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任意後見制度について〜任意後見契約の効力発生のタイミングや仕組みや費用。後見人の仕事内容について

 

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

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あああああ

将来、認知症などで判断能力が衰えてしまったら・・・

もしも脳梗塞などで心身ともに衰えてしまったら・・・

 

老後に漠然とした不安を持つことは、誰しもが抱える悩みだとも言えます。

 

「終活」では、

  1. 将来の不安を考え
  2. もしもそうなった場合にどうしたいのかを具体的に想像し
  3. 今できることを行動に移す

もしもの時の対策を練ることで、将来への不安を小さくすることができます。

 

そんな、将来の万が一に備えて、判断能力のある今のうちから信頼できる第三者を後見人として選任できる制度を『任意後見契約』といいます。

 

後見人とは

後見人とは、判断能力が不十分と考えられる者を補佐する者。

引用元:wikipedia

今回は、任意後見制度について詳しく解説していきます。

 

目次(この記事は以下の順番で構成されております)

  • 任意後見制度とは
  • 任意後見契約が始まるまでの手順―効力発生時期のタイミングとは?
  • 任意後見人になれる人とは?
  • 任意後見制度を利用するための費用相場|弁護士や司法書士への報酬は?
  • 任意後見制度のメリット・デメリット
  • 生活保護を受けている場合、任意後見制度はどうなる?
  • 任意後見人の主な仕事とは?
  • 任意後見監督人の主な仕事とは?
  • 任意後見制度と法定後見制度の違いとは
  • まとめ:任意後見制度について〜任意後見契約の効力発生のタイミングや仕組みや費用。後見人の仕事内容について

任意後見制度とは

「任意後見制度」とは、判断能力のある今のうちから、将来の万が一に備えるための制度です。

 

将来、『誰に』『どのようなサポートをしてもらうか』を決めて、公正証書によって「任意後見契約」を結びます。

 

任意後見契約は、公正証書を作成しただけでは始まりません。本人の判断能力が低下し、家庭裁判所がそれを認め、監督する任意後見監督人を選出した時から始まります。

 

 

なぜ任意後見監督人を選出するの??

後見人が、あなたに不利益な行動を取らないよう監視するためです。

監督人は、定期的に支援の状況を家庭裁判所へ報告します。

 

 

図で表すと、このような感じです。

任意後見契約が始まるまでの手順-効力発生時期のタイミングとは?

任意後見契約は、後見人を選んだり、公正証書を作成するだけでは始まりません。

「任意後見契約」をスタートするまでのステップをみていきましょう。

 

ステップ1:任意後見人を選ぶ

信頼できる家族や親族、知人、弁護士、税理士、行政書士、司法書士、社会福祉法人、社会福祉士、NPO団体など

ステップ2:公正証書を作成し、「任意後見契約』を結ぶ

公証役場で公正証書によって契約

ステップ3:認知症などによって、本人の判断能力の低下

ステップ4:家庭裁判所に認定を求め、任意後見監督人を選任してもらう

家庭裁判所に、本人、配偶者、4親等内の親族、もしくは任意後見受任者が選任を依頼する

このタイミングで、任意後見契約の効力が発生します。

ステップ5:任意後見契約による支援がスタート

 

任意後見人になれる人とは?

任意後見人になるために、特に資格は必要ありません。

 

基本的に成人であれば誰でも任意後見人になることができるのです。

 

信頼できる家族や親族、知人はもちろんのこと、弁護士、税理士、行政書士、司法書士、社会福祉法人、社会福祉士、NPO団体などを後見人とすることも可能です。

 

例外的に任意後見人になれない人は

  • 未成年者
  • 破産者
  • 本人に訴訟をした人、その配偶者および血族
  • 利害関係が反対となる人
  • 行方の不明な人

上記は法律で不適格と定められています。

任意後見制度を利用するための費用相場|弁護士や司法書士への報酬は?

ここでは、次の2つを見ていきましょう。

  • 任意後見制度を利用するためにどのような費用がかかるのか
  • 弁護士や司法書士など専門家への報酬がどのくらいかかるのか

公正証書を作成する際にかかる費用と書類

エンディングノート・終活ノート

任意後見制度は、公証人役場で公正証書を作成する必要があります。

 

公正証書作成するためには、以下の費用が最低限かかってきます。

公正役場の手数料 11,000円
法務局に納める印紙代 2,600円
法務局への登記嘱託料 1,400円
書留郵便料 約540円
正本謄本の作成手数料 1枚250円×枚数

参考:日本公証人連合会

最低でも、15,790円はかかるということが分かります。

 

任意後見契約を結ぶための必要な書類は、次の表のとおりです。

本人 印鑑登録証明書

戸籍謄本

住民票

受任者 印鑑登録証明書

住民票

 

契約開始後〜任意後見人、任意後見監督人に支払う報酬について

任意後見は『委任の契約』になりますので、報酬を支払うか否かは、本人の自由となります。

 

身内に任意後見人をお願いした場合、無報酬の場合も多いのですが、第三者(弁護士や司法書士などの専門家)に依頼すた場合は、月額2万円〜5万円程度(財産量による)ということが多いようです。

 

任意後見監督人の場合は、家庭裁判所によって報酬が決定されます。

  • 本人の財産の額
  • 監督事務の内容
  • 任意後見人の報酬額

によって、無理のない額が決定されます。

任意後見制度のメリット・デメリット

任意後見制度を利用するときは、メリットとデメリットをしっかり把握したうえでスタートするようにしましょう。

ここからは、任意後見制度のメリットとデメリットについて解説します。

任意後見制度のメリット

任意後見制度のメリットには次のようなものがあります。

  • 後見人を本人の意思で自由に選べる
  • 家庭裁判所が任意後見監督人を選出してくれる
  • 報酬額を後見人と相談の上で決定できる
  • 契約内容が登記される
  • 任意後見人に要望する項目を契約しておける

 

ひとつずつ、詳しく解説していきます。

後見人を本人の意思で自由に選べる

任意後見制度では、本人の判断能力があるうちに後見人を自由に選べることになっています。

 

また、任意後見人になるための専門的な資格は必要ありません。

そのため、親族や法律関係者、福祉の専門家など、本人が信頼を置いている人を後見人として選べるのです。

家庭裁判所が任意後見監督人を選出してくれる

任意後見制度では、家庭裁判所に申し立てをすれば「任意後見監督人」を選出してもらえます。

 

任意後見監督人とは

任意後見人が任意後見契約の内容どおりに仕事を行っているか、監督する人のこと

 

任意後見監督人を立てておけば、「任意後見人が不正をしないだろうか?」という不安をある程度、解決できます。

報酬額を後見人と相談の上で決定できる

任意後見人への報酬額は自由に取り決めて良いことになっています。

 

親族を後見人にするなら、無料か格安で引き受けてくれるかもしれません。法律関係者、福祉の専門家を後見人とする場合でも、報酬額は相談の上で決定できます。

任意後見人に要望する項目を契約しておける

自分の判断能力がなくなったとき、自分の代わりにどんなことを後見人にやってもらうのか。

これは、あらかじめ契約しておけるので、本人の意思に沿った生活を実現できます

 

契約できる事項は、主に次の3つです。

  • 生活に関すること
  • 財産管理について
  • 医療看護について

 

契約内容が登記される

任意後見人と契約した内容は公正証書として登記されます。

契約内容が登記されれば、任意後見人の立場を公的に証明でき、トラブルを回避できます。

任意後見制度のデメリット

次に、任意後見制度のデメリットについて見ていきましょう。

  • 亡くなったあとは財産管理などができない
  • 「取消権」がない
  • 制度の利用を始めるタイミングが難しい

 

1つずつ、説明していきます。

亡くなったあとは財産管理などができない

任意後見制度の効力があるのは、本人が亡くなるまでです。

亡くなったあとは任意後見制度を利用できません。

 

つまり、死後の財産管理や事務処理は、任意後見人が手出しをできない部分なのです。

「取消権」がない

任意後見人には、「取消権」が与えられていません。

 

取消権とは

契約を取り消す権利のこと。

 

もし、本人が悪徳商法などの契約をしていたことが発覚しても、これを取り消すことができないのです。

制度の利用を始めるタイミングが難しい

任意後見制度では、本人の判断能力が低下した時点で利用を始めることになっています。

しかし、判断能力の低下がどの程度のものなのか、というのをはっきりさせるのは難しいことです。

 

そのため、制度の利用をスタートするタイミングも難しいというデメリットがあります。

生活保護を受けている場合、任意後見制度はどうなる?

生活保護を受けていると、報酬の支払いができるか不安で、任意後見制度の利用をためらってしまいますね。

 

各自治体などでは、金銭的に余裕のない人でも制度を受けられるよう、さまざまな支援が実施されています。

  • 後見人報酬の助成(各自治体)
  • 民事法律扶助制度(法テラス)
  • 成年後見助成基金(リーガルサポート)

 

ひとつずつ、説明していきます。

後見人報酬の助成(各自治体)

各自治体では、後見人報酬の助成を行っています。

 

例えば横浜市では、後見人報酬の助成額を次のように定めています。

(助成の額)

第4条 助成額は、家庭裁判所による報酬の付与の審判による報酬等の額と同額(被後見人等が自ら支払う額がある場合は当該額を除く。)とする。ただし、当該被後見人等が在宅において生活している場合は月額28,000円を、施設等に入所している場合は月額18,000円をそれぞれ限度とする。

引用:成年後見人等に係る報酬等助成要綱

 

自治体によって助成額は違ってきますので、まずは問い合わせてみるといいでしょう。

民事法律扶助制度(法テラス)

法テラス(日本司法支援センター)の「民事法律扶助制度」を利用すると、弁護士や司法書士に支払う報酬を立て替えてもらえます。

 

民事法律扶助制度について、法テラスのホームページでは次のように説明してあります。

民事法律扶助業務とは、経済的に余裕のない方などが法的トラブルにあったときに、無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、必要な場合、弁護士・司法書士の費用等の立替え(「代理援助」、「書類作成援助」)を行う業務です。

引用:法テラス

 

ただし、民事法律扶助制度はあくまでも費用を「立て替える」ためのものです。

分割などで支払っていく必要がありますので、注意してください。

成年後見助成基金(リーガルサポート)

所得が少ないために後見人制度を利用できない、ということがないように設立されたのが「成年後見助成基金」です。

成年後見助成基金は、全国の司法書士が設立した「リーガルサポート」という組織による公益活動で、資金はすべて寄付や遺贈から調達されています。

 

成年後見助成基金への申し込みは、毎年4月です。

 

参考

リーガルサポート:成年後見助成基金

任意後見人の主な仕事とは?

では、任意後見人とはどのような支援(仕事)を行うのでしょうか?

 

掃除をしたり買い物へ行ってあげたりオムツを替えたりといった、介護的な役割だと間違われやすいのですが、任意後見人の仕事はあくまでも財産の管理や、介護や生活面でのバックアップです。

 

財産管理とは

  • 年金の管理
  • 預貯金、有価証券の管理
  • 不動産管理
  • 社会保障関係の手続き

など

 

介護や生活面でのバックアップとは

  • 入院や介護サービスへの手続き
  • 生活費の送金
  • 医療費、介護費の支払い

など

 

後見人の仕事内容については、成年後見人についてわかりやすく解説!頼りになる成年後見人制度をチェックで詳しく説明しています。

任意後見監督人の主な仕事とは?

任意後見監督人の主な仕事は、任意後見人が契約内容に従って仕事をしているか監視(チェック)することです。任意後見人に事務の報告を求めたり、財産状況を確認する権限も認められています。

 

また上記の事柄について、定期的に家庭裁判所へ報告することも仕事の一つ。

任意後見人に不正があった場合は家庭裁判所へ解任の申し立てを行ったり、後見人が仕事をできなくなった場合には代理になることもあります。

任意後見制度と法定後見制度の違いとは

後見制度には、任意後見制度と法定後見制度の2つがあり、2つの違いについて知っておくことも大切です。

ここでは、2つの後見制度の違いについて説明します。

 

任意後見制度と法定後見制度の違いは、大きく分けて4つあります。

  • 後見人の選出方法
  • 制度の利用を始めるタイミング
  • 制度の効力が適用されるタイミング
  • 代理権など権限の有無

 

表にまとめると、次のようになります。

任意後見制度 法定後見制度
後見人の選出 本人が自由に選べる 裁判所が決定する
制度を始めるタイミング 判断能力が衰えるまえに契約できる 判断能力が衰えてから
効力が適用されるタイミング 本人の判断能力が低下した時点 親族などによる家庭裁判所への申立てがあったとき
権限の有無 なし 類型によりあり

 

ひとつずつ、確認してみましょう。

後見人の選出方法

任意後見制度では、後見人を本人が自由に選べるため、本人が納得のうえで信頼のおける人を選出できます。

 

一方、法定後見制度では、後見人は裁判所によって選出されます。そのため、本人の意思とは関係なく後見人が決定します。

制度の利用を始めるタイミング

任意後見制度は、本人の判断能力が衰えたあとでも希望に沿った生活ができるようになっています。このことから、判断能力が衰える前から利用できる制度なのです。

 

一方、法定後見制度は本人の判断能力が衰えていても後見人を選出できる制度です。そのため、制度の利用を始めるタイミングは、判断能力が衰えたあとということになります。

制度の効力が適用されるタイミング

任意後見制度は、契約は判断能力があるうちに行いますが、効力が適用されるのは本人の判断能力が低下した時点からです。

 

法定後見制度では、親族などによって家庭裁判所へ申立てがあったときから効力が適用されます。

代理権など権限の有無

法定後見制度は、どの程度判断能力が衰えているかによって、「後見」「保佐」「補助」の3つの類型に分けられています。

この類型によって、後見人には「代理権」「同意権」「取消権」の3つの権限が与えられることになっています。

 

任意後見制度には、このような権限はいっさいありません。

まとめ:任意後見制度について〜任意後見契約の効力発生のタイミングや仕組みや費用。後見人の仕事内容について

「任意後見制度」とは、もしもの時のためにする契約です。

 

元気なうちは想像しにくい(想像したくない)ものですが、何年後かに、認知症や寝たきりになってしまう可能性がないとは言い切れませんよね。

 

老いじたくというと大げさで、まるで死ぬ準備をするように捉えてしまう方もいるようですが、「終活」では「もしも」「万が一」を見つめ直し、何かしらの準備をすることで、将来への不安を小さくすることもできるのです。

 

今回は、「任意後見制度」について解説をしました。

こういった制度についての手続きは、難しかったり面倒だったりしますが、この記事が参考になれば嬉しく思います。

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