お気軽にお電話ください(年中無休:10時~17時)

遺産相続における遺留分侵害額請求権、請求期限は1年?10年?詳しく解説!

 

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

記事監修者:一般社団法人終活協議会代表理事:竹内義彦

この記事を書いている人 - WRITER -

もし、父親の遺言書に、「全財産は次男に譲る」と書かれていたら?その場合、長男は遺産を諦めるしかないのでしょうか。

 

法律では、法定相続人には最低限の遺産の取り分が保障されています。そして、法的な手続きをすることで、その取り分を請求する権利があります。

 

その権利のことを遺留分侵害額請求権といいます。

 

しかし、この権利には消滅時効が設けられており、請求期限を過ぎてしまうと消滅してしまいます。今回は、この遺留分侵害額請求権とはどんな権利なのか、請求できる期間について、わかりやすく説明していきます。

そもそも遺留分とは?

今回は遺産相続において、遺留分を請求できる権利とその期限についての説明なのですが、そもそも遺留分とは何なのか、まずは、そこから説明したいと思います。

 

遺産を分配する割合については、法律で決められた割合があります。これを法定相続分といいます。

 

しかし遺言書などによって、法定相続分が著しく削られるケースもあります。そのような場合でも、法定相続人が相続できる最低限の取り分が法律によって保障されており、その取り分のことを遺留分といいます。

 

ここで注意したいのは以下の2点です。

  1. 遺留分と法定相続分は異なる
  2. 亡くなった人の兄弟姉妹には、遺留分はない

解説していきますね。

1:遺留分と法定相続分は異なる

例えば、亡くなった人の法定相続人が配偶者と子ども2人だった場合の相続の割合は以下のようになります。

法定相続分 遺留分
配偶者 1/2 1/4
子ども1 1/4 1/8
子ども2 1/4 1/8

例え遺言書があっても、この遺留分を侵害することはできず、それぞれの相続人が請求する権利を有します。

2:亡くなった人の兄弟姉妹には、遺留分はない

遺留分は、亡くなった方の直系親族のみに適用する制度です。

亡くなった人の兄弟姉妹には、遺留分はありません。

遺留分の侵害とは?

遺言書などによって法定相続人の法定相続分が減るだけにとどまらず、遺留分まで削られるケースがあります。

 

例えば、相続人が長男と次男の2人であるときに、遺言書に「財産は全て次男に譲る」と書かれてあるようなケースがそれにあたります。

 

遺言書通りに遺産相続すると次男が100%相続し、長男の取り分は0となります。

しかし、長男には、法律で保障された遺留分がありますので、次男が100%相続することは、長男の遺留分を侵害していることになります。

遺留分侵害額請求権とは?

遺留分侵害額請求権とは、上記のように遺留分を削られた場合、その削られた金額を取り戻すための請求ができる権利のことです。

 

上記のケースでは、遺言書の内容にかかわらず、長男は遺留分として遺産の1/4を受け取る権利を有します。

そのため、遺留分侵害額請求権を使って、次男に遺留分の金額を請求することができます。

遺留分侵害額の請求期限は1年?10年?

さて、これまでみてきてわかったように、法律で最低限保障されている遺産の取り分である遺留分を削られた場合、その削られた金額(=侵害額)を取り戻すための請求ができます。

 

しかしこれには、期限が設けられています。

遺留分の請求期限については、民法第1048条に以下のように書かれてあります。

”遺留分侵害額の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から一年間行使しないときは、時効によって消滅する。相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。”

これを読んで、1年なの?10年なの?と頭を傾げてしまう方もいるかもしれません。

 

前半と後半では意味が異なりますので、以下、詳しくみてみましょう。

「知った時」から1年間で権利は消滅

まずは、前半部分について説明します。

 

上記によると、遺留分侵害額の請求権には時効があり、その時効は1年ということになります。この1年がどこから数えて1年かというと、「相続の開始」と「相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時」からの1年となります。

 

では、「相続の開始」とは、いつなのでしょう。通常は、遺産を残した人(被相続人)が亡くなった時を意味します。

 

注意が必要なのは次の「遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時」の解釈です。

 

例えば、贈与や遺贈があったことは知っていても、相続の全体の金額を知らなければ、自分の遺留分を侵害しているどうかは分かりません。贈与や遺贈があったことだけではなく、その贈与や遺贈が自分の遺留分を侵害していることを知ったときというのは重要なポイントになります。

 

つまり、必ずしも、1年のカウント開始が、「相続の開始」=被相続人が亡くなった時とは限らないということです。

 

ただし、「贈与や遺贈が自分の遺留分を侵害していること」をいつ知ったかについて、どう証明するのかは、現実問題として難しい部分ではあります。

相続開始時から10年でも権利は消滅

次に後半の部分「相続開始の時から十年を経過したときも、同様とする。」についてみてみましょう。

 

この文章の意味するところは、「遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったこと」を知っていようがいまいが関係なく、相続の開始から10年経ったら、遺留分侵害額を請求する権利は消滅するということ。

 

請求する権利がある人が、その権利を主張しなくても、10年経てばその権利はなくなります。

請求期限を過ぎた場合

「相続の開始及び相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時」から1年が過ぎてしまった場合、あるいは、「相続開始の時」から10年を過ぎてしまった場合は、遺留分の侵害額を請求する権利は失われます。

 

しかし、1年の時効については、カウント開始となるのは、「遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったこと」を知った時であり、これがいつなのかの判断によって、権利の消滅日は異なります。

ただし、これを「知った時」がいつなのかを証明するのも難しいため、遺留分を確実に得るためには、「相続の開始」から1年以内に請求権を行使するか、早い段階で弁護士に相談するのが安全ではないかと思われます。

 

遺留分の期限について、クイズ形式の動画があります!あわせてご覧ください!

遺留分減殺請求権と遺留分侵害額請求権の違い

遺留分侵害額請求権と似たようなものに、遺留分減殺請求権というのものがあります。

 

遺留分減殺請求権とは、2019年の民法改正以前の遺留分の権利がある人が有していた権利です。2019年7月1日から施行された改正後の民法では、遺留分減殺請求権は、遺留分侵害額請求権に改められています。

 

遺留分減殺請求権においても時効期間は、遺留分侵害額請求権と同じで、「相続の開始」と「相続の開始及び遺留分を減殺する贈与又は遺贈があったことを知った時」からの1年間となっていました。

 

そのため、名称だけが変わったように思われがちですが、実は、請求の内容が微妙に異なっています。

遺留分侵害額請求権

遺留分が侵害された場合、侵害された金額を返還してもらう権利

遺留分減殺請求権

遺留分が侵害された場合、相続された財産そのものを返還してもらう「現物返還」が原則(例えば不動産であれば遺留分に当たる割合で共有持分を取得など)

 

改正後の遺留分侵害額請求権では、不動産などの財産も現物ではなく、金銭請求となり、不動産の共有所有によるトラブルが軽減されると見られています。

 

ただし、2019年7月1日以前に開始された相続については、改正前の遺留分減殺請求権の制度が適用となりますので、間違えないようにしましょう。

まとめ:遺留分侵害額の請求期限は1年間と覚えておくと間違いがない

遺言書などによって、法定相続人の法定相続分が減るだけにとどまらず、遺留分まで削られた場合、その侵害された遺留分を請求することができ、その権利を遺留分侵害額請求権といいます。

 

しかし、この権利には時効が設けられていて、請求できる期間は「相続の開始」と「相続の開始及び遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時」からの1年となります。

 

また、遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったこと知らなかったとしても、10年で請求する権利は消滅します。

 

ただし、遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時をいつとするのか、その判断は難しいため、遺留分侵害額の請求を考えている場合は、相続開始から1年以内に請求するか、遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことがわかった時点で、弁護士に相談するのが良いでしょう。

相続やお金のことについてさらに詳しく知りたい方は →相続関連記事一覧 
老後のお金や、資産運用について、さらに詳しく知りたい方は→ 『老後のお金、資産運用』記事一覧

「終活の相談窓口」では終活に関する様々なサポートを行なっております。

竹内

  • エンディングノートの書き方サポート
  • 終活に関するご相談(無料)
  • おひとりさまの終活サポート

終活に関するご相談は以下からお願いいたします。

無料で受けられる「終活ガイド初級」で、終活の基礎知識を学びませんか?

エンディングノートの細かな部分をしっかり理解し、”『エンディングノート』を通じて豊かな人生のお手伝いをする”やり甲斐、使命感を感じられる仕事『エンディングノート認定講師講座』については以下をご覧ください。

この記事を書いている人 - WRITER -

Copyright© 終活の相談窓口 , 2021 All Rights Reserved.