自筆証書遺言の書き方〜相続が無効とならない作成方法について

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「遺言書を書いた方がいいのかしら・・・」

そんな風に思っても、何を書けば良いのか、どこかに依頼するべきなのか・・・迷いますよね。

 

今回紹介する『自筆証書遺言』は、自分で書くことができますので、どこかに依頼する手間や費用はかかりません。

 

たけうち
しかし、手間や費用がかからない分、形式や書式を守らないと無効になってしまうこともあります

 

遺言書を自分で書くのは想像以上に難しいものですが、手間や費用がかからないに越したことはありません。

 

今回は、

  • 自筆証書遺言の基礎知識
  • 自筆証書遺言の書き方やルール
  • 自筆証書遺言を書く時の注意点
  • 文例や事例を項目ごとに説明
  • 遺言書を作成するときに用意するもの
  • 自筆証書遺言のメリット・デメリット

について解説していきます。

自筆証書遺言の基礎知識

自筆証書遺言と他の遺言書(公正証書遺言、秘密証書遺言)の違う点は、公証人が不要ということです。

公正証書遺言と秘密証書遺言とは

  • 公正証書遺言:公証人に遺言書の執筆の保管を依頼する形式
  • 秘密証書遺言:公証人に遺言書の存在証明だけを依頼する形式

引用元:相続弁護士ナビ

しかし、自分で作成できる遺言書なので一見すると手軽な感じがしてしまうのですが、法的不備があると遺言書の効力がなくなってしまい、ただの紙切れになる恐れも・・・

 

たけうち
作成するときは、定められた書きかたを守りましょう

最低限の基礎知識としては、遺言者は

  • 遺言全文
  • 日付
  • 氏名

この3つを自書すること、

  • 押印

することで、遺言書として認められるのですが、その中には細かなルールや書きかたがあります。

 

『自筆証書遺言』の書き方やルール

書き方・ルールは、大きく分けて7つあります。

  1. 自筆で書く
  2. 録音テープや録画や無効となる
  3. 日付を書く
  4. 署名する
  5. 押印
  6. 修正はしない
  7. 縦書きでも横書きでもOK

 

たけうち
では、自筆証書遺言の書き方とルールを見ていきましょう!

 

1:自筆で書く

名前の通り、『自筆』で書くことが最低限のルールとなります。

 

家族や配偶者であっても代筆は無効です。また、一部でも代筆をすると遺言書の効力は失われます。

 

もちろんパソコンでの作成も不可です。

 

たけうち
自筆証書遺言は、他の人に書かせない、他の方法で作成しないを心がけてください。

 

最近ではフリクションボールペンなど、消えるタイプのペンが販売されていますが、消されないよう油性のペンで書きましょう

2:録音テープや録画は無効となる

こちらも名前の通り『自筆証書遺言』ですから、『書く』以外の方法は無効となる恐れがあります。

病気などで書く力が弱まっている場合でも、容赦無く無効となってしまいますので、遺言書は心身ともに元気なうちに用意しましょう。

 

3:日付を書く

日付の書き方ですが、しっかりと

『○年 ○月 ○日』

と書きましょう。

 

『○年6月吉日』というように、書いた日が特定できない場合は、遺言の効力が失われる可能性があります。

 

4:署名する

署名も必ず自筆で!

戸籍に登録されている名前を書きましょう。

 

5:押印

印鑑は、実印である必要はありません。認印でもOKです。

しかし、本人が書いた証拠として、出来るだけ実印を使用するのが好ましいでしょう。

 

6:修正はしない

ちょっとした間違いであれば、修正液を使ったり、ペンで消してしまいたくなりますが、注意が必要です!

 

遺言書の修正ルールは非常に面倒で細かいのです。万が一書き間違いや修正があった場合、そのルールを調べて修正するより、いっそ書き直した方が断然早く、確実です。

 

たけうち
「あ・・・!書き間違えちゃった!」と思ったら、書き直しするようにしてください!

 

 

7:縦書きでも横書きでもOK

最後に素朴な疑問を感じる方のために・・・

 

自筆証書遺言は縦書き?横書き?ですが、これは、どちらでも大丈夫です。

 

ご自身の書きやすい方で書いてくださいね!

 

自筆証書遺言を書くときの注意点

遺言書

上記で紹介したルールや書き方も、注意するべきことは沢山あるのですが、ほかにも注意するべき点があります。

 

自筆証書遺言の注意点をしっかり頭に入れて、せっかく書いた遺言書が無効にならないようにしましょう!

 

注意点は以下の通りです!

 

  • 遺言書を書くときは、あいまいな表現を避ける
  • 相続させたい人を書くときは「お母さん」「娘」「夫」ではなく、しっかりと名前を記載する
  • 財産を相続させる場合の表現は「相続する」で統一する
  • 金融機関に預けているお金を相続させるときは、口座情報を記載する
  • 不動産は登記簿謄本の通り、正確に記入すること
  • 相続人が近しい家族以外の場合、理由を書いておくこと(トラブル防止のため)

 

実際に、自筆証書遺言を作成していこう!用意するもの

用意するものは以下の通りです。

 

1:用紙

用紙については特にきまりはありませんが 、A4サイズのものを使われることが多いようです。

オススメは、劣化の少ない中性紙や破れにくい和紙です。最近では、遺言書専用の用紙も販売されていますよ!

 

2:ペン、万年筆、毛筆

最近では、フリクションボールペンなど消せるタイプの物がありますので、改ざんを避けるためにも油性のペンや万年筆、毛筆で書くと良いでしょう。

 

3:印鑑

認印でも可能ですが、できれば実印を用意しましょう

 

4:封筒

遺言書は自分の死後、開封してもらいます。

ですので、簡単に見られないよう封筒に入れておくことをオススメします。

簡易的なものではなく、出来れば厚めで、万が一誰かが開封した時に分かるような物を選ぶと良いかと思います。

 

資産はどれくらいある?財産を特定するための資料を用意する

自分の資産(または負債)がどれくらいあるか、ご自身できちんと把握できているでしょうか?

 

遺言書を作成する際、財産を特定する必要がありますので、そのための資料を収集しておきましょう。

 

『不動産関係』

  • 登記簿謄本
  • 登記情報

『預貯金』

  • 通帳

『有価証券』

  • 取引経過報告書

 

 

たけうち
高価な宝石などがある場合は、『鑑定書』の用意、自動車を所有している場合は、車検証も用意しましょう。

 

 

自筆証書遺言の文例〜サンプル

実際、遺言書とはどういうものでしょうか?サンプルは以下の通りです。

遺言書

遺言者○山太郎は、次のとおり遺言する。

第1 遺言者は、妻○山花子(昭和○年○月○日生)に次の財産を相続させる。
1 土地
所在  ○○市○○町○丁目
地番  ○番
地目  宅地
地積  ○・○平方メートル
2 建物
所在  千〇〇市○○町○丁目○番地
家屋番号  ○番○号
種類  居宅
構造  木造亜鉛メッキ造2階建
床面積   1階 ○○・○○平方メートル
2階 ○○・○○平方メートル
3 本遺言に記載のない遺言者の有するいっさいの財産

第2 遺言者は、長男○山一郎(平成○年○月○日生)に次の財産を相続させる。
1 ○○銀行○○支店に対して有する遺言者名義の普通預金債権(口座番号××××)
2 ○○証券株式会社○○支店の遺言者名義の保管口座(口座番号×××)の○○株式会社発行の株式全部

第3 遺言者は、長女×木春子(平成○年○月○日生)に次の財産を相続させる。
1 ○○銀行○○支店に対して有する遺言者名義の定期預金債権(口座番号××××)

第4 遺言者は、祭祀承継者を長男○山一郎と指定する。

第5 遺言者は、本遺言の遺言執行者として、弁護士△川栄一(昭和○年○月○日生・○○県○○市○○町○丁目○番○号在住)を指定する。

第6 遺言者は、本遺言の遺言執行者に対し、次の権限を授与する。
1 不動産、預貯金、株式その他の相続財産の目儀変更、解約及び払い戻し
2 貸金庫の開扉、解約、内容物の取り出し
3 本遺言の執行に必要な場合に代理人及び補助人を選任すること
4 その他、本遺言を執行するために必要な一切の処分を行うこと

付言事項
妻花子の老後の生活について、長男と長女は仲良く共同して面倒を見てください。私の財産は、この遺言書作成時点の評価額にしたがって、できるだけ法定相続分となるように分けていますので、この遺言にしたがって分配してください。

平成○年○月○日
○○県○○市○○町○丁目○番○号
遺言者 ○山 太郎   印

引用元:リーガラス

 

自筆証書遺言を作成することのメリット

「お金がかからない!秘密にできる」

これが、自筆証書遺言を作成することの、大きなメリットと言えるでしょう。

 

また、第三者に遺言書の存在を知られたくない方にも大きなメリットといえます。自分が死ぬまで、遺言書の内容を秘密にしておきたい人にとっては最適です。

 

たけうち
書き直しも自由なので、途中で気持ちが変わった場合、一から書き直すこともできます。

 

自筆証書遺言を作成することのデメリット

デメリットは、今回の記事でも散々書いてきましたが、注意事項を守らなければ、無効となってしまう恐れがあることです。

 

あいまいな書き方は無効となる恐れもありますし、家族間トラブルの引き金となる場合もあります。

 

また、『自筆証書遺言』は自分の死後、家庭裁判所による検認を必要とします。

検認とは

遺言書の発見者や保管者が家庭裁判所に遺言書を提出して相続人などの立会いのもとで、遺言書を開封し、遺言書の内容を確認することです。
そうすることで相続人に対して、確かに遺言はあったんだと遺言書の存在を明確にして偽造されることを防ぐための手続き

引用元;中野相続手続きセンター

 

たけうち
せっかく書いた遺言書が無駄にならないよう、しっかりと知識を持って作成することが大事ですね。

 

まとめ:自筆証書遺言の書きかた〜相続が無効とならない作成方法について

 

「なるべく費用をかけたくない、自分で作成したい!」そんな方は『自筆証書遺言』がオススメです。

 

ですが、万が一のことを考え、不備があったらどうしよう・・・と悩むのであれば、専門家に依頼する『公正証書遺言』がオススメです。

 

たけうち
遺言書を作成するときには、念のため専門家に相談してみると良いですね。

 

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