめ
「GPIF(ジーピーアイエフ)が5兆円の年金損失!」いかがでしたでしょうか?
最初は5兆円の損失でビックリしましたが、累積での収益はプラスになっているので安心しました。
過去の運用実績をちゃんと見ているのであれば、目先の損失だけを声高に叫んで不安を煽るのはどうなんだろう?と思いますが、皆んなの大事な年金を運用している機関なんでしょうがないところもあるんでしょう。
いま運用しているインデックス投資だけでなく、将来的に個別の銘柄株へ直接投資をおこなうこともGPIFの独立性や健全性を損なうポイントだと言われています。
平成26年に変更したポートフォリオが、この先の運用にどう影響していくのか継続して見ていきたいと思います。
今日も最後までご覧いただき、ありがとうございます!
「終活の相談窓口」では終活に関する様々なサポートを行なっております。
竹内
- エンディングノートの書き方サポート
- 終活に関するご相談(無料)
- おひとりさまの終活サポート
終活に関するご相談は以下からお願いいたします。
無料で受けられる「終活ガイド初級」で、終活の基礎知識を学びませんか?
エンディングノートの細かな部分をしっかり理解し、”『エンディングノート』を通じて豊かな人生のお手伝いをする”やり甲斐、使命感を感じられる仕事『エンディングノート認定講師講座』については以下をご覧ください。