介護予防運動指導員とは?仕事内容や資格取得方法、メリットデメリットについて


記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦
今後も増え続ける高齢者が出来るだけ長い期間、介護の手を必要とすることなく生活できるように、高齢者と二人三脚で介護予防に取りくむパートナー。それが介護予防運動指導員です。
そもそも介護予防とは平成18(2006)年の介護保険法の改正の際に国の制度として導入したもの。
要介護状態を未然に防いだり、介護の進行を遅らせる目的としてスタートした「介護予防」ですが、高齢者の健康維持を目的とした「介護予防運動指導員」は今後ますます需要が見込まれることでしょう。
そこで今回は、介護予防運動指導員になるための資格について、活躍できる場所(働く場所)がどこなのか、資格の取り方からメリットデメリットまで解説していきます。
介護予防運動指導員とは?
介護予防運動指導員とは、高齢者のために筋力向上を目指したトレーニングなどの介護プログラムの作成、運動指導などを行うエキスパートです。
介護予防という観点に立ち、高齢者が出来るだけ長い期間自立した生活を送れるようにその人に合ったサポートを行う専門家が介護予防運動指導員です。
この資格は、地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センターが資格認定を行っています。
介護予防運動指導員の仕事内容
介護予防を望む高齢者一人一人に合わせた介護予防プログラムを発案します。
発案したうえで、それに合わせて軽運動や筋力向上トレーニングの指導や見守りを行うというのが主な仕事内容となっています。必要とあれば、ほかの医療専門職、福祉専門職などと連携を図ることも多いです。
また発案、指導している介護予防プログラムが効果を発揮しているかを客観的に示すために、事前評価や事後評価を行っています。
介護予防運動指導員の働き方や求められる場所は?
介護予防運動指導員は介護事業所では勿論、かなり幅広い職場で必要とされています。
医療関係医療関係
まず、リハビリステーションセンターや総合病院です。
入院中又は外来でやってくる高齢者に対して、介護予防のプログラムを作り介護予防運動の指導や心身ケアなどを行います。
また、運動プログラムにそって身体機能を測り、退院する高齢者には退院後の運動指導などをも行い、退院後であっても身体機能の向上をサポートします。
スポーツ関係
こちらは民間が行っているフィットネスクラブやスポーツジムです。
フィットネスクラブやスポーツジムを利用する高齢者の方に健康である期間を延ばすことを目的として介護予防プログラムを作り、転倒予防・認知症予防・健康増進など高齢者の方の願いに合わせたサポートを行います。
また、公民館や保健センターなどへ健康体操教室を出張して行う場合もあるそうです。
地域交流の場
高齢者の集まる民間サロンや自治体が開催している研修会に講師として勤めます。
地域の高齢者に介護予防をおすすめする講習や効果的な運動方法などを実践しながら指導します。またボランティアとして運動教室の開催なども行っています。
今後、活躍の場所が広がる可能性もあります。
介護予防運動指導員の資格を取るうえでのメリット
介護予防運動指導員という資格を取るメリットは大きく2つ。
- 介護業務の幅の拡大
- 介護職としての選択肢が広がる
介護業務の幅の拡大というのは、通常介助業務以外にも運動支援や健康維持のサポートが出来るようになるということ。
健康維持という面からも高齢者のサポートをすることが出来、一人一人に合わせたケアを提供することが出来るようになるので、長期的支援の先にある達成感などに喜びをややりがいを感じる方にはおすすめと言えます。
また、今後高齢者が増えていく関係で、介護予防運動指導員の必要性はとても高まっていくことが分かっています。あわせて、政府が高齢者の自立支援、重度化防止を推進しているので今度需要は高まっていきます。
そのため、支給額は施設によって異なりますが、資格手当を受け取れる場合もあります。
介護予防運動指導員の資格を取るうえでのデメリット
介護予防運動指導員のデメリットも存在します。デメリットは2つ。
- 短期間で成果が出ない
- 資格取得に時間がかかる
仕事の特性上、以前よりも悪化しているか改善しているかというのはなかなか分かりにくく、高齢化も進んでいくためモチベーションの維持などに苦労する場合があるようです。この後詳しく紹介しますが、介護福祉士や栄養士の資格を取得しているか介護現場で2年間の実務経験が必要となります。
その後、講座などを受講するので、上記の基準を満たしていない場合時間がかかります。
介護予防運動指導員の資格取得方法|受講対象者
介護予防運動指導員の資格を取得するための受講対象者は以下の通りです。
- ホームヘルパー2級、初心者研修修了者で2年以上の実務経験がある事
- 介護職員基礎研修課程修了者、実務者研修修了者
- 介護支援専門員の資格取得者
- 健康運動指導士などの資格取得者
- 医療分野の国家資格取得者
(対象資格:医師・歯科医師・保健士・助産師・看護師・准看護士・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士・介護福祉士・歯科衛生士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・栄養士) - 医療分野国家資格の養成校を卒業見込み又は資格取得見込み者(国家試験受験者)
上記のどれにも当てはまらない人は講義を受けることができません。
現在学生であり、医療資格を取得できる学校に通っていたりしているのであれば、医療分野の国家資格を取得したうえでの受講をおすすめします。
すでに働いている社会人であり、どの資格も取得していない未経験者の場合は、一番上のホームヘルパー2級・初任者研修修了者で2年以上の実務経験を積むことが一番の近道だと考えられます。
初任者研修の資格を取得し実務経験を積む場合のおすすめ施設の選び方
初心者研修を取得したのちに2年の実務経験を積むのですが、その実務経験を積む施設の選択は大切です。おすすめは以下3つとなります。
- 資格取得支援をしている
- 介護職員初任者研修の資格手当がある
- 介護予防運動指導員の資格手当がある
資格取得に積極的な施設である場合、費用の負担や施設独自の対策講座を行っている場合があります。これらの3点は勿論必須ではなく、おすすめの施設です。
介護予防運動指導員の講義費用や受講期間
資格名 | 介護予防運動指導員 |
公式サイト | 地方独立行政法人 東京都健康長寿医療センター |
費用 | 9万円前後(参考:ニチイ学館では95,241円) |
期間 | 約1ヶ月間の講義 |
試験内容 | 問題数:45問
試験時間:60分 形式:マークシート式 試験スタイル:筆記のみ |
介護予防運動指導員の講義では主に高齢者の筋力トレーニングの理論や実習を主に学び、認知症予防や栄養学など様々な観点から高齢者をサポートするための知識を学びます。これらの講義をおおよそ1か月ですべてを取得します。
あくまで目安と言う事で、選択コースや開講日程によって多少前後することがあります。実習が必要という事で、講座は全て通学のみ。現在働いている人の心配点としては仕事と同時進行で受講できるかではないでしょうか?取得するまでの期間は伸びてしまいますが、取得することが出来ます。
1年間は受講期間を無料延長できるサポートというのがあるので仕事と折り合いを合わせて受講して下さい。受講費用に関しては、どこで受講するかによって多少変わりますが、おおよそ9万円前後です。
目安としてニチイ学館では95,241円となっています。一括支払いが難しい場合、分割払いなどもあるのでうまく活用して資格取得を目指してください。受講できる会場と合わせて探してみてくださいね。
まとめ:介護予防運動指導員とは?仕事内容や資格取得方法、メリットデメリットについて
介護予防運動指導員という資格は取得するのに少し時間がかかってしまうという難点や短期間の成果が出ないなど、デメリットもあります。
それでも一度資格を取得すると一生介護予防運動指導員として活躍することが可能です。高齢者の生活に直結し、健康維持などサポートに回れる仕事は双方にとって生きがいや、やりがいを感じられるのではないでしょうか。


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