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『遺言書を無効にする方法』できる場合とできない場合について解説

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大切な人が亡くなり、あとから実は遺言があったと判明することがあります。内容を見たときに、この遺言書を無効にしたい!と思う方もいらっしゃるでしょう。

 

そもそも遺言は無効にすることはできるのでしょうか。本人が亡くなっているので、「訂正して」「これが本心なの?」とは言えませんものね…。

このページでは、遺言書を無効にしたい方向けに次のことについて解説しています。

可能な限り親族間でのトラブルは避けたい方もぜひご参照ください。

遺言は無効にできるの?

遺言の内容に納得がいかない、本当に本人が書いたのか…と思うことがあるかもしれません。遺言は無効にできるのでしょうか。

結論から言うと、遺言は無効にすることができる場合があります。

ただし、どんな遺言でも必ず無効にできるというわけではありません。

なお、遺言があっても、相続人、受遺者、遺言執行人すべての同意があれば、遺言と異なる遺産分割が可能となります。
受遺者とは、遺言によって財産を受け取る人のことです。

遺言とは

遺言が無効になる条件を知る前に、まず遺言とは何かまとめていきます。

遺言は主に3種類あります。

それぞれの遺言を見てみましょう。

遺言の種類|自筆証書遺言

こちらは自筆による遺言です。

 

遺言全文が自筆で書かれているものです。日付、押印も遺言者(遺言をのこす人)によるものである必要があります。多くの遺言がこのタイプです。

 

こちらの記事でも自筆証書遺言について解説していますので、興味のある方は、ご参照ください。

遺言の種類|公正証書遺言

公正証書遺言とは、遺言内容を公証人に伝え、公証人が遺言を作成するタイプのもの。証人2名が必要となります。この証人は、推定相続人や受遺者などはなれません。

【推定相続人とは】

推定相続人とは、いま現在の状況で相続が発生した場合に、遺産を相続するはずの人のこと。

公証人が遺言書を作成するため、内容の整った遺言を作成できるというメリットがありますが、手数料がかかるというデメリットも。

遺言の種類|秘密証書遺言

秘密証書遺言はなかなか聞いたことがないかと思います。秘密証書遺言は、遺言者が遺言を作成し、署名、押印をした上で封書に封じます。

 

この封書を公証人と2名以上の証人に提出するのです。遺言者、公証人、証人がそれぞれ署名と押印をして遺言を作ります。

 

この秘密証書遺言は、遺言者が書いたあとに封書に封じるため、公証人や証人でさえも遺言の内容を見ることができませんつまり遺言の内容が完全に秘密になるのが特徴です。

 

なお、秘密証書遺言は、自筆である必要はないため代筆やワープロ、パソコンで記すことが可能。秘密証書遺言は、封をして保管されていますので、偽造や変造のおそれが少ないというメリットがあります。

遺言がそもそも有効ではない場合があります

さて、ここまで遺言のタイプを3つご紹介しました。これらの遺言がそもそも遺言として成立しておらず、有効ではない場合がありますので、詳しく見てみましょう。

自筆証書遺言の場合はすべてが自筆でなければいけない

すでにご紹介したように、自筆証書遺言は自筆であることが大前提です。

ワープロやパソコンで書かれた遺言書は無効です。

高齢の方で自筆が難しく、代筆で遺言書を作成したい場合もあるかもしれませんが、公証人以外の代筆は無効となります。全文すべてが自筆であることが必要で、最後の署名だけが自筆でも無効とみなされます。

自筆証書遺言で日付、押印、署名がない遺言書

自筆証書遺言には、日付、押印、署名が必要です。このうち、どれかが漏れてもその遺言は無効となります。

日付が曖昧なものも無効です。

例えば、「〇年〇月吉日」というような表現では、日付が具体的にいつのことなのかわかりません。このような記載は無効です。

 

「〇年還暦になった日」と記載されている場合は、遺言者の誕生日から遺言書を記した日にちを判断することが可能ですので、無効にはなりません。

遺言が共同で作られている

遺言は2人以上の人が同じ遺言をすることはできません。

 

つまり遺言は原則1人で作成されていなければならないのです。誰かと共同で作られた遺言は、無効となります。

遺言を無効にできるのはどんな場合?

そもそもの前提として、遺言が成立せずに無効となる条件はおわかりいただけたかと思います。他にも、あとから無効にできる遺言もあります。

 

遺言の内容を見て、え?と思う親族もいますよね。遺言を無効にできるのはどんな場合か見てみましょう。

意思とは異なる内容の遺言は無効にできる

遺言者の意思とは異なる内容の遺言は、無効にすることができます。

意思とは異なる内容の遺言なんて、するものだろうか…と思われるかもしれません。しかし、実際に遺言者が認知症を患っている場合は、あり得るのです。

 

遺言には日付が書いてありますので、その時点で遺言能力があったかが判断のポイントとなります。

認知症患者が作成した遺言がすべて無効ということではありません。

あくまでも認知症で遺言者の意思と異なる内容であった場合にのみ無効となります。

遺言が複数存在する場合は無効になる

遺言が複数存在する場合は、無効になることがあります。

 

最初に遺言を書いたものの、やっぱりここは…と内容を変更して、もう1通新たに遺言を書くこともあり得ます。このような場合で、変更された箇所があればその部分は最新の遺言が有効となり、古い日付の内容は無効となります。

 

もう少しわかりやすく解説しますね。

2021年1月1日の遺言では、「不動産はAに、貯金債権をBに相続させる」と書いてあったとします。

2021年2月1日の遺言では、「不動産はAに、貯金債権もAに相続させる」となっていました。

この場合は不動産をAに相続する、という内容には変わりはありませんので、遺言どおりに不動産はAに相続されます。預金債権とは、いわゆる貯金のこと。こちらはAなのか、Bなのか悩みますよね。

 

結論からいうとAが相続します。遺言者は、1月1日の時点ではBに相続させるつもりでいましたが、1ヶ月の間に何かしらの心変わりがあったと考えられ、2月1日にはAと判断したのです。それ以降に遺言がなく、2月1日が最新の遺言である場合は、預金債権もAが相続するのです。

詐欺や脅迫で書かされた遺言は無効にできる

詐欺や脅迫で書かれた遺言は無効にすることができます。

 

第三者によって、脅されて「貯金などすべてAに相続させろ!」と言われて書いた遺言は無効です。

偽造、変造された遺言書は無効になる

偽造、変造された遺言は無効になります。

偽造、変造とは、遺言者以外が書いたということです。

 

偽造は、遺言者になりすまして遺言を書くこと、変造とは既に存在していた遺言に対して勝手に手を加えて内容を書き換えること。

 

さて、遺言が無効になったらどうなるの?と気になりますよね。
遺言が無効だと判断された場合には、その遺言は法的効力はありません。通常の法定相続を行うことになります。

 

法廷相続とは、民法で規定された相続のことです。

遺言を無効にしたい!遺言を無効にする方法

ここまで無効となる遺言について紹介してきましたが、なかなか遺族など法律知識がない人だけでは、遺言が無効なのかどうか判断ができないかと思います。

 

遺族などだけで遺言の有効、無効について話しあうと、トラブルになる可能性が高いですので、第三者に判断してもらう必要があります。

 

ここでは、遺言を無効にする方法をご紹介しますね。

遺言を無効にしたい!無効にする方法|裁判所に調停を申し立てる

遺言が有効なのか無効なのか判断してもらうために、裁判所に調停を申し立てます。

 

遺族などの意見や資料などをもとに、遺言が有効なのか無効なのかを判断してもらうのです。

 

原則は訴訟の前に調停を行います。しかし、遺言の無効を争う場合、有効か無効かのどちらかしか結論はありません。その性質上、どうしても譲歩しにくいのです。そのため、遺言の無効を争う場合は、調停を経ずに訴訟を起こす場合も少なくはありません。

どこで裁判をするの?

裁判所と書きましたが、遺言の効力を争う場合は、家庭裁判所で行います。家庭裁判所ならどこでもよいわけではありません。

 

調停の相手となる相続人のうちの1人の住所地を管轄とする家庭裁判所に申し立てを行います。

自分が住んでいる場所の家庭裁判所ではありませんのでご注意ください。

調停をする場合は、調停委員会が当事者たちに対して解決のための助言や説得をしてくれます。ここで言う調停委員会とは、裁判官1名、調停委員2名で構成されます。

 

調停委員といっても素人ではありません。一般的には、弁護士、公認会計士、不動産鑑定士などの専門家が任命されます。中立な立場からアドバイスを受け、可能な限り当事者の合意を目指します。どうしても合意がなされない場合は、調停は不調となり終了します。

裁判にはどれくらいの時間がかかるのか

裁判は長いイメージがありますよね。

 

ケースバイケースではありますが、事前調査なども必要なため、1年はかかるとお考えください。時間がかかっても、解決に至らない、無効にならないケースもあり得ます。

裁判にかかる費用はどれくらい?

裁判にはお金がかかります。弁護士に依頼をすることが多いですが、その場合はまず着手金として50万円前後がかかります。

 

さらに遺言が無効となった場合は、弁護士報酬も必要となりますので、お金がかかるのです。

 

このように裁判には費用とお金がかかります。それだけでなく精神的な負担も少なくはないのです。ただでさえ、大切な人が亡くなって感情的になっている時期に、調停や訴訟になるとトラブルになりかねません。調停や訴訟をする場合は、慎重に判断してください。

裁判で無効になる遺言書はどんなもの?

実際に家庭裁判所に申し立てをして、無効になる遺言にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは裁判で無効と判断されやすい遺言の特徴をご紹介します。

公序良俗に反する遺言は無効になる

公序良俗(こうじょりょうぞく)とは、公の秩序または善良の風俗のこと。少しわかりにくいですよね…。簡単に言うと、「社会のルール」です。

 

遺言の内容が、公序良俗に反する場合は無効となります。

 

具体的に公序良俗に反するとはどのような内容の遺言でしょうか。

 

例えば、遺言者に愛人がいる場合です。遺産をすべて愛人に、という内容の遺言であった場合は無効となる可能性が非常に高いです。なぜなら、不倫が公序良俗に反する行為であるため、認められないからです。

遺言を書いた時点で、妻との婚姻関係が事実上破綻していたかなども争点にはなりますが、一般的には公序良俗に反する内容がある場合は無効です。

 

遺言の書き方はこちらの記事で解説しています→【徹底解説!】遺言書(自筆・公正・秘密)証書遺言の書き方【法務局保管にも対応】

まとめ

遺言は無効にできる場合があります。

 

自筆証書遺言の場合は、そもそも自筆ではない箇所がある、押印漏れがある、日付が曖昧であるということがあれば、遺言として成立しませんので、まずはよく確認してみてください。

 

遺言として形は成立していても、内容として成立しない場合もあります。第三者が故意に内容を変えるために手を加えている、本人の意思に反した内容になっているなどの場合です。このようなことがないかもよくチェックしておきましょう。

 

遺言が無効かどうかの判断が難しい場合は、家庭裁判所に申し立てをして判断してもらうことも可能です。ただし、調停や訴訟をする場合は、親族間でトラブルになることもありますので、慎重に判断してくださいね。

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